シアトル航空博物館には宇宙事業関連の展示物も多くあり
イースト・キャンパス本館にはアポロ計画の遺物コーナーもありました
時間が迫っていましたがアポロ計画好きな私が見ずに通り過ぎることはできません
展示コーナーの頭上にはロシア初の商用宇宙船 Resurs 500 カプセルがつるされていますが
これは1992年にソユーズロケットによって打ち上げられたものです
もう一つつるされているのがアポロ計画以前に実施されたマーキュリー計画時の宇宙船(司令船)の模型
映画「ライトスタッフ」や「ドリーム」にも登場していましたが
今考えるとただ人を地球軌道に乗せるだけの計画ですが
宇宙船はその大きさから考えるとけっこう狭く、これに大柄なアメリカ人が乗れるの?といったサイズ
パイロットたちは口々に宇宙船は乗るものではなく「着るもの」といった比喩でその大きさを皮肉っていたそうです
ジェミニ計画で使用されたジェミニ宇宙船の模型
その計画の目的は、アポロ計画における月面着陸に必要なドッキングやランデブー
船外活動などの技術を習得することにあったようです
そうすべてはアポロ計画を成功させるためのプロセスだったようです
旧ソ連の宇宙船「ボストーク」の射出座席が展示されています
ちなみに1961年にユーリ・ガガーリンがボストーク1号に搭乗し、世界初の有人宇宙飛行を達成していますが
ボストークの宇宙飛行はその帰り道が大変
アポロ計画などのように地球帰還時に司令船に取り付けられたパラシュートが開いて司令船ごと帰ってくるのではなく
着陸時には宇宙船から宇宙飛行士が座席ごと射出し脱出、その後パラシュートを開いて地上に降り立つというかなりアクロバティックな帰還方法で地球に還ってきたのだそうです
一体全体ガガリーンって何人いたんだろうと思わせる話ですね
さてここから先がアポロ計画の部屋
まずは悪魔と名付けられたほどのパワーを持つサターンⅤのエンジン
ダイン社が開発した「F-1ロケットエンジン」
高さ5.7メートル、直径3.6メートル、推力は約679.5トン
5基のF-1エンジンを合計した出力は、馬力に換算すると約1億6千万馬力に達しました
このF-1エンジンのすごいところは、1960年代に作られているにも関わらず
液体燃料ロケットとしては現在でも最も強力なエンジンということでしょう
まさに悪魔のようなエンジンですね
アポロ計画に使われたカプセルのテスト機
アポロ司令船007A号機
テストと訓練のために NASA に納入された最初の生産ライン カプセルです
1967年1月27日の発射台テスト中にアポロ1号が被災し乗組員の命が奪われた事案をもとに再設計されたハッチもありました
グラマン社によって開発されたアポロ月着陸船の模型
アポロ計画の月着陸船は帰還時には下降段を発射台として
写真の実物大模型にあるような上昇段のロケットを噴射して軌道上の司令船とドッキング
宇宙飛行士が司令船に乗り移った後は上昇段を切り捨てるといった月軌道ランデブー方式が採用されました
もともとかなり無理な計画でしたが、これはJ・Fケネディが宣言した1960年代に人間を月に送り、安全に帰還させる事を期限内に実践するため
当初は宇宙船ごと月に降りる計画もあったようですが、それだと月軌道に戻る宇宙船の重量が大きすぎて
それを送り込むアポロ全体の推力が不足したようです
だからこんな突飛なアイディアが採用されたんですね
そう前述の史上最強のサターンⅤエンジンでさえ、こういった軽量の月着陸船しか送り込めなかったようです
Amazon.comのCEOジェフ・ベゾスが私財を投じて2012年3月に海底 14,000 フィートから回収した破片
シリアルナンバーから、アポロ11号で使われたF-1エンジンであったことが確認
まぁAmazon本社がシアトルにあるからでしょう、ジェフ・ベゾスは修復作業後このシアトル航空博物館に寄贈したようです
月面探査機(LRV)のデモ機
月面の広範囲を効率的に探索するためにポルシェが設計を行いボーイング社が製造しました
デモ機とはいえ実際に地球で訓練で使われたようです
タイヤはゴムに空気を入れるわけにはいかず亜鉛でメッキされた鉄でできた織物から作られたんだそうです
アポロ計画で使用された携帯用生命維持装置(PLSS)
まぁ小さな地球ですね
こんな感じでシアトル航空博物館イースト・キャンパス本館アポロの遺物コーナーを探索
充実した内容に久しぶりに心躍りました

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