奈良の酒蔵の最近の記事

奈良には清酒発祥の地である正暦寺があるほか、春日大社には重要文化財である日本最古の酒殿があったりと
日本酒ゆかりの地がたくさんあり、まさに奈良は「日本酒の聖地」といえる県
せっかく奈良までやってきたのですから、スタンプラリー(御朱印集め)ばかりじゃもったいないので、そんな奈良で数件ばかり酒蔵めぐりもさせていただくことにします
1軒目は暖簾にあるように、倭の国の酒、嬉長・生長を醸す
古都奈良の生駒にある地酒蔵「上田酒造」
創業は1558年、なんと室町時代から日本酒造りを行っている伝統のある蔵でした
 

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蔵の入口には「上田酒造蔵」の看板と共に「長命心酔蔵」の看板が掲げられています
 

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今回は酒蔵見学を予め頼んでおいたおかげで、蔵を案内していただきました
ガイドしてくれたのは蔵元でしょうか?
仕込みはもう終わったようで、酒米を蒸す甑は樽酒に使われるような藁菰がかけられ
もう来シーズンまでは使われないようです
 

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日本酒の風味を左右するのが仕込み水ですが
古き昔より名水とうたわれている生駒の地下水を仕込み水につかっていますが
これは現役の井戸のようです
 

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蒸した蒸米を冷やす蒸米冷却器もカバーがかけられています
奥には麹室が有るよう看板がかかっていました
 

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ただ奥のホーロータンクでは醪がまだ醸されているようで
蔵全体に良い香りが漂っていました
 

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流石に歴史ある蔵らしく、ホーロータンクがほとんどでしたが
なかにはこうした最新式の機器を使ったサーマルタンクもあり
奥深い伝統を受け継ぎつつも新たな技術も導入しているようでした
まぁ手前に置かれた木製の梯子が多少不釣り合いでは有りましたが
 

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上槽に使っているのはもちろん「YABUTA」
 

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そのほか酒造りに使われる桶がずらりと並びます
一昔前なら木桶が使われていたのでしょうけど、現在はもちろんステンレスやプラスチック製になっています
ただその形は一昨日、灘五郷の伝統的酒造りの道具の展示で見た木桶を彷彿させる造りになっていました
 

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最後に瓶詰機の行程で酒蔵見学は終了
 

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続いて酒蔵の直販所へ
 

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ここには過去様々な賞を取った証の賞状が掲げられていますが
目をひたのが下の写真
現代の名工に選ばれ、2012年に黄綬褒章を受賞した山根貞雄杜氏のものがここにありました
 


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ちょっと目を引いたのが、BSテレ東のTVドラマ「ワカコ酒」のポスター
「嬉長 辛口本醸造中納言が紹介されました!!」と黒マジックで記されていました
 

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というのも「ワカコ酒 Season6」第4話で、ワカコが会社帰りに立ち寄った「大衆酒場 いずみ」で注文したのが
「冷酒・嬉長 辛口本醸造中納言」ちくわの磯辺揚げを肴に武田梨奈さん演じる村崎ワカコが飲んでいるシーンが印象的でした
ちなみにこの上田酒造を訪ねる1週間前の放映だったのですが、放映後は注文が殺到したようです
まぁドラマの内容は、お取り寄せグルメで散財したワカコが安酒場で一杯やった時の日本酒の話なんですけどね
 

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話がそれましたが、酒蔵見学後のお楽しみの試飲
(ちなみに私はドライバー3なので飲めませんでした)
「純米大吟醸 生駒宝山」
「菩提酛 純米」
「嬉長 山乃かみ酵母使用 純米酒」
「嬉長 有機純米吟醸(有機栽培イセヒカリ100%使用)」
「無濾過 純米生原酒」
「嬉長 大和の新酒 しぼりたて生酒」
「嬉長にごり原酒」
中にはこんな色のついた「五年大古酒原酒 菩提酛 純米 嬉長」2016・2018なるものが有り
利き酒はやっていませんが、こいつは土産に買っていくことに
もちろん、「嬉長 辛口本醸造中納言」も少ない在庫から分けていただきました
それも瓶詰したばかりの詰めたて、ラベルすら貼って無かったものをラベル貼りしてまで売っていただいた次第です
 

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さて冒頭の清酒発祥の地である正暦寺の話は
この試飲の時に聞きました
そして正暦寺で造られた菩提酛による「菩提酛純米酒」を醸す8蔵の一つが上田酒造であったと聞いて
今日の予定を大幅に変更、本日中に正暦寺にも立ち寄る事といたしました
 

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伊勢を訪れたさいに立ち寄った伊勢百貨店五豊美
まぁ三重・伊勢の銘品、逸品がならぶお土産屋さんなのですが
ここには三重・伊勢の銘酒の数々と利き酒が体験できるコーナーがあり、利き酒を楽しんできました
その際に目を引いたのが、お店の冷蔵庫の上にディスプレーされている「るみ子の酒」の菰樽
日本酒ブームの火付け役となった漫画『夏子の酒』の作者・尾瀬あきらさんによるイラストが描かれた樽酒でした
 

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その「るみ子の酒」
三重県伊賀の酒蔵 森喜酒造場の日本酒で、ボトルの「裏ラベル」にはこう記されていました
『るみ子の酒のラベルデザインと命名は漫画「夏子の酒」の作者、尾瀬あきら先生のご厚意によるものです』・・・・とありました

ちなみに何故・・・・
森喜るみ子さんは長女で薬剤師の道を進んでいましたが、蔵の経営をしていた父親が病で倒れ急遽、1989年に蔵を継ぎます。
慣れない造りや廃業の危機の中、尾瀬あきら著の「夏子の酒」を読み境遇が似ていたことから、尾瀬氏に手紙を書いたことがきっかけとなり純米蔵にすることを決意(1998年BY(醸造年度)から全量純米)、尾瀬氏から「るみ子の酒」を命名され、るみ子さんの姿をラベルにしてもらったそうです。
 

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伊勢百貨店五豊美で利き酒をした、そんな森喜酒造のるみ子の酒が忘れられず
奈良からレンタカーを駆り、1時間半
遠く三重県の伊賀まで来てしまいました
たどり着いた森喜酒造「森喜酒造場」
明治26年(1893年)創業ですが
全国的にみても非常に小さな酒蔵で、製造量は年間300石(54000リットル)ほどなんだそうです
けれど米と麹、水だけで醸す手造りの「純米酒」のみを造っている本格的酒蔵です
 

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ショップ・事務所棟だろう玄関には杉玉どころか看板もありません
おそるおそる玄関を開けても、誰もおりませんでした
本当にここで良かったのかな?
と思ったところ、出てこられたのがおそらくは蔵元だったかと思います
 

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あらかじめ予約しておいたのですが、そんな蔵元みずから丁寧に酒蔵を案内していただきました
まずは洗米
忍者の里としても知られる伊賀市は、高品質な三重県産『山田錦』の大半が作られている米どころとして有名で
その米どころで栽培された酒米を洗米するのが、このウッドソンの限定吸水洗米用 (バッチ式)
はじめて見たのですが、これ結構小さい
小規模な酒蔵である森喜酒造場ならではの道具のようにも思えますが、実はこれが優れモノなんだとか
 

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続いて「蒸し」の工程
米の張り方には一度に甑内に張り込む方法と、甑に蒸気が上がってきたら米を薄く均一にまき、蒸気が米の層を抜けたら次の米をまく作業を繰り返す「抜掛け法」と呼ばれる方法の2つが有り
森喜酒造場では後者の抜掛け法で蒸されます
蒸米もまた酒造りには非常に重要な工程で
お米を蒸すことで、熱によって殺菌効果を施し、硬い米をやわらかくして麹菌が繁殖しやすい状態にすること

夏子の酒に出てくる登場人物のモデルになったといわれる「上原先生(酒造技術指導の第一人者)」もまた
『蒸気に顔を吹かれ、かつ忙しい作業ではあるが、酒質向上のためには、この"戦前の常識"の重要性が見直されるべきである』と書き記されているのだとか

 

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酒造りに使われる桶はプラスチック製
「ささら」も見ることが出来ました
それにスコップ、いまや酒造りには欠かせないアイテムかと思います
 

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甑に比べてバーナーはなんだか多少、貧弱に思えました
 

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熱源に昔は薪などが使われたのでしょうか
蔵の煙突はそのときの名残のように思えます
ただバーナーに替わっても、写真の煙突はいまだ現役なんだそうです
 

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蒸された米は放冷機を通し、熱を放散させ乾燥させます
蔵には年代物の放冷機が有りました
 

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荒熱をとって適温になったところで2階の製麹室に運ばれます
製麹室はパネル組立式のもの
どちらかというと少し古びた感のある酒蔵ですが、この製麹室にいたっては清潔感がひしひしと伝わりました
高温多湿な環境を制御するのでしょうか、これまた年代物の自動製麹装置制御盤(ハクヨー)が設置されていました
 

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森喜酒造場ではすべての麹を伝統的な製法である「蓋麹法」と呼ばれる方法で造っているそうです
これは『麹蓋』と呼ばれる専用の小箱にお米を小分けにして盛り、約4時間ごとに積み替え(麹蓋の場所を移動させること)を行うそう
 

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ということで、そんな麹蓋を積み替える部屋が隣に有りました
 

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そういや先日伺ったオープンしたばかりの灘五郷酒処で頼んだ「灘五郷酒処セット」
そのセットを載せるのに使っていたお盆ってこの『麹蓋』の使い古しだったんですね
 

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太い梁が特徴的な明治中期創業の酒蔵
神棚にはもちろん松尾さまの札が祀られていました
 

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今回説明を受けた中で感銘を受けたのが
生酛は古来の製造方法で、伝統的な「山卸し(酛摺り)」という作業
山卸しは10℃以下の気温の低い夜中~早朝にかけて行われ、かつ、摺りつぶす操作を約2時間ごとに繰り返し行うため、非常に大変なんだとか
そんな山卸に使われる道具(櫂や桶)もここにはありました
けれど山卸し(酛摺り)は他では出せない蔵独自の味、自然発酵ならではの複雑さ、力強く奥行きのある味わいが出るんだとか
灘五郷もそうでしたがこの山卸しにこだわる酒蔵がこの一帯には多いようで
私自身は山廃で充分、今どき山卸しなんてとも思いましたが、今回の旅で改めてその山卸しを見直すことに
「山卸し」や「生酛づくり」なんてラベルの日本酒が有ったら思わず手に取るようになりました


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ずらりと並ぶホーローの仕込みタンク
なかにはビニールホースが巻かれたタンクも有りました
どうやらタンクを冷やすのに使われたようです
 

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冷すだけではなく、温めるのはこのステンレス製の容器である「暖器」
中に熱湯を入れ、酒母の温度を上げる操作を行う
いわゆる暖気(だき)といわれる操作をこいつで行うようです
 

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醪を絞る、上槽に使われるのは昔ながらの「漕(ふね)」
鋳物の圧搾機で上から圧力をかける「佐瀬式槽搾り」と思いきや
残念ながら部品の調達が出来ず使われていないのだとか
 

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上槽に使われているのは昭和製作所の自動圧搾機
いつもみる薮田産業のそれではありませんでした
 

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そして瓶詰
ラインにある瓶詰機もなんだか年代物でした
 

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最後のラベル貼りは、なんと手貼り
そういや「夏子の酒」でも福井で美泉を醸す内海酒造でラベルを手貼りしているシーンがあったのを思い出しました
 

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瓶洗い機も年代もの
 

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そんな設備ばかりでしたが、とりわけ設備に力を入れていたのが
蔵を出たところにあったコンテナの冷蔵庫
 

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中には瓶詰めされた日本酒がずらり
森喜酒造場はどうやら日本酒の保存に一過言ある酒蔵のようです
 

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酒蔵見学のあとはお楽しみの試飲
  

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店のショップの冷蔵ガラスケースには、「るみ子の酒」がずらりと並んでいました
この森喜酒造場さんは、日本酒の保管にはこだわりが有るのでしょうね
 

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試飲したのは(もちろん私はドライバーなので見てるだけですが)
1992年「夏子の酒」の作者・尾瀬あきら先生により命名された『るみ子の酒』シリーズ
ラベルも尾瀬先生の描き下ろし
「純米酒 るみ子の酒 無濾過生」
「すっぴん特別純米・無濾過生原酒・6号酵母」
「すっぴん特別純米・無濾過生原酒・9号酵母」
「無農薬山田錦90% きもと無濾過生原酒」
「特別純米・無濾過生原酒・6号酵母」
「RUMIKO NO SAKE JYUNMAI DAIGINJO(山田錦40)」
それと特別に「にごり酒」も試飲することに
いや~こういう所に車で来るところではないですね
 

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ショップ・事務所棟には「夏子の酒」も置かれていました
 

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あと一つこんなところに「國酒」プロジェクトの色紙
書いたのは宮澤喜一元内閣総理大臣
お~と思いましたが、じつはこれって買うのだとか
ちなみに色紙一枚はいったい幾らとは聞きませんでした
 

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さて日本酒のラベルのモデルとなったのが、森喜酒造場の蔵元である森喜るみ子さんですが、夏子の酒を通り越して今や田んぼではトラクターに乗り田んぼを耕していました
そう森喜酒造場では平成7年より自社田で酒米作りを始め、山田錦を育てているのだとか
 

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最後にるみ子の酒
「すっぴん特別純米・無濾過生原酒・9号酵母」
と、前述の「純米酒 生酛」を購入
帰宅後、愉しむことにします
 

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と言う事で、森喜酒造場さん今回の酒蔵見学ありがとうございました

奈良の生駒にある地酒蔵「上田酒造」で教わった菩提酛
室町時代、奈良の寺院醸造の中心的役割を担った菩提山正暦寺で創醸された酛(酒母)で、日本最古の酒母と言われています
まぁいわゆる「0号酵母」と言ったところでしょうか
そんな正暦寺の入り口には「日本清酒発祥之地」という碑がありました
えっ仏教ってお酒はダメなんじゃない・・・
そう本来寺院での酒造りは禁止されていましたが、奈良・正暦寺では神仏習合の形態をとる中で、鎮守や天部の仏へ献上するお酒として、自家製造されていたそうです
正暦寺では、仕込みを3回に分けて行う「三段仕込み」や腐敗を防ぐための火入れ作業行うなど、近代醸造法の基礎となる酒造技術が確立されていたと、室町時代の古文書『御酒之日記』や江戸時代初期の『童蒙酒造記』にも記されています
こんな歴史的背景から、正暦寺が日本清酒発祥の地であり碑が建てられたのですね
 

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ちなみに正暦寺は平安時代であった992年に創建されました
奈良市東南の深山幽谷の雰囲気がたっぷりと残る郊外の菩提寺山にあるお寺で
奈良五聖地の一つに建っています
そんな郊外にありはしましたが有名な興福寺に負けず劣らず大規模な寺であったといいます、ただ1180年には、平重衡の「南都焼討」で壊滅的な被害をうけてしまっています
 

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今回伺った「正暦寺 福寿院」
1681年に建替え・建立された建物で国の重要文化財に指定されています
この表玄関は1702年に増築されたもの
 

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院号の龍華樹院と書かれた看板の有る建物が福寿院
拝観料を支払い中に入ります
住職の解説を頂きつつ江戸時代建立の福寿院客殿、護摩堂の文化財「孔雀明王像」「狩野永納筆の襖絵」を拝んでまいりました
そうそう借景庭園もまた見事でした
(ちなみに写真撮影不可)
 

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正暦寺境内には万葉歌碑が建立されていました
「秋山の黄葉を茂み 迷ひぬる 妹を求めむ山道知らずも」と書かれていますが
これは飛鳥時代の歌人 柿本人麻呂が妻に死なれたときに詠んだ歌と言われています

ちなみに黄葉は現在の紅葉をさすそうで
ここ正暦寺は錦の里と呼ばれる奈良県屈指の紅葉の名所として知られているそうです
次は是非とも紅葉の季節に伺いたいものです


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最後に正暦寺の御朱印「薬師如来」をいただき寺を後にしますが
大和北部八十八ヶ所第七十三番の印も押されました


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奈良天理「稲田酒造」酒蔵見学

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日本清酒発祥之地「正暦寺」を訪ねたあとは
天理教の御神酒を扱う、創業1877年(明治10)の老舗の造り酒屋「稲田酒造」へやってきました
こちらも予約の上、酒蔵見学させていただいたのですが
蔵の解説をしてくれたのが、稲田酒造の杜氏である、黒瀬弘康氏
そうあの黒木本店で百年の孤独を醸していた、あの黒瀬杜氏
「百年の孤独」を長く携わっておられましたが、日本酒の世界へ転身
同じ奈良にある増田酒造を経て2年前からここで杜氏をしているとの事です
なんだかとんでもない方に酒蔵見学の解説をしてもらったことになります
そんな著名な方にもかかわらず、終始謙虚で腰の低い杜氏でびっくり致しました
 

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さて酒蔵見学、まずは洗米
解説ではありませんでしたが、見ると洗米はウッドソン社製のMJP洗米機を使用していました
これジェット気泡で洗って、汚れを即排出、ジェットで流送するので、割米がないといった優れもの
午前中に伺った伊賀の森喜酒造場でも愛用していたもののサイズ違いのものです
蒸米に使われるのはホリケンブランドの吟醸コシキと設備にはかなり力を入れているようです
 

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さてここからが黒瀬杜氏の解説
通常蒸した酒米は放冷機という機械に載せられ強制的に蒸米を冷やしていきますが
ここ稲田酒造においては自然放冷による放冷
黒瀬杜氏考案の竹などで編んだ筵(に蒸米を広げて時間をかけ放冷する、といった昔ながらの手法が使われています
これは作業の合理化のためには放冷機が有効ですが、放冷機で冷却すると、米の表面だけが冷え、芯まで冷えないといった欠点もあるから
けれどこれって結構な手間ですよね
そうこうした手間暇かけて醸すのが稲田酒造のモットーのようです
 

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さてここ稲田酒造の酒蔵で目を引くのが日東工業所社製の麹室
最新の設備での麹造りに挑戦するために、平成27年に麹室を新築したのだとか


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麹室の中で温度湿度を微妙に調整しながらおよそ2昼夜半愛情こめて麹造りを行うのだとか
そういや北海道では時の人となった上川大雪酒造の川端杜氏がその昔、〇滴酒造の杜氏をしていた時に麹室もまともに使えるような状態じゃなくて、ホーマック(北海道のホームセンターです念のため)でビニールシートを買ってきてそれで麹室を覆って麹づくりをしたなんて話を聞いたことが有ります
そんな酒が全国新酒鑑評会で金賞を取ったりもしたんですけどね
まぁやはり麹室は清潔なのが一番
ちなみに黒瀬杜氏はこんな木製の麹室はいらないそうで
FRP製の方が良いなんて拘りも有りました
 

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そして酒母造り
酒母造りも清潔感溢れる個室で行われていました
しかも温度管理がなされている冷蔵室で仕込まれています
ゆえに大量生産はできず少量を丁寧に造るのがここ稲田酒造
黒瀬杜氏、曰くはそんな大量生産は目が届かないもが常
灘の酒蔵などはどちらかというと化学工場なんて比喩していましたが
私自身も酒造りは本来こうしたものなんだろうと思います

さてここでは生酛ではなく速醸酒母で仕込みを行っていました
使われる酵母は先ほど行った正暦寺の境内より野生酵母として採取された「奈良うるはし酵母」
それと酒の神様"大神神社"の神域においてササユリの花から酵母の分離「山乃かみ酵母」
古くから変わらぬ稲天を醸してきた、協会7号酵母、9号酵母を使ったりと時代の流れに応じて酵母は変更しているとのこと
 

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冷蔵室でもろみから絞りまで行われる、最新技術の極みかと思いきや
黒瀬杜氏はもろみは時によっては30日以上(多い時には40日にも)は育てると言う、もろみはまるで子供を育てるようと話してくれました
そんなもろみのデーターも包み隠さず見せてくれたりもしました
 

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もろみはこうしたサーマルタンクで
三段仕込みでおこなっていますが、約25日~30日をかけてお酒はできあがるとのこと
 

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仕込まれた酒は貯蔵タンクで出荷時期まで寝かされ
季節がめぐり時の力が清酒黒松稲天を醸しだすのだそうです
黒瀬杜氏が醸すということで、当然1年熟成なんてものもあるようです
 

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さて酒蔵見学を終え、ショップに戻ってまいりました
その途中、奈良漬を漬けているところに遭遇
もりろん稲田酒造で作られた酒粕で漬けられています
これは無論購入
これでチーズをくるんだ料理を、この後食べることになりましたが
日本酒の肴としてよく合ったので自宅で再現することに
 

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最後に試飲
残念ながらドライバーの私は飲めませんが
 

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試飲したのは
「熟成大吟醸の生酒 翠光」
「氷室のさと(福住)507」天理市福住産"吟の里"50%精米と7号酵母
「氷室のさと(福住)509」天理市福住産"吟の里"50%精米と9号酵母
手前の氷室の里はなんと一年熟成です
 

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最後に黒松稲天 純米しぼりたて生原酒 «冬季限定»を購入
稲田酒造を後にしますが、そういや蔵の庭も見事でした
今回は黒瀬杜氏自らの解説の酒蔵見学でしたが堪能させていただきありがとうございました
 

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蔵元豊祝奈良店で立ち飲み

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奈良と伊賀の酒蔵を巡った1日でしたが、レンタカーなので一切飲むことが出来なかったことから
今宵の晩餐は近鉄奈良駅構内にある豊澤酒造の直営店「蔵元豊祝奈良店」で楽しむことに
ここは立呑みの店ですが、料理も充実しているとのことで
1日飲めなかったストレスを解消しようとやってきたわけです


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蔵元豊祝の直営店という事でメインはやはり日本酒
店頭にはワンコイン(税含む)の豊祝セットがあることがアピールされています
500円でおつまみ3品と、生ビール、ハイボール、本醸造や純米原酒などが飲めるのは
センベロならぬゴヒャクベロと言ったところでしょうか
 

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店は縦長、満席(立呑みですが)でしたがほどなくカウンターが空いたのでそこで飲むことに
奥には販売(持ち帰りや地方発送)コーナーもありました
 

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さてメニューですが、酒の肴とセットメニュー
 

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まずは豊祝セット 500円
飲み物は
・300円以下の日本酒
・熱燗(純米酒豊祝or貴仙寿辛口)
・生ビール
・ハイボール
おつまみ三種盛り
・鶏の炭火焼き(宮崎県産地鶏)
・豚タンスモーク
・枝豆
といったコスパ最高のセット
飲み物は無論日本酒
生酒タンクで管理してます!という「蔵出し 純米原酒」をいただくことに
 

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もう一つのセット
無上盃セット 600円
・純米吟醸 無上盃 
おつまみは
・青唐味噌
・生ホタテのわさび和え
・ゆず入り笹かまぼこ
 

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黒板メニューも魅力たっぷり
ただし早く頼まないとどんどん消されていくようです
 

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黒板メニューにあるものは予め作られ、カウンターに並んでいました
 

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続いて三種のきき酒セット(本醸造貴仙寿辛口、純米酒豊祝、純米吟醸無上盃) 370円
合わせる肴は「奈良漬とチーズの不思議な出会い(当店オリジナル)」 310円
これが不思議と美味かった

 

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合わせる肴は酒粕土手煮 410円
竹の子土佐煮 350円
 

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三種のきき酒セット
美味しかった本醸造貴仙寿辛口 280円 をもう一杯
 

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純米酒豊祝を熱燗 360円 でいただきましたが肴は
焼きいかくんせい 320円
いわしフライ 250円
 

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これだけ食べて飲んで、お会計は3,750円これ2人で飲んだ料金です
まぁ観光地のど真ん中でしたが、少なくとも観光地価格では有りませんでした
道理で混んでいたはずです
1次会はコレで終了、次はどうしようかな

今回の奈良での宿は「スーパーホテルJR LOHAS奈良駅前」
JR奈良駅目の前といった立地の良さが魅力の宿です
そんな立地の良さに加えて繁忙期のGWだったにも関わらず料金は、1泊2人で9千円程といったコスパの良さが魅力のホテルでした
 

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さてそのスーパーホテルJR_LOHAS奈良駅前 
いわゆるビジネスホテルなんですが、部屋のバスルームとは別に湯船にゆったり浸かることのできる温泉「飛鳥の湯」があるうえ
午後5時から9時まではカクテルアワー
ラウンジのようなところで奈良の地酒やカクテル割りが無料で楽しめるうえ
なんと食事の持ち込みが可能とのこと
  

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そのラウンジのような部屋がここ
朝食会場でしょうか、結構な席数が有りました
 

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奈良駅前の夜景を楽しみつつカクテルなんてこともできますし
電子レンジが有るので持ち込みの食べ物にも幅が持てます
 

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飲み物は奈良の地酒をはじめ、ハイボールやワイン、焼酎などが飲み放題
 

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奈良の地酒「春鹿 純米吟醸 白滴」に「春鹿 超辛口」をメインに頂きました
 

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ソフトドリンクはこのサーバーを使いますし、氷のサーバーも有りました
サントリー ブラックニッカが有りましたので、ハイボールにして楽しむことに
ちなみにビールは自販機で購入することになります
 

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料理は持ち込み可と言う事で、すぐ向かいの大阪大将のテイクアウトを持ち込みます
 

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ハイボール片手に大阪王将の餃子と麻婆豆腐丼、天津丼で2次会
ホテルの部屋酒よりはるかに快適ですが・・・こんな事してホテルは大丈夫なんだろうか?
 

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ということでお盆休みも温泉とカクテルアワーのあるスーパーホテルを予約しちゃいました

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