上川大雪酒造『緑丘蔵』酒蔵見学

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今回宿泊した上川ファミリーオートキャンプ村
実はその隣にこの上川大雪酒造「緑丘蔵」がありました
 

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これが酒蔵の外観
昔ながらの切妻屋根と単純明快な長方形の建物
この後出てくる高気密高断熱の建物はこの形が一番のようです
 

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玄関に掲げられた表札には「緑丘蔵」と書かれていました
実は私にはこの名前思い当たることがあります
というのも私自身は以前小樽に勤務したことがあり、小樽商大のある丘の住所が「緑」で、その卒業生の会は「緑丘会」と名付けれれているのは大学祭などで知っていました
そしてここ緑丘蔵の川端杜氏も小樽出身で小樽潮陵高校出身
この蔵の作り上げた三国プランニングの副社長であり、上川大雪酒造の塚原社長が小樽商大出だったり関連会社の会長さんもそうだったりするのが重なって付いたた蔵の名前だろうと推測されます
きっと小樽商大の卒業生の方は「緑丘」という名前だけで飲みたくなるお酒なのでしょうね


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この日は試験醸造を終え、いよいよ本仕込が始まり
川端慎治杜氏はこの日はここに泊りとのこと
そんな忙しい中にありましたが、この川端慎治杜氏
滝川での単身赴任時代に知り合いましたが、我が家の奥さんが受け持つ専門学校の日本酒の講座での講師をお願いしている縁もあり、わざわざ蔵に招き入れていただいたうえ酒蔵を丁寧に案内してくれました

ということでレクチャーされた内容です
日本酒はよく「一麹、二酛、三造り」と言われますが
その二番め、酒の母たる酒母をたてるための「もと桶」
そのもと桶ですが、日本酒は酒税法でいうところの「酒母若しくはもろみの製造者」となりますので、桶には容器番号が示され監査を受けているのだとか
 

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順序が逆になりますが「一麹」
麹室には変わった形のパネルヒーターが置かれ部屋を暖めていました
なにやらこのパネルヒーター、こうした麹部屋専用のものなんだとか
麹を少し味見させていただきましたが、最初はパスタでいうところのアルデンテって感じの食感でしたが、後になって甘さがジワリとやってきました
 

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そうそうこの麹部屋にはなんと窓があり、外の見学コースから麹づくりを見学できるようにしてあります
これって前代未聞のようで当然窓は断熱性の高い3重ガラス樹脂サッシ(ガスが封入されたもの)がはめられていますが、そのサッシのある窓を見ると壁の厚さが見て取れます
なるほどこれが北国の酒蔵、高気密高断熱の設計のようです
 

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発酵タンク内ですくすく育っているもろみです
すでにブクブク音を立てて泡を出していました
蓋を開けて香りを嗅がせていただきましたが、日本酒通にはたまらない香りです
 

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この仕込みタンクから醗酵を終えたもろみは移送用のパイプを通り
もろみ圧搾機へと送られていきます
時代が時代なら桶に入れ担いでいたのでしょうが、現代ではこうしてポンプで送り出すんですね
 

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そして「上槽」
もろみ搾りは酒造工程のクライマックス
ここにあって当然のように薮田式のもろみ圧搾機がこの酒蔵に鎮座していました
そうもろみ圧搾機のシェアNO.1もろみ圧搾機といえば薮田式
なにやら板粕の枠には空気を入れて圧搾する仕組みもあるのだとか
ちおなみにこの圧搾機をここに搬入するのは大変な作業だったのだとか
説明を聞いたときに確か重量は5トンと聞いた記憶がありますが、まぁよくそんなものをと思いますね
 

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しぼられたお酒はここで瓶詰め
奥から順に、まだ使われてはいない瓶の洗瓶機
瓶詰め用充填機にキャッパー
流しのように見えるのが、「火入れ」のための桶です
長方形となっているのはお湯の温度を変えつつ火入れするためのようです
ちなみにここで火入れされる前の「生酒」を是非とも飲んでみたいものですね
 

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酒米は、北海道産の『彗星』『吟風』『きたしずく』を使用
仕込みに使うお米は「南幌彗星」50%の精米と書かれています
精米といえば山口県旭酒造の獺祭磨き二割三分があまりにも有名ですが、その精米にかかる時間は最大144時間という果てしない時間、自社の酒蔵に20台?あるという精米機があってこその磨きということになります
残念ながらこの緑丘蔵に精米機は有りませんが、この日本一・二を争う米どころである北海道の空知地区
そんな地域にかかわらず、お米を取り扱う付近の工場にも精米機は4台?しかないのだとか
今後、山田錦のような酒造好適米のブランド化のためにも是非とも、こうした地域でインフラ整備を勧めてもらいたいものです
 

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最後に大雪山大学】大雪日本酒ゼミ第1回ツアー編~JTB北海道presentsのゼミでいただいた上川大雪酒造のパンフレットがこれ
まずは表紙と裏表紙
表紙には
『北海道に戦後初、日本酒の酒造会社が誕生。
二〇一七秋、新たな歴史を作っていく』とあります
 

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中をめくるとそこには
『北海道にこだわった酒造り
日本酒は現在、特定の地域で作られた優良なブランドの酒造好適米を、遠隔地から購入して製造するのが主流です。
私たちは、上川地区を含む北海道産の酒造好適米と大雪山系の麓で採取される良質な天然水を原料に、地元産にこだわった日本酒を作ることで、北海道の地域ブランドを全国へ、メイドインジャパンを世界へ発信していきます。」(抜粋)


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さて今回はお忙しい中、川端杜氏をはじめスタッフには大変お世話になりました
聞くところによると、今後はこの土地に売店をはじめとした施設も考えているとの事
来年はまたこの上川ファミリーオートキャンプ村に泊まり
蔵元で購入した美味しい日本酒とこの近隣で採れそうな山菜やキノコ、脇を流れる石狩川やルベシベ川で渓流釣りをしてそれらを肴に一杯やる予定です

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この記事について

このページは、r-ohtaniが2017年10月18日 19:54に書いた記事です。

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