名画を眺めにウィーン美術史博物館へ
ここにはフェルメールをはじめレンブラント、ラファエロ、ベラスケスと私のように絵画に興味がなくとも知るような巨匠の絵画がずらり
さすがはハプスブルク家が所蔵していたコレクション
短い旅程の中ですがその圧巻の収蔵量をさらっと見るだけでかなりの時間を費やしてしまいました
ちなみにここの博物館はフラッシュを使わない写真撮影はOKなんだそうで、好きなだけとらせていただきました
まず見たかったのが
『バベルの塔』(1563年)ピーテル・ブリューゲル作
旧約聖の創世記に登場する巨大な天にも届く神の領域まで手を伸ばす高塔を建てようとしていた時に
神は降臨してこの塔を見「人間は言葉が同じなため、このようなことを始めた。人々の言語を乱し、通じない違う言葉を話させるようにしよう」と言い実行
人間たちは混乱し、塔の建設をやめ、世界各地へ散らばっていったという逸話を描いたもの
混乱させるという言葉は、ヘブライ語で「バラル」と言うことからバベルの塔の名が付いたのだとか
ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館にもブリューゲルのバベルの塔があるそうなので
次回ロッテルダムにも行ってみたいものです
さて冒頭に書いた通りこの博物館にはオランダ絵画の黄金期の巨匠レンブラントの作品が数点あります
レンブラントは自画像の画家と言われていますが、そんな作品『大自画像」(1652年)
46歳頃の自画像だそうで、経済的にも困窮していた時期で顔色にも出ているように思えます
『読書をする息子ティトゥス・ファン・レイン』(1656~7年頃)
次々と子供を失った作者は、 事実上の1人息子ティトゥスの成長を親の目と画家の目で描き続けた。 しかし、この息子も親に先立ち夭折したそうです
『絵画芸術』(1667年)
ヨハネス・フェルメール作
この絵はフェルメールが借金に苦しんでいたときにも手放さず、売却しなかったことから、フェルメールにとって大切な作品だったと考えられています
『窓辺の女』(1654年) ヤコブス・ヴレル作
年代はこちらのほうが古いですが、フェルメールに影響を受けていたようでそんな風にも見えます
『青いドレスのマルガリータ王女』(1659年)ディエゴ・ベラスケス作
8歳頃のマルガリータ王女を描いた作品で最も美しい1枚と評価が高い肖像画です
『聖(アンティオキア)マーガレット』(1518年)ラファエロ・サンティ作の前で記念撮影
アンティオキアの聖マルガリータの伝説を描いた作品(竜に呑み込まれた時に彼女が十字架を握って祈ると、御力で竜の体内が裂け、中から出ることができたというもの)で、見た目以上に怖い作品です
隣にあるのは『聖家族と幼児洗礼者聖ヨハネ』(1520-30年頃)イタリアの画家ソドマ作
『牧場の聖母』(1506)ラファエロ・サンティ作
聖母と幼いキリスト、洗礼者ヨハネが描かれていますが、これはフィレンツェの貴族から神聖ローマ皇帝へ渡った名画
ラファエロの代表作の1つで、フィレンツェ滞在中の23歳の時の作品なんだとか
『オウムを連れた男』(1535-40年頃)ニコロ・デッラバーテ作
『聖ヨハネの遺骨』と『キリスト哀悼』 (1484年以降)ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス
聖ヨハネ騎士団礼拝堂のための主祭壇画で16世紀に破壊され残っているのはこの2枚のみ
「第一王子フェルディナント」1634-35年頃
若かりし頃のフェルディナントで後のインファンテフェルディナント枢機卿(スペインオランダ総督) ヤン・ヴァン・デン・ヘッケ作
『楽園の四つの河』(1615年頃)
ピーテル・パウル・ルーベンス作
絵画には4つの大陸 (ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカ) を擬人化した4人の女性像と、それぞれの主要河川(ドナウ川、ガンジス川、ナイル川、ラプラタ川)を擬人化した4人の男性像が描かれています
『黒髪の男の肖像画』おそらくアルフォンス・ゼフィリ
クリストファー・ポーディス作 1660年
『聖ヒエロニムス』(1650年代)
クリストファー・ポーディス作
「魚市場」(1621年頃)アンソニー・ヴァン・ダイクとフランス・スナイデルス(魚介担当)
中央に描かれているのはチョウザメでしょうか
魚介担当のフランス・スナイデルスが
コルネリス・ド・フォス と組んで制作した作品
『河岸魚市場』(1620年頃と1630年頃)
『豆の王様の祝宴』(1640~5年頃)ヤーコブ・ヨルダーンス作
祝日に民衆の間で行われていた「豆王の祭」
これはケーキの中に隠された1粒の豆を見つけた者がその日の王様、最も美しい女性を妃、他の者を家臣として大いに飲み、食べるという祭りの様子を描いたものですが、なんだか楽しそうですね
『皇后マリア・テレジアと平和の像』(1772年)
アントン・フォン・マロン作
未亡人として黒い衣装姿で描かれています
最後に『フランス王妃マリー・アントワネットの肖像』(1778年)
マリー・ルイーズ・エリザベト・ヴィジェ=ルブラン作
ちなみにこの博物館には天井がドームになった「世界で最も美しいカフェ」と称されるミュージアムカフェがありますが
並んでいるうえ、2時間余り展示物を見て疲れ果てたことからホテル戻ることに
こんな感じで600年にわたる帝国を築いたハプスブルグ家の財宝を見た後
マリア テレジア広場にあるマリアテレジア像に挨拶してウィーン美術史博物館を後にします
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