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今年は豊作、知床での舞茸採り

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先週にひき続き、知床の森の奥深く熊の住処にまた戻ってきました(10月中旬のお話です)
もっとも札幌にいた時とは違い、知床に向かうにも赴任先の滝川からだと車を走らせ4時間あまりで着いてしまう事となり
運転が(私の愛車は古い軽自動車なんです)かなり楽になったことから2週連続での斜里往復を決行いたしました
そんなわけで2週連続で知床の森を彷徨い天然舞茸採りを行うことに
で、結果は写真の通り来て正解
今年天然の舞茸は豊作のよう
 

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勝因は森に入った季節がぴったりだった事にほかありません
もっともこの山に例年入っていた今は亡き義父から、最低気温〇度が〇日続き雨が降ったら舞茸が出てくると聞いていて、普段から天気予報をチェック
そろそろ頃合いと伺ったら義父のいう通りそこに舞茸はありました
ちなみに例年と比べ季節は1~2週間ほど遅かったようです
義父の教えに感謝です
  

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見つけた舞茸は一度車に戻り保管
その後さらに森を彷徨いました
ちなみにこの日は10月下旬の道東と言うのに気温は20度に上昇、蚊が大量に発生していて、刺され放題
もう寒いから蚊なんていないだろうと高をくくっていたのが、仇となりました
そんな蚊と格闘の末、また2つの舞茸の株を発見
  

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ということでこの日の収穫
天然舞茸6kgくらいといったところでしょうか
 

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やはり今年は例年いなく豊作だったようですが、これで今年の舞茸採りも終了
また来年、ここに戻ってきますが
スマホアプリ「YAMAP」への地点登録も今後のため残しておきます
 

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ところでここ数年
天然の舞茸を求めて山を彷徨いますが
以前と比べ写真のような時期を過ぎ、腐ってしまった天然の舞茸を見ることが多くなりました
こうしたキノコの情報はえてして親から子に伝わる「一子相伝」のようなもの(我が家も例外ではなく義父から伝えられたものです)
その親から子への繋がりが、昨今なくなってきたように感じます
都市伝説かもしれませんが腐ってしまった舞茸の樹からはもう生えてこないと言われることもあり
ちょっと残念に思えて仕方ありません
  

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天然舞茸採りのあとは小清水にある「原生亭」で一つ風呂
時代を感じ趣のある温泉で
モール泉だそうですが、熱くてなかなか良い湯
キノコ採りの最中、ずいぶん蚊に刺されましたが、そんな痒みもひきました


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滝川のマンションに戻ったあとは、まず私が一番食べたかった天然舞茸はすき焼きにして
先週上川大雪のギフトショップで購入した上川大雪山廃酛 2年熟成古酒 特別純米とともに美味しく頂きました
 

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今回の知床での天然舞茸採りも思わずうまく採れたこともあり
ちょっと空いた時間ができたので、博物館網走監獄へ
そんな博物館網走監獄は、明治時代から実際に網走刑務所で使用されてきた建物を保存公開している野外歴史博物館で、敷地面積は約東京ドーム3.5個分に相当することから、空いた時間の1時間くらいではさらっと回る程度で終わりました
 

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行ってみてびっくり
博物館網走監獄の敷地には大勢の観光客の姿がありました(もちろん外国人の姿も)
そういや今『ゴールデンカムイ』で脚光を浴びている施設
ゴールデンカムイは明治の北海道を舞台に、隠された金塊を探し回るサバイバルバトル漫画ですが
網走監獄がその話の重要な場面でたびたび登場することから、ゴールデンカムイの聖地巡礼の地として昨今有名になったようです
しかもゴールデンカムイは海外でもテレビアニメが放送されていて、日本のネイティブであるアイヌの文化を海外に知らしめる作品として注目を浴びていていて、そんな海外のファンも訪れているようです
 

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もちろんゴールデンカムイの原作者の野田サトル氏も取材にこられたようで
博物館網走監獄のミュージアムショップには
そんな野田サトル氏の色紙が誇らしげに飾られていました
 

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ちなみにここ博物館網走監獄に来たのは実に16年ぶり

そんなことでまずは「旧網走刑務所職員官舎」から見て回りますが
ゴールデンカムイでは門倉さんの宿舎として登場する建物です
 

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そんな官舎での生活を再現した、ご主人と奥さんそして子供の蝋人形
 

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比較するわけではありませんが
日帰りできない労働のための小屋や労働参加している囚人が寝泊まりする
仮小屋たる「休泊所」はかなり粗末なものでした
別名を動く監獄と呼ばれ、のちにこの様式が開拓時代の工事現場に取り入れられ、「タコ部屋」と呼ばれたそうです
 

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網走刑務所は全国でも珍しい農園を持つ刑務所
刑務所の構外農園施設では蝋人形がその時の様子を再現していました
 

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そしてそんな農園では北大農学部卒の技官を採用し近代農業を実践したようです
「耕耘庫」の展示物には農業技術の進歩において代表的な農機具プラウ(土を耕す道具)などもありました
  

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そあんなプラウを牽く馬の蹄鉄やプラウはこうした鍛冶場で囚人の手によって造られたようです
武器も作れそうな気がしますので監視は厳しかったのでしょうね
なんとなく映画「アイアンマン」でトニー・スタークが監禁されていた洞窟という劣悪な環境の中、ガラクタ(スターク社が製造していた最新鋭ミサイル)だけで作り上げたスーツで脱出するシーンを思い浮かべてしまいました
  

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続いて「味噌醤油蔵」
農園刑務所として自給自足を目指していた網走刑務所では味噌や醤油などの調味料も造られていました


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奥にある大きな木樽は五十石(9千リットル)もの醤油が入るほどの樽
一升は1.8リットルですから、この樽一つで一升瓶で5千本分となります


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そんな醤油を絞ったのか、酒蔵でもろみを絞るふねと同じような絞り機が展示されていました


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次に訪れたのが
「旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所(二見ヶ岡農場) 庁舎」
網走の西の丘陵地、二見ヶ岡に自給自足を目指してつくられた網走刑務所の農場施設です
 

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「彫刻部屋」
これは現代の刑務所でもありそうな風景ですね
ちなみに受刑者に彫刻刀を貸し与えるというところが心配なところですが
ここ二見ヶ岡刑務支所の受刑者は比較的刑の軽い人の施設で、監視の目も緩やかだったのだとか
 

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そんな受刑者たちの作業の様子もこうして蝋人形で再現されていました
 

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そして食堂の風景
 

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大晦日である12月31日にはこんな贅沢な食事が提供されたそうです
なんだか美味しそうで、ムショのメシって不味いってのがデフォルトですからこれは意外でした
 

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「浴場」
受刑者にとってのお楽しみである入浴
けれどかなりせわしなく、環視の中
脱衣から着衣まで15分と言う、まさに烏の行水だったようです
 

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二見ヶ岡刑務支所にある直線配置の舎房
 

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私も入房してみましたが、房から向かいなど房が見通せないよう
窓格子の木を配置していました
 

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そして、重要文化財の「旧網走監獄 庁舎」
 

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この5つの方向に延びた「五翼放射状平屋舎房」は、刑務所の施設としては日本国内最古であり、木造の行刑建築としては世界最古だそうです
 

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雑居房が32房ある第一舎
 

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通路に薪ストーブがありましたが
煙突を通路全体に伸ばして雑居房を温めているようです
ただ網走当たりじゃこれじゃ冬は寒いんだろうな
 

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こちらの雑居房での食事シーン
 

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六角形の「中央見張り所」から放射線状に舎房が一直線に配置されて、監獄内全体を1箇所から見渡せて監視できるようになっているのが圧巻ですが
ゴールデンカムイでは、第七師団と囚人達がココで大乱闘を行っていましたね
  

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そしてこれまた重要文化財である「教誨堂」
 

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のっぺら坊を巡り、土方歳三と犬童典獄が一騎討ちをするのはこの教誨堂でしたね
 

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そんな教誨堂には受刑者の描いた絵画なども飾られていました
いったい何を見て書いたのでしょうか
 

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こんな感じで急ぎ足で「博物館網走監獄」を見学
次回はもう少し時間に余裕をもって見て歩こうと思います
そうそう二見ヶ岡刑務支所などは動物が入ってこないよう入り口が二重になってましたが
まぁエゾリスなどあちらこちらで見かけることに
  

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今回の宿泊地、網走はオホーツク海に面することから豊富にとれる魚介類が有名
しかも北見畜産公社を抱える焼肉の街北見の隣町、それに加え北の大地で育った野菜など網走はグルメの宝庫なんです
というこで折角なので網走の居酒屋『酒菜亭 喜八』を予約の上伺いました
 

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ということで伺った喜八の暖簾をくぐり、予約の旨告げ通されたのはカウンター席
ちなみに小上がりの席は満席です
串焼きや焼き魚が焼かれている炉辺を囲む大きなコの字型のカウンター席に案内されました
もっとも私自身は職人さんたちの仕事ぶりが見ることが出来るカウンター席のほうが好みでしたのでちょうどよかったのですが
カウンターにミシュランガイド北海道が2冊さりげなく置かれていましたが
実は2期連続ミシュランガイドのビグルマンに選ばれた名店だったりします
飛び込みで来られた方は予約でいっぱいということで断られていましたが
かなりの人気店のようで、予約して伺ってよかったようです
  

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上の写真の壁には焼酎の瓶がずらり並んでいましたが
店の奥に設置された冷蔵庫には全国の地酒が並んでいます
ほとんどが一升瓶
しかも日本酒に対するこだわりも高く、北海道の蔵の名が見て取れます
なんだか期待が持てますね
 

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冷蔵庫の奥を覗くとそこには
上川大雪酒造の彗星・きたしずく・吟風の四合瓶がずらり並んでいます
 

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日本酒のメニューをみても
真っ先に上川大雪酒造の銘柄が並んでいました
昨晩、上川大雪酒造の川端総杜氏と一献やっていましたが、これも何かの縁
この夜は上川大雪一本で通すこととします
 

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さて今回頼んだのはカウンターのメニューにあった
「北海道セット」というもの
これには料理が
・お刺身盛り
・青ツブ焼き
・牡蠣焼き
・桜姫鶏串
・網走ポークバラ串

それにお酒が
・サッポロクラシック樽生 1杯
・お好みの日本酒が 3杯
  上川大雪(上川町)吟風・彗星・北しずく、北の勝(根室市)、三千櫻(東川町)彗星・愛山、
  國稀(増毛町) 二世古(ニセコ町)吟風、彗星 男山(旭川市)
と、道内の地酒が並びます
料理も北海道産の素材であるのに加え、ビールや日本酒もすべて北海道産
なるほど「北海道セット」なわけです
おひとり様、4千円とコスパの良さも魅力です
 

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まずはお通しのホタテのコンフィ(オイル煮)とともに運ばれてきた
北海道セットのサッポロクラシック樽生で乾杯
ちなみにここ喜八はパーフェクト・クラシックが飲める店のようです
 

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1杯目は上川大雪 吟風 特別純米 辛口
我が家の奥さんは北の勝 本醸造
スタッフに日本酒の瓶を撮影したい旨、話をしたところ快く応じてくれました


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2杯目は上川大雪 彗星 特別純米
我が家の奥さんは三千櫻 純米吟醸 彗星55
  

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3杯目は上川大雪 きたしずく 特別純米
我が家の奥さんは三千櫻 純米 愛山60
 

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そんな上川大雪に合わせる喜八の料理ですが
目の前にある新鮮な魚が並べられたショーケースの中にある美味しそうな魚介類が中心
 

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そんな魚介類を目の前の炉端で焼いた「青ツブ焼き」「牡蠣焼き」
 

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「お刺身盛り」は
・ミンク鯨の尾の身(尾に近い部分の大変希少な部位)
・ホタテ
・ホッキ貝
・赤カレー(北海道では一年中獲れるお馴染みのカレイでこれから冬が旬)
そして北海道らしく
・ニシン

 

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「桜姫鶏串」「網走ポークバラ串」といただきました
 

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もっともこれだけだと物足りないので
「喜八風牛もつ煮込み」をオーダー
これは赤味噌とワインが味の決め手、ガーリックトーストとご一緒にどうぞ
とありましたので「ガーリックトースト」もいただくことに
これはさすがに絶品、次回また来た時にも頼ませていただきます
 

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そうそう通常メニューを見ると、トップに「鯨料理」とあり
捕鯨基地網走ならではの鯨料理をお楽しみください。とあります
なるほどお刺身にクジラの刺身があったのはこのためだったんですね
こんな感じで料理も美味しく長居したくなりますが、明朝はまた鮭釣りが控えているので早めに切り上げねば
 

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写真はウナベツ岳から昇る朝日ですが、そんな景色を見るため朝早くに訪れたわけではなく
単に斜里の砂浜で鮭釣りをしている最中に眺めただけの景色だったりします
もっともこれが私のお気に入りの風景だったりします
 

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そんな鮭釣り
実は先週に続き2回目なんですが、この日は結構な数のアングラーが訪れていました
朝早くと言うか、午前4時ころには現地に到着
まだ暗い中、道具をセットし夜明けの朝マズメを狙います
朝日が昇るころ何回かあたりがありましたが、釣れたのはこの一匹
巻き上げている途中、横に走ったり海面に躍り出たりと結構なファイトを見せてくれました
釣りあげた鮭ですが、なかなか良い面構え
下あごが出ていないところを見るとこれはメスでしょうか
 

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ということで赴任先の滝川のマンションに舞い戻り鮭を捌くことに
ただマンションには出刃包丁がないのに加え、大きなまな板もありません
段ボールをまな板かわりに普通の包丁で捌くことになりました
もっとも先週に引き続き3匹目でだいぶ慣れてはきましたが
大胆な大名おろしのうえ、ひれの部分や腹を裂くときは大きなハサミを使って捌きました
  

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メスだと思っいた鮭は、捌いてみると実は若いオス
残念ですが、イクラは有りませんでした
けれど淡いオレンジの綺麗な身(もしかしたらメジカ)でした
 
 
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そんな捌いたばかりの鮭ですから、先週上川大雪酒造のショップを訪ねた際に購入してきた
上川大雪山廃酛特別純米(2年貯蔵)開けることに
合わせる肴は今朝釣ったばかりの秋鮭の白子を生姜醤油でさっと軽く煮た白子煮
これ鮮度が良ければモッツァレラチーズのような味わい
スーパーなどで売られているタチよりはるかに美味しいんです
それに秋鮭と天然舞茸の酒蒸と同マヨネーズ焼き(鮭にマヨネーズは良く合うんです)
知床の海と山の恵みを頂くことに


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ということでしばらく昼飯は
釣ってきた秋鮭を使った鮭弁当という日々が続くこととなりました
 

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しばらくはこれが続きそう

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