にいがた酒の陣が開催されている当日
出展者リストにありながらも酒蔵見学を行ってくれる、ありがたい蔵が有りました
それが新潟駅から徒歩圏にある「今代司酒造」
創業1767年の老舗酒蔵です
聳え立つ煙突がこの建物は酒蔵だと主張しています
沼垂(ぬったり)という地区にありますが、味噌蔵、醤油蔵などが隆盛し
発酵産業が活発になったこの沼垂エリアは「発酵の町」とも呼ばれているそうです
そいや「沼垂ビール」なんてのもありましたね
蔵の建屋は明治時代に建てられた歴史ある蔵ですが
店内は改装され奇麗な日本酒ブティック「厨(くりや)」としてリニューアルオープン
ここには今代司酒造の日本酒をはじめ、グッズや土産物などが並んでいます
厨の名の由来はその昔、ここが蔵の厨房だったことからなのだとか
さて予約していた酒蔵見学に時間となりましたが
「酒蔵見学」は予約制しかも参加費は無料です
この日はにいがた酒の陣の開催日にもあたり
多くの観光客が訪れたようで「本日の酒蔵見学はすべて満席です」との表示が有りました
ここ今代司酒造は2006年からアルコール添加をやめて全量純米仕込みで造りが行われる蔵で
実際の製造量は年間550石という小さな蔵なんだそうです
この日蔵にあった酒米は東の横綱と呼ばれる「新潟産 五百万石」
その名の由来は新潟県の米生産量が500万石を突破したことを記念して命名されたのだそうです
こんな話を9代目蔵元である山本吉太郎さん自ら
過去のエピソードなどを交えて面白おかしく案内いただきました
この大きな釜
後程に過去に使われていた釜も見ることが出来ましたが
これは酒米を蒸すのではなく、搾った日本酒の火入れに使われている釜なのだとか
窯の中にあるバイピングされた管「蛇管」を使い日本酒を循環させ指定した温度(65度)で湯煎し火入れするのだそうです
次に蔵一番のインスタ映えスポットを紹介する蔵元
ホーロータンクがずらりと並ぶ蔵の景色はやはり良いものですね
蔵でひときわ目を引くのがこの「木桶」
酒蔵をはじめとした発酵食品を醸す蔵では木桶職人の後継者不足が問題となっており
現在、大型の木桶を作れるのは大阪・堺市の製桶所である「藤井製桶所」一社のみ
今代司酒造ではそんな「藤井製桶所」の桶職人の手により制作された木桶を使い、平成22年より木桶仕込みによる純米酒を60年ぶりに復活
その後、より多くの木桶仕込みの酒を造るため、クラウドファウンディングを使い平成30年にこの大きな木桶(4,043ℓ)を導入したのだそうです
「江戸蔵」
ここはお酒の良い香りが漂っていました
上槽の工程に使われるのは定番のヤブタ
手前の袋の中には酒粕が詰まっています
これは家畜の飼料として再利用されるそうで、サステナブルな活動も行われているようです
もっとも酒粕にはタンパク質が多く含まれており栄養価が高いほか、輸入に頼りがちな飼料を国内で生産できるといったメリットもあります
酒蔵内には、昔使用していた道具や看板なども展示されており
蔵元がレトロファンに最近人気だという「お燗酒自販機」も説明いただきました
これは昭和40年代に使われていたものでコイン投入口に50円入れると燗をした日本酒が出てくるというものなんだそうです
インテリアとしてではなく「お燗機」としてほしいマシンですね
昔酒米を蒸すのに使われていた大きな釜も展示されていました
酒蔵見学の後は、お楽しみの酒のテイスティング
ツアーに含まれるのは、2種類の試飲ですが
先ほどまでにいがた酒の陣で浴びるほど飲んできたのでここはパス
蔵元自らの酒蔵案内ありがとうございました
ということで次の目的地新潟駅「ぽん酒館」を目指します
ちなみに歩いても15分ですが、市内循環バスが便利でした
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