知人から幾度となく勧められていましたが、なかなか行けずにいた「鮨処有馬」
単身赴任先の滝川からだとちょっと行きずらいと思ってましたが、たまたま異動で札幌へ舞い戻っていたので、なんとか行けそう
といことで今回我が家の奥さんの誕生日がチャンスとばかりに予約し伺うことにしました
そういえばここを紹介してくれた方はここ有馬がススキノにあった時代にファイターズのダルビッシュ選手と鉢合わせしたことがあるそうです
そのダルビッシュ選手も日本ハムファイターズ時代、この有馬を度々訪れたようで「北海道で一番(日本で一番とも?)美味しいお寿司屋さん」とここ鮨処有馬をこれ以上ない言葉で評価していました
そうこの有馬以前ススキノにお店があったのですが
その時予約なしで訪れてしまい入店できなかったことがありました
そんなススキノのお店から狸小路にほど近いビルに3年前に移転
カウンターが9席と個室となるテーブル席2卓のこじんまりとしたお寿司屋さんです
カウンターの奥の壁には茶道具を飾るような茶碗の飾り棚があり
そこには滝川は江部乙の陶芸家大野耕太郎さんの作となる青白磁の器が並べられていました
さてこれらの器って実際にこれらの使われているのでしょうか、ちょっと興味があります?
さてスタッフに案内されたのはカウンター
目の前(まさにこの位置)で大将の有馬正隆さんの手業
いやもとい匠の技を眺めつつ料理やお寿司を愉しむことなりました
いや~初めての来店ですが、ラッキーでした
そんな大将の技を愉しみつつ飲むのは、まずは生ビール
続いて頼もうとお酒のメニューを頂いたのですが、ちょっと気に入らない雰囲気を醸し出してしまったため
もう一つのドリンクメニュが出てきました
そこのメニューにはなんと上川大雪酒造「緑丘蔵(りょっきゅうぐら)・2017年試験醸造仕込み5号」彗星の名があります
聞いたところ以前、金滴酒造の金滴彗星を扱っていて
砂川で地酒を扱う酒屋の小山商店さんと取引があり、その時からの縁で仕入れられたのだとか
もちろんこれを頼まないわけにはいきません
というのも以前滝川で単身赴任生活をしていた時代にこの上川大雪酒造の川端杜氏に酒造りの話「飲まさる酒の流儀」で新しい酒蔵での酒造りの話を聞いたりして、今回の緑丘蔵の試験醸造酒大変興味がありました
特に今回の5号に使われた酒米は砂川の「彗星」
川端杜氏を一躍有名にしたあの四文字シリーズ「金敵彗星」を思い起こします
実は誕生日祝いとなった我が家の奥さんも、その川端杜氏を学校の授業に講師をお願いしていたりと、多少所縁ある方が醸したお酒での祝い酒を愉しめることになり
この貴重な緑丘蔵の彗星を飲みまくることとなりました
ちなみにこの彗星のボトル
大将にお願いしてボトルを出してきていただき写したものです
(料理の写真も快く承諾してくれました)
飲むお酒が決まったら次は料理
2種類あるお任せコースから「雪(12,400円)」つまみ7種・握り9貫をチョイス
ちなみにお任せのメニューは「花」と「雪」2種類
北竜町出身の大将が小学生の頃、真竜小学校のクラスが、「花」と「雪」の2クラスだったからなんだとか
といことでまずはお摘み
目の前にある深皿には襟裳産の柳タコが入れられています
覗いてみると図太い脚の大ぶりのタコで吸盤も大きい
ぽん酢の柔らか煮柔らか煮
昆布締め
そして大きな吸盤とお造り
お造りは「生」でしょうか、湯通しくらいはしているでしょうが生のタコはめったに食べることが出来ない貴重な食材、柔らか煮にはオクラがソースとして載せられたり、フランス・ゲランドの塩が振られていたりとそれぞれ楽しめます
さてカウンターからは木製 ネタ箱に入る寿司ネタが見えていますが
その中でも異質だったのが何かの貝の食材
最初はシャコ貝なんて思いましたが、そのくらい大きかった
で、そのバカでかいネタの正体は「ツブ貝」
襟裳のツブだそうですが、本当にこれがツブって思うほど大きい
貝のサイズはいかほどと思ってしまいました
このツブ貝は大将の包丁による仕事もあり柔らかくいただきますが、同じ皿に盛られたそのツブ貝の肝もでかい
この肝、濃厚なうえコリコリした触感まで味わえました
続いて雲丹を入れた容器が出てきました
9月に入りましたが、まだ積丹産の雲丹が出ているようで、しかも色からして赤雲丹
そうこれまた貴重な蝦夷馬糞雲丹です
その雲丹を噴火湾産の松川鰈で丁寧に巻き、鰹出汁のジュレをかけ出てくるといった手間隙かけた逸品でした
鰯に美しく包丁を入れ軽く焼かれたものをなにやら厨房に一度持っていき
出てきたのは酢味の煮浸した『鰯の煮物』
いや~何から何まで手間暇かかっています
タラバ蟹の身を解しばらしたものに
濃厚なタラバ蟹の内子の塩づけが添えられています
これは日本酒(緑丘蔵)との相性が抜群でした
次に出てきたのがここ有馬の名物
大和芋のすりおろしで蓋をした海鮮蒸しスープ
旨味たっぷりの出汁が効いたスープですが、中には金目鯛が入ってました
スープを程良く吸った大和芋も美味い
さてこのあたりからいよいよお寿司
まずは牡丹海老
外子がトッピングされていました
続いて
松川鰈(噴火湾)の昆布〆
鮪は函館産(戸井)のトロ
もちろん大将の仕事ぶりが見て取れます
ちなみに鮪と言えば大間産の鮪を思い浮かべますが
青森の大間津軽海峡を隔てた同じ海、違いはと言えば水揚げされる漁港と処理する水産会社くらいでしょうか、そのくらいの違いしかないんです
ちなみにこれは冷凍物
後ほど「生」の鮪も堪能させてもらうことに
直径4cm高さも2cmはあったでしょうか、野付産の帆立の貝柱
ご飯には海苔を挟めて出してくれました
これまた「生」の北寄貝
色が赤づいていないので生だとすぐわかりますね
これがものすごく甘い
鰊もたっぷりと仕事をして提供されます
脂が甘く口の中に広がります
鰊に載っているのは「エシャロット」
香味野菜としてネギとニンニク双方の効果があったりします
ちなみにここの大将、フランス産の塩を使ったりとなかな楽しませてくれます
網走産の炙りきんき
天然キングサーモン
日本でいうところの大助ですね
キングサーモンに続いてイクラ
今年のものなんだそうですが、もうすでに鮭は水揚げされているんですね
遡上されつつある鮭から取れたイクラらしくイクラの皮も柔らかくおいしい
さすがこうしたお店では旬は先取りしていますね、小ぶりな皿でムラサキ雲丹に載せられいただきます
穴子
流石にこれは道内産ではないとのこと
ちなみに北海道産のものも結構出回っています
「ブリ」や「カツオ」もそうですが地球温暖化の影響か海水温が上がりこうした魚が北海道でも水揚げされるようになりましたが
残念ながら観光客は北海道にきてまでカツオやブリは食べないんだとか
そろそろ終盤ということで
味噌汁(椀物)が出てきました
先ほど食べた牡丹海老の頭が髭と足を外して入れられています
これでコースは終了ですが、先ほど話の出た戸井産の鮪を追加で頼みます
ちなみにこれは「生鮪」
養殖物以外では今回が初めて食べる逸品でした
こんな感じで2時間余り
美味しい料理やお寿司を惜しいお酒「緑丘蔵」で楽しませていただきました
しょっちゅうは伺えませんが、心地よく楽しませてくれるお店のようですのでまた機会を作り伺いたいと思います