薩摩半島最南端にある長崎鼻を訪ねるデフォルトな観光をさっさと済ませやって来たのが、指宿にある白露酒造
平成元年に今回伺った指宿市山川に工場を移転していますが、そのわけは
蔵からも見ることが出来る薩摩富士と呼ばれる開聞岳があり
豊かな緑に包まれた山々の麓より湧き出す質のよい天然水(中軟水)が豊富な場所で、その水は口あたりが良く、焼酎造りに適しているからとのことでした
蔵に入ってすぐに
十年貯蔵焼酎『福蔵』が迎えてくれました
一度飲んでみたい焼酎ですが、結構なお値段なんですよねこれ
蔵の売店には写真やサインが書かれたゴルボールなどが展示されていましたが
いわさきグループとともに「いわさき白露シニアゴルフトーナメント」を主宰する蔵でもあったようです
私がこの白露酒造に伺った時はちょうど「蔵元見学・試飲会」が行われている最中
予め予約の上、伺わせていただきました
ということで30分の蔵元見学がスタート
まずは米麹
ということで米と麹菌の説明から
ここで伺った話ですと黒麹を使うと黒〇〇という銘柄になることが多いのだとか
実はここで初めて知ったのですが、焼酎も日本酒同様にまず米麹を造るところから始まるのだとか
ということで米麹造り、まずお米を洗って水に浸し吸水させた後米を蒸し、蒸しあがった米を適度な温度まで冷却してから種麹を散布、麹の温度を調節しながら麹菌を十分繁殖させます
そして一次仕込
米麹ができあがった後、酵母と仕込水を加え発酵させるといった日本酒とまったく変わらない工程でした
ただ違うのはこのあと日本酒だと掛け米を加え三段仕込みと進んでいくのですが、焼酎は掛け米のかわりに芋などが使われるという事
焼酎の原料となる芋は地元、鹿児島の大地から採れた「黄金千貫(こがねせんがん)」
ということで次の行程では、よく洗った芋を熟練した芋切りさん達が一個一個丁寧に芋の両端と傷んだ部分を取り除いていきます
ここで手を抜くと美味しい焼酎にはならないそうです
一昔前に呑んでいた芋焼酎が、芋臭いとかよく言われていましたが
黄金千貫のような芋の品種改良や、こうした丁寧な芋洗い作業などで芋焼酎の品質は上がっていたようです
前述の一次もろみに水と蒸した芋を砕いて加え、醗酵
このあとの適切な発酵管理で原料の特性が醸し出されるのだとか
そして焼酎と言えば蒸留
まずは「常圧蒸留」
アルコール以外にモロミに含まれる様々な成分が流出するのが特徴で原料やモロミの特徴を反映した個性的で芳醇な味の製品ができあがるのだとか
そして減圧蒸留
減圧蒸留は 蒸留機の圧力を下げることで沸点が低くなり、高温で流出してしまう成分が少なくなります。
そのため原料やモロミの特徴をほのかに残しつつも、雑味のない軽快な味の製品ができあがるのだとか
蒸留された新酒のタンクたち
タンクの上にかけられていたシートを捲り中を覗かせていただきました
底に黒いカスのようなものが見て取れますが、これはフーゼル油
自然の温度差ででてきた余分な油分を手すくいで取り除きますが、取りすぎると焼酎の風味(個性)もまたなくなってしまうという難しいものだそうです
その後、タンクに貯蔵
白露商品の最大の特徴は、すべての商品を1年間貯蔵・熟成していること
蒸留直後は白濁し、独特のにおいが残っていますが、 1年という期間で蒸留直後のガス臭が抜け、まろやかな味と香りに仕上がるそうです
最後に焼酎を瓶詰め検品
製品として出荷されます
この日は休日という事でラインは止まっていました
その後、お楽しみの試飲
残念ながら私は車の運転が有るので飲めません
かわりに我が家の奥さんが数種試し美味しかった焼酎を購入し蔵を後にしました
てなわけで白露酒造では蔵人による丁寧な説明でひたすら感謝
白露酒造の名のラベルをみたらこの日を思い出すことにします