今『ゴールデンカムイ』で脚光を浴びている博物館網走監獄へ

| コメント(0)

今回の知床での天然舞茸採りも思わずうまく採れたこともあり
ちょっと空いた時間ができたので、博物館網走監獄へ
そんな博物館網走監獄は、明治時代から実際に網走刑務所で使用されてきた建物を保存公開している野外歴史博物館で、敷地面積は約東京ドーム3.5個分に相当することから、空いた時間の1時間くらいではさらっと回る程度で終わりました
 

2023shiretoko106.JPG
 

行ってみてびっくり
博物館網走監獄の敷地には大勢の観光客の姿がありました(もちろん外国人の姿も)
そういや今『ゴールデンカムイ』で脚光を浴びている施設
ゴールデンカムイは明治の北海道を舞台に、隠された金塊を探し回るサバイバルバトル漫画ですが
網走監獄がその話の重要な場面でたびたび登場することから、ゴールデンカムイの聖地巡礼の地として昨今有名になったようです
しかもゴールデンカムイは海外でもテレビアニメが放送されていて、日本のネイティブであるアイヌの文化を海外に知らしめる作品として注目を浴びていていて、そんな海外のファンも訪れているようです
 

2023shiretoko104.JPG
 

もちろんゴールデンカムイの原作者の野田サトル氏も取材にこられたようで
博物館網走監獄のミュージアムショップには
そんな野田サトル氏の色紙が誇らしげに飾られていました
 

2023shiretoko105.JPG
 

ちなみにここ博物館網走監獄に来たのは実に16年ぶり

そんなことでまずは「旧網走刑務所職員官舎」から見て回りますが
ゴールデンカムイでは門倉さんの宿舎として登場する建物です
 

2023shiretoko107.JPG
 

そんな官舎での生活を再現した、ご主人と奥さんそして子供の蝋人形
 

2023shiretoko108.JPG
 

比較するわけではありませんが
日帰りできない労働のための小屋や労働参加している囚人が寝泊まりする
仮小屋たる「休泊所」はかなり粗末なものでした
別名を動く監獄と呼ばれ、のちにこの様式が開拓時代の工事現場に取り入れられ、「タコ部屋」と呼ばれたそうです
 

2023shiretoko109.JPG
 

網走刑務所は全国でも珍しい農園を持つ刑務所
刑務所の構外農園施設では蝋人形がその時の様子を再現していました
 

2023shiretoko124.JPG


そしてそんな農園では北大農学部卒の技官を採用し近代農業を実践したようです
「耕耘庫」の展示物には農業技術の進歩において代表的な農機具プラウ(土を耕す道具)などもありました
  

2023shiretoko113.JPG
 

そあんなプラウを牽く馬の蹄鉄やプラウはこうした鍛冶場で囚人の手によって造られたようです
武器も作れそうな気がしますので監視は厳しかったのでしょうね
なんとなく映画「アイアンマン」でトニー・スタークが監禁されていた洞窟という劣悪な環境の中、ガラクタ(スターク社が製造していた最新鋭ミサイル)だけで作り上げたスーツで脱出するシーンを思い浮かべてしまいました
  

2023shiretoko114.JPG
 

続いて「味噌醤油蔵」
農園刑務所として自給自足を目指していた網走刑務所では味噌や醤油などの調味料も造られていました


2023shiretoko110.JPG
 

奥にある大きな木樽は五十石(9千リットル)もの醤油が入るほどの樽
一升は1.8リットルですから、この樽一つで一升瓶で5千本分となります


2023shiretoko111.JPG
 

そんな醤油を絞ったのか、酒蔵でもろみを絞るふねと同じような絞り機が展示されていました


2023shiretoko112.JPG
 

次に訪れたのが
「旧網走刑務所二見ヶ岡刑務支所(二見ヶ岡農場) 庁舎」
網走の西の丘陵地、二見ヶ岡に自給自足を目指してつくられた網走刑務所の農場施設です
 

2023shiretoko116.JPG
 

「彫刻部屋」
これは現代の刑務所でもありそうな風景ですね
ちなみに受刑者に彫刻刀を貸し与えるというところが心配なところですが
ここ二見ヶ岡刑務支所の受刑者は比較的刑の軽い人の施設で、監視の目も緩やかだったのだとか
 

2023shiretoko117.JPG
 

そんな受刑者たちの作業の様子もこうして蝋人形で再現されていました
 

2023shiretoko120.JPG
 

そして食堂の風景
 

2023shiretoko118.JPG
 

大晦日である12月31日にはこんな贅沢な食事が提供されたそうです
なんだか美味しそうで、ムショのメシって不味いってのがデフォルトですからこれは意外でした
 

2023shiretoko121.JPG
 

「浴場」
受刑者にとってのお楽しみである入浴
けれどかなりせわしなく、環視の中
脱衣から着衣まで15分と言う、まさに烏の行水だったようです
 

2023shiretoko119.JPG
 

二見ヶ岡刑務支所にある直線配置の舎房
 

2023shiretoko122.JPG
 

私も入房してみましたが、房から向かいなど房が見通せないよう
窓格子の木を配置していました
 

2023shiretoko123.JPG
 

そして、重要文化財の「旧網走監獄 庁舎」
 

2023shiretoko125.JPG
 

この5つの方向に延びた「五翼放射状平屋舎房」は、刑務所の施設としては日本国内最古であり、木造の行刑建築としては世界最古だそうです
 

2023shiretoko126.JPG
 

雑居房が32房ある第一舎
 

2023shiretoko127.JPG
 

通路に薪ストーブがありましたが
煙突を通路全体に伸ばして雑居房を温めているようです
ただ網走当たりじゃこれじゃ冬は寒いんだろうな
 

2023shiretoko129.JPG
 

こちらの雑居房での食事シーン
 

2023shiretoko130.JPG
 

六角形の「中央見張り所」から放射線状に舎房が一直線に配置されて、監獄内全体を1箇所から見渡せて監視できるようになっているのが圧巻ですが
ゴールデンカムイでは、第七師団と囚人達がココで大乱闘を行っていましたね
  

2023shiretoko128.JPG
 

そしてこれまた重要文化財である「教誨堂」
 

2023shiretoko131.JPG
 

のっぺら坊を巡り、土方歳三と犬童典獄が一騎討ちをするのはこの教誨堂でしたね
 

2023shiretoko132.JPG
 

そんな教誨堂には受刑者の描いた絵画なども飾られていました
いったい何を見て書いたのでしょうか
 

2023shiretoko133.JPG
 

こんな感じで急ぎ足で「博物館網走監獄」を見学
次回はもう少し時間に余裕をもって見て歩こうと思います
そうそう二見ヶ岡刑務支所などは動物が入ってこないよう入り口が二重になってましたが
まぁエゾリスなどあちらこちらで見かけることに
  

2023shiretoko134.JPG

コメントする

カテゴリ

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 7.7.1

この記事について

このページは、r-ohtaniが2023年11月 2日 06:09に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「今年は豊作、知床での舞茸採り」です。

次の記事は「網走のビグルマン『酒菜亭_喜八』で、日本酒通好みの北海道セット」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。