西平酒造を出て次に向かったのが、宇検村にある「開運酒造」
レンタカーで海岸線や山道を走りに走り1時間近くかかりようやくたどり着きました
そんな山道の途中にはこんな標識もありました
これは「アマミノクロウサギ注意」の看板
宇検村へと続く県道85号線は奄美群島最高峰の湯湾岳を抜ける峠道
昼にはおそらく見ることなないかと思いますが、飛び出して来たら大変なことになりますのでここは安全運転で
やって来たのは「奄美大島開運酒造」
ここ奄美大島に来て最初に伺った名瀬の郷土料理 春でいただいた黒糖焼酎「れんと」の蔵元です
工場は奄美大島の南部「宇検村」の人里離れた場所にどんと大きく工場とイベント館を構える酒蔵です
先ほど西平酒造でいかにも昔ながらの伝統と格式に満ち、少人数の蔵で職人の手による焼酎造りを見てきたばかりですが、今度の開運酒造は最近できた酒蔵で近代的で大掛かりな設備の焼酎工場といった趣でした
偶然にせよ続けて両極とも思える2軒の酒蔵を見学できることとなりました
ここも要予約で、前々日に電話にて予約を済ませていましたがなぜか伝わっていなかった模様
けれどここもスタッフのOさんのが機転を利かせてくれなんとか黒糖焼酎製造工程の見学コースに加えてもらいました
まずは原料である黒糖を溶かすところと麹米を蒸しているところから
続いて保温材が巻かれたステンレスタンクで白麹酵母を加えて仕込みます
仕込みに使われる水は先ほど通ってきた県道85号線近くに有る湯湾岳の伏流水を蔵まで独自のパイプラインでひいて使われているのだとか
うる覚えですが、このタンク1本で1升瓶で4千本ほどのレントができるそうです
続いて案内されたのが蒸留釜
ここ開運酒造では常圧蒸留に加え減圧蒸留も取り入れています
その減圧蒸留による低温での蒸留によってすっきりとした風味の焼酎が出来上がるのだとか
先日飲んだレントも常圧蒸留と減圧蒸留のブレンド酒
ブレンドにより常圧蒸留のフルーティさと、すっきりとした風味の両面を持つ焼酎となり
女性にも人気があるのだとか
そんな蒸留窯で蒸留された原酒を貯蔵しているのがこちら
大きなステンレスタンクと小さなタンクがありますが、小さいほうは仕込まれた醪を蒸留窯で最初に蒸留された、いわゆる一番搾り(一番蒸留)と言うべき貴重な物
よってタンクも分けられていますが、この原酒はブレンドされるほか、これのみで特別な焼酎も作られるのだとか
工場見学の講師をしていただいたO氏から、香りを嗅いでみないかと言われ迷わずタンクに近づいて香りを嗅いでみました
ウイスキーのニューポッドとはまた違ったふくよかな香りがします
ここでここ開運酒造が開運酒造たるそこがミソとなる部分
それがこのステンレススタンクと工場内に響く音にあります
それが音響熟成
タンクに心地良い振動を与える音響システムにより自然と音楽のゆりかごの中でじっくりと熟成されることにより、水分クラスターを細かくしたまろやかで飲みやすい焼酎ができるのだとか
講師のO氏に導かれてタンクに触ってみましたが、確かに音楽に合わせタンクが鼓動していました
その際かかっていたのはホルストのジュピターが奏でられていました
残念ながら島唄では音階に幅が無いためクラシック音楽が使われているのだとか
どうやら酵母はクラシックがお気に入りのようです
以上音響熟成 黒糖焼酎レントの工程は見せていただきましたが、さらにこちら開運酒造では樽で長期熟成させた、「紅さんご」も造られています
この紅さんごも郷土料理 春で最後にデザートワインのように頂いていて興味のあった焼酎でした
色は淡い琥珀色でしたがその琥珀色が問題なんだそうです
酒税法上、焼酎を樽で寝かせると「ダークラム」のように色が着き過ぎると「リキュール」の類になり
本格焼酎と認められなくなります、もちろん酒税法上スピリッツ扱いとなってしまいます
そこで杜氏さんは色を薄くする方法でこの点をクリアしたそうです
ちなみにここで話に出るその杜氏さんはその際聞いたところによると、ここ開運酒造の杜氏 渡悦美さんではないのだとか
ここで耳をそばだてて聞いていましたが、その杜氏は信じられないことに
九州の銘酒〇〇の〇〇を造る酒造メーカーの杜氏とこと
ということは〇〇杜氏、宮城からここ奄美に移籍したってことなのでしょうか
そのせいか噂では皇太子様がご愛飲なさる焼酎〇〇の〇〇最近では味が落ちたとか?
でもそんな話題Webでも見たことないですし、あまり話題にされたくない話なのでしょうか
今回は名前は伏せておくおことします
ちなみにそこまで言われるとこれは帰りにその紅さんご
買って帰らざるを得なくなってしまいました
レンタカーで来ているので残念ながら試飲はできませんが、たんまり諭吉分買って帰ることにします
後日ここ開運酒造を訪ねた際、撮っていただいた写真が届きました
こうした粋な計らいもファンを増やしますね
さて今回は貴重な体験や面白い酒蔵の話を聞かせていただきたいへんありがとうございました
先日我が家の近くの良く樽生ビールを買う酒屋さんで「レント」を見かけました
この焼酎飲みやすは私が普段飲んでいる甲類に匹敵しそのうえフルーティな味わいも楽しめます
さほど高くいないところも嬉しいのでたまに奄美大島を思い出して飲んでみたいと思っています
さて2軒続けて黒糖焼酎の蔵を訪ねることになりますが、その黒糖焼酎
黒砂糖と米麹を原料に作られる蒸留酒なのだが、酒税法によって大島税務署の所管する奄美群島でのみしか作れない焼酎ということだ
もっとも黒糖やそれに近いものとしてサトウキビなどを原料とした酒もあるが、それはスピリッツ(ラム酒)に分類され酒税法上、焼酎の価格が割高になるようだ
だったら「奄美焼酎」のほうが名が通りやすいと思うのは私だけであろうか
「黒糖」の文言が使われる分、甘い焼酎と勘違いされるような気がします
(蒸留しているのだから糖分はほとんどないはずですよね)