西条酒蔵巡り二軒目は福美人酒造へ
大正6年創業の酒蔵で、他の老舗酒蔵と比べればそれほど古くはない創業ですが、大正10年から全国酒類品評会の最高位を3年連続受賞するなど「技術の福美人」と謳われている酒蔵です
なお福美人酒造は酒造の要となる杜氏を育て酒造りを継続させるため、全国の酒蔵が出資をして創った酒蔵で、酒都西條において酒造学校と呼ばれていて、写真左側にある学校から多くの杜氏を輩出、全国に巣立っていったんだそうです
蔵の前には醸造を待つ酒米が並んでいますが、これは兵庫の山田錦、広島の八反錦錦でしょうか
それとも他の酒好適米、なんだかとても気になります
さて早速、酒蔵を利用したという資料展示室、売店兼試飲コーナーに潜入します
資料展示室にはどこかで見たのとまったく同じ色紙が並べられていますが、どこぞの芸能人の書いた色紙とはちょっと違います
というのもその色紙は歴代首相が書かれた書
ゴールデンウイークに沖縄のまさひろ酒造でみたのと同じ、歴代総理大臣の『國酒』と書かれたものが展示されていました
ちなみにこれは偶然ではありません
というのもこれは『國酒プロジェクト』によるものだからです
発端は30年前、大平内閣のとき、日中国交回復の晩餐会にてホスト国である中国が自国の酒「白酒(パイチュウ)」でカンペーし日本を歓待した。これを受けた当時の大平首相は、日本には伝統の酒である日本酒や焼酎があるのに、我が国での外交晩餐会はフランス料理にワインなどで乾杯をしている。これはいけないと思い立ち、日本酒・焼酎を「國酒」と命名し、乾杯の際に使用することを提案した
そうここ福美人酒造は國酒プロジェクトに選ばれた蔵なんですね
陶器の酒樽も並んでいます
木樽も確かに風情がりますが、やはり木の香りは吟醸酒には邪魔なこともあり
こうした陶器製で樽を作ったのもなんとなくわかる気がします
ちなみに福美人の陶器製干支ボトルもかなりの人気のようです
広島カープを経営難から救った募金に使われた初代の酒樽も展示されています
チーム設立当初、大きなスポンサーもなく経営難に苦しんでいた広島カープ
市民が球場前に募金箱として酒の四斗樽を置き募金を募ったのがこの「たる募金の樽」なんだそうです
さて続いて売店兼試飲コーナーへ
売店には福美人の銘酒がずらりと並びます
映画『恋のしずく』公開を記念して、限定発売された「純米酒 恋のしずく」もありました
同様のものが映画の撮影地になった、ここ広島西条にある九つの蔵(賀茂鶴酒造・西條鶴醸造・白牡丹酒造・柄酒造・賀茂泉酒造・亀齢酒造・福美人酒造・山陽鶴酒造・金光酒造)から提供されているのだとか
酒蔵巡りはまだまだ続きます
荷物は持ちたくないのでここは試飲のみ
ここ福美人では蔵内限定酒
大吟醸原酒 200円をミニカップでいただくことに
さて次は映画『恋のしずく』のロケ地となった賀茂鶴酒造へ