田沢湖「たつこ像」と「クニマス未来館」

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日本一水深が深い湖「田沢湖」
コバルトブルーの水面には田沢湖のシンボル「たつこ像」が設置されています
永遠の若さと美貌を願い、龍になって湖底に沈んだと伝えられる
伝説の美少女「たつこ姫」を元に製作された高さ2mの黄金に輝くブロンズ像です
 

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そんなたつこ像のある田沢湖には以前、幻の魚「クニマス」が生息していました
クニマス漁を生業とする漁師さんがたくさんいたそうですが、残念ながらダムの建設とともに水質が変わり1940年代に絶滅してしまいました
当時そんな絶滅を回避しようと、1935年に本栖湖、西湖、他にも琵琶湖や、長野県、山梨県、富山県に発眼卵を送ったそうですが、その後成魚となったクニマスは確認できなかったそうです
ところが富士五湖の一つ西湖でヒメマスを採集していた、テレビなどでもおなじみの「さかなクン」が、その黒い体色に違和感を覚え、旧知の京都大総合博物館・中坊徹次教授の元に持ち込んだところクニマスと判明
現存個体群の生息も確認され、絶滅指定から野生絶滅に指定変更されたそうです
西湖には放流用にクニマスの卵が10万粒放流されたようですが、このとき放流されたものが繁殖を繰り返し、命をつないできたようです
 


 

この話をもとに書かれたマンガ「釣りキチ三平(平成版)キノシリマス」で
設定を放流したのを、三平くんのおじいちゃんである一平爺さんに置き換え、その放流した湖でキノシリマス(クニマス)を釣り上げる話が描かれていました
話の中に絶滅を鑑み放流した一平爺さんが、その後そのキノシリマスの放流が正しかったか否かを悩んでいたのが印象的でした
 

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そんな田沢湖には「田沢湖クニマス未来館」といった施設があり
平成22年に西湖で発見されたクニマスという魚を主人公とした展示や
田沢湖で絶滅してから西湖で発見に至るまでの経緯、当時の漁具や丸木舟、湖畔の人々の暮らしや環境の変化、クニマスの生物学などがなされています
 

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クニマスは、かつて世界中で田沢湖だけに生息していた田沢湖の固有種
秋田藩主・佐竹義和が田沢湖を訪れた際にクニマスを食べ、お国特産の鱒ということから国鱒と名付けられたといわれていたなどの話も添えられていました
 

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ここの水槽で泳ぐ成魚になる前のクニマスを見ましたが、確かに支笏湖にいるチップ(サケ科で陸封型のヒメマス)とは違うのが見て取れました
 

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そうそう今回は時間があまりなく、この田沢湖遊覧船には乗れませんでしたが
次回は是非とも乗って、支笏湖より深いこの湖を遊覧船から望んでみたいものです
できればそのころクニマスが泳ぐ姿なんか見られたら最高なんですが
 

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このページは、r-ohtaniが2023年12月20日 05:04に書いた記事です。

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