今回の旅の目的は十勝まんぷくの旅ですが、そのほかに帯広にある上川大雪酒造碧雲蔵も目的地の一つでした
そんな碧雲蔵は東京ドーム40個分と言う広大な敷地を持つ帯広畜産大学の構内に創設されていますが
大学構内で日本一の清流に輝いた札内川水系の中硬水と、北海道産酒造好適米を原料に「飲まさる酒(=ついつい飲んでしまう酒)」を醸している蔵です
ちなみに帯広畜産大学は日本唯一の国立農業系単科大学で、日本酒蔵の杜氏も輩出してきた大学でもあります
今回はラッキーなことに上川大雪酒造碧雲蔵を特別に酒蔵見学をさせていただくことになりました
実は上川大雪酒造の蔵を見学させていただくのは『2017年に緑丘蔵』を訪ねて以来となります
さてそんな酒蔵見学ですが、蔵には入る前に靴を2回ほど履き替えたり
丁寧に洗剤で手を洗った後、除菌洗浄剤ベンザル10で再度手を除菌するなど衛生管理はしっかりなされていました
蔵に入って入ってすぐのところではアントンパールの飲料分析装置が設置され分析が行われているところでした
酒米を蒸すのは手前にある大きな吟醸コシキ(むす蔵くん) でもっともポピュラーなタイプ
奥では女性スタッフが、あちこちの酒蔵で使われているウッドソンのバッチ式洗米機を使い
タイマーを見ながら次々と素早く酒米を洗米していました
蒸米の放冷機はコンパクトなものが使われているようです
奥に上川大雪酒造のロゴの入った貯水槽らしき黒いタンクが見て取れますが、仕事柄こうしたタンクはよく見ますが
こんなおしゃれな奴は初めて見ました
ちなみに蒸された蒸米は、こうした電動リフトで2階に上げられ
酒母室やもろみを仕込む部屋に運ばれるようです
一昔前なら人力で担いで上げるなど大変な作業だったかと思いますが、現代の蔵は進化してるようです
麹室も覗かせていただきました
床もみ前の蒸米とその後にひとまとめにして積み上げた「もみ上げ」が見て取れますが
もみ上げには何かセンサーが置かれています
麴室の温度は結構熱いのですが、なにかわけがあるのでしょう
そんな空調の他、電気ヒーターまで駆使しておりました
ここはそんな蒸米の熱を放散させる部屋
冷房機器の下になぜか紅の豚のポルコがチャオっと指を上げています
小さなもと桶タンクで酒母が造られています
温度管理の難しい酒母造りって事なのでしょうタンクに垂木で吊った暖気樽と呼ばれる道具も見て取れました
そんな暖気樽やステンレスやポリ製の試桶はこうして干され出番を待っています
今回伺った上川大雪酒造碧雲蔵は大きなタンクは使わずに
手造りの伝統的な手法で一本一本のもろみを丁寧に仕込む、小仕込み・高品質の酒造りが行われているとのことで、そんな部屋には醪(もろみ)を仕込む部屋にさほど大きくはないタンクが並んでいました
よく見るとこの仕込みに使われている黒いタンクは、新しい酒蔵でよく見るステンレスタンクではなさそう
もしかして琺瑯製でしょうか?(聞き損ねました)
そういや昨年訪れた福島県喜多方の酒蔵では、杜氏さんがステンレスといってもしょせん鉄でしょう!とひたすら琺瑯製のタンクにこだわっていた蔵もありました
そんなタンクのメモには酒米の種類や精米歩合、仕込み日や量が記載されており
仕込みには結構な日数を充てるようでした
醪(もろみ)のタンクのカバーを外して覗かせていただきました
まだ早い醪なのか香りはそれほど感じませんでしたが、
アルコール発酵中で「醪は生きている!」と感じとることが出来ました
大吟醸を仕込んでいるようで温度管理に優れているサーマルタンクも設置
品評会にでも出品するのかな
そして最後は上槽
酒蔵の定番「薮田式自動醪搾機」がでんと備えられています
なにやらこれは日本酒火入れを行い、その後の急冷する装置
瓶詰もこの機械が行うようです
一体全体この蔵の設備機器っていくらするのと思える設備の数々でした
出来上がった上川大雪酒造の日本酒はここで検査を受け完成
日本酒の顔とも言えるレッテルは丁寧に一本一本手で貼られていました
そんな蔵の片隅に大きな木桶を見つけました
これは「木桶職人復活プロジェクト」の職人から指導を受け、網走刑務所の受刑者が作った木桶だそうです
網走刑務所の焼き印がその証ですが
木桶製作には香川県小豆島で製作技術を受け継ぐ活動をしている「木桶職人復活プロジェクト」の職人が携わって作られたのだそうです
そんな木桶で醸した日本酒「網走 木桶仕込み」
樽酒も木の香りがしますが、こいつは最初から木の樽で醸された日本酒
飲んでみたいけど残念ながら一般販売はしていないのだとか
こんな感じで安藤副杜氏から丁寧な説明を受け酒蔵見学を堪能させていただきました
今回もまたありがとうございました
帰りに「碧雲蔵 Shop」で土産の日本酒を買い蔵を後にします
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