ドイツ製品といえば高品質なイメージがありますが、その背景にあるのは、確かな技術力
そんなドイツの工業力を知らしめる博物館がミュンヘンにありました
その名も「ドイツ博物館」
展示面積は4万5千平米
常時約1万7千点の展示がなされているのだとか
ミュンヘン・マリエン広場から少し歩きますが、さほど苦にならない距離なので歩いて伺うことに
途中マリオンプラッツの市場などに立ち寄りつつ向かい開館時刻に合わせて到着
入館料€14(1,680円程)を支払い入館いたします
入館してすぐ1階の吹き抜けとなっているメインホールには
高々とマストがそびえる帆船が展示されている船舶エリアがありました
蒸気機関を使った「ロコモービル」(Rウルフ社製)がピカピカに整備され展示されていました
展示されているものは1858年当時
実際に農場で活躍していた蒸気エンジン式トラクターです
こうした古い機械のメンテナンスを続けてきたドイツ人の職人気質が見て取れる展示です
ちなみに私の持論ですが、世界を代表するスーパーカーのメーカー近郊には
農場が広がっているケースが多いのが特徴です
シュツットガルト周辺にはワイン用の葡萄畑が広がっていましたが、フェラーリやマセラティの工場のあるモデナ周辺はバルサミコ酢の有名な産地と
こうした機械は壊れるのが常、農家の方は手先が器用でなければならず
広大な土地に加えて、そうした人材も豊富にいたのではと思っています
古い時代の油井でのポンプ採油機器が数多く展示されています
今にも動き出しそうなものばかりと思っていたら、実際に動くのだそうです(もちろん電気を動力としてですが)
ちなみにこの博物館での私のお目当てが
「大西洋の狼」の異名をとるドイツ海軍の潜水艦「Uボート」
しかも展示されているのは最初のUボートである『U1』(1906年)が展示されていました
ただしんこのU1
第一次世界大戦勃発時には既に時代遅れのモデルとなってしまったため
訓練のみに使用された潜水艦
まぁだからこうして残っているのでしょうけど
エンジンからスクリューにつながるシャフトが見て取れますが
そのメカニズムより
こんな狭い空間で機械を操っていたことにびっくりです
他にも潜水関連の展示がずらり
これは深海探査船なのでしょう
「アビス」と名の付けられてのは遠隔操作無人深海探査船でしょうか
深海での作業服も展示されていました
天文学エリアには
電波望遠鏡の一部も展示されていました
工作機械のエリア
現代における工作機械だけではなく
いかにも古そうな工作機械が、一つのエンジンからベルトでつなげられています
ドイツの近世における技術の発展を物語る初期の機械なのでしょうね
模型ではありますが、戦艦もありました
まずは「戦艦シャルンホルスト」
そしてドイツと言えばやはりこの「戦艦ビスマルク」
ドイツの科学力や知識の粋を集めた戦艦は
子供にも人気の模型でした
古き良き時代の「ガラス吹き」が再現されたコーナー
現代は写真のような設備でビールやワインの瓶が作られていますが
ビール消費大国のドイツということもあり
需要は底なし、きっと昔からたくさん作られていたんでしょうね
そうしたガラス関連の技術は他にも継承されています
もちろんドイツを代表する自動車産業にも影響しているようで
飛散防止のフロントガラスの展示も有りました
ちなみに「アウトバーンのポルシェに小石が食い込む」
なんて逸話があるのもここドイツならでは
けれど最近ではそんなドイツ車のフロントガラスのサプライヤーには「旭硝子」の名も見られ
ベンツのフロントガラスにも採用されているようです
玩具の展示ゾーンにはなんとデンマークを代表する玩具メーカーの「LEGO」
ちなみにここミュンヘンからもほど近いギュンツブルクに「レゴランド・ドイツ・リゾート」が開園していました
なにか縁深いところがあるのかもしれません
さて正面玄関側に戻ってきました
階段を上がった先には空の展示エリアがあります
航空パイオニアの1人
オットー・リリエンタールの飛行機のレプリカもありました
ちなみにリリエンタールのこうした飛行機での飛行実験はドイツだけでなく世界中で報道され
あのライト兄弟もリリエンタールの飛行機に影響を受けたのだとか
うやうやしく展示されているのは
そんなライト兄弟が発明した
世界最初の飛行機と言われる、有人動力飛行機(1909年)
「フライヤー・スタンダードA号」
うやうやしく展示されているわけは
なんとこの飛行機、実際に彼らが空を飛んだ実物なんだそうです
ちなみにスミソニアン博物館でも同様の物を見てきましたが、それは確かキティーホーク号
『スミソニアンは何を展示してきたか』
なんだかわけわからなくなってきました
他にも第一次世界大戦あたりで活躍した飛行機も展示されていました
なんだか宮崎アニメの「紅の豚」辺りを彷彿させます
場違いな化石の展示物も
始祖鳥
いやもとい翼竜の化石でしょうか
空の展示エリアにありましたのできっとそうなのでしょう
そうそう日本の蛸も空の展示コーナーに展示されていました
こうした展示物のほとんどが、じかに見てその動作が確認できるようなものばかり
そうここは体験型博物館の先駆け
こうした施設が将来のドイツの工業力を支えていくんでしょうね
ちなみに私自身ちょっと勘違いしていました
というのもここのメッサーシュミットをはじめとした第二次世界大戦を戦い抜いた航空機の展示もあるものばかりと思っていたからでした
実際には航空部門と交通部門は別途、分館がありここからは結構な距離を電車で向かわねばなりません
この日はサッカーの試合にもいかねばならぬためメッサーはあきらめることに