オーストリアの歴史を勉強しようとウィーン軍事史博物館にやってきました
ガイドブックにも載っていないマイナーな博物館で、私が伺った際も来場者はほとんどいなかったのでが
規模は大きくその内容はかなり濃い展示物ばかりでした
ちなみにこの建物はもともと革命などの市民の蜂起に備えて兵器収蔵庫を主目的として建てたものがはじまりなのですが
徐々に兵器収納庫としての性格が失われ、現在では軍事史博物館として位置づけられるようになったそうです
てなわけで17世紀から第二次世界大戦までの軍事的な資料が幅広く展示されているとのことで、じっくり時間をかけ学んできました
さてそのウィーン軍事史博物館ですが、ポスターに博物館の入り口に掲げられた文字「Kriege gehören ins Museum.」が強調されていますが
これは「戦争は博物館の中に属する」と言う意味で
戦争は博物館の中に展示しておくもので、博物館の外に出してはならない
と決して戦争を礼賛する博物館ではないことを示しておりました
まずはエントランス前にある1961年にオーストリア空軍が導入したスゥーデン製のサーブ29トゥンナンが迎えてくれました
これは永世中立国として知られるオーストリアが、冷戦期にソビエトに気を使ってアメリカ機の購入を避けたという逸話付きの機体です
入場料€7を支払い入館
ちなみにここはシルバー割引(60歳以上)€5がありましたが、気が付きませんでした
ちなみに障害者は無料、軍人は制服を着ていれば無料になるそうです(海外に行くとこうした軍人に対する敬意が見て取れるのが羨ましく感じます)
入ってすぐの入口ホールには各時代の貴族や戦士の像が立ち並んでいますが、ここは「最高司令官ホール」という名が付けられていました
階段から上がった2階にはさらに壮麗なホールが迎えてくれます
これはカール・ブラースという有名な画家の壁画と天井画
本当に元兵器収蔵庫と思わせる豪華すぎる内装
これがハプツブルク家のスタンダードなのでしょうか
かなりの数の展示物がありますが、ここは歴史順に博物館2階にあるハプスブルク帝国の繫栄と衰退の歴史に関する展示からみていくことに
ハプスブルク家が支配するオーストリアとオスマン帝国は三十年戦争後に対立
そんなトルコ戦争時代の軍服姿の兵士の展示
いかにもジスイズ・ゲルマンって雰囲気ですね
オスマントルコの武器・帽子・階級章(馬の尾)も展示
名声の間(2階中央ホール)の見事な天井画(カール・フォン・ブラースの作品)
アスペルンの戦いにおけるオーストリア帝国カール大公などが描かれています
ワグラムのカール大公の肖像画
どこかで見たことのあるシーンですが、この絵はナポレオンの肖像画に影響を与えたそうです
きっとこの肖像画(ダヴィッド『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』)のことですね
ウィーン軍事史博物館にもそんなにっくきナポレオンボナパルトの肖像画がありました
(アンドレア・ザ・エルダー・アッピアーニ作)
ナポレオン率いるフランス軍によってオーストリア軍は敗北
長く続いたハプスブルク帝国は衰退に進むことになりました
そんなナポレオン時代の武器や軍服も展示されていました
1788年当時のオーストリアの勢力範囲の地図
オーストリアとオスマン帝国との間で行われた墺土戦争の係争地も示されていました
当時のオーストリアはネーデルランドなど所領の飛び地が多いのも見て取れますね
2階フロア展示の最後に憂悶果敢な絵があったのでその紹介
第三次イタリア独立戦争クストザの戦いにおけるロダコウスキー大佐(ルートヴィヒ・コッホ作)
強きオースリアの象徴のような絵でした
最後と言ってもウィーン軍事史博物館の展示物は多いのでまだまだ続きます
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