京都伏見を歩いていましたが、外の気温は30度を超える真夏日
暑さから逃れる意味もあり空調の効いた室内施設と考えていたところ良い施設がありました
それが「月桂冠大倉記念館」
月桂冠はこの京都伏見の地で約400年醸造を続けている全国的にも名高い酒蔵
そんな月桂冠が1909年建造の酒蔵を改装し伏見の酒の作り方、材料、歴史などを後世に残そうと造られた日本酒の記念館です
実はこの月桂冠大倉記念館は5年ぶりの訪問となります
まずは「南展示室 史料類」から
ここには1637年の月桂冠創業から月桂冠が残してきた、明治~大正期に描かれたポスターなどの史料が展示されています
記念館の展示物は前回訪れた時とさほど違いはないのですが、今回初めて気づいた展示物が
手動式消火ポンプ「応龍水」
慶応2年(1866年)を示す銘が記されていますのが、1864年の鳥羽伏見の戦いの2年前という事ですから、当時は戦の消火でかなり活躍したんでしょうね
「北展示室 用具類」
江戸時代から伝わる酒造りの用具類が展示
まずは酒米の稲穂や酒蒸しに使われる大きな甑
それに木桶、酒樽、櫂など、「京都市有形民俗文化財」指定の昔の酒造用具類が展示
往時の職人たちの手技を偲び、酒造りの伝承文化を感じる場となっています
大きな醸造用の木樽が見て取れますが
現代ではこうした大きな木樽を作る職人が激減してしまい、絶滅の危機に瀕しているのだとか
こうした日本の伝統文化が消えてしまうのは寂しいですね
「もろみを搾る工程」
原酒と酒粕に分ける上槽に使う「ハネ木搾りに使われる木造の槽」
2年前に出雲などの古くからの酒蔵ではこの昔ながらの槽でなければ、思うような酒の味が出せない
そんな話も聞きましたし、「ヤブタ式」全盛のこの時代でもハネ木搾りにこだわる酒蔵は数多いようです
大きく古そうな煉瓦造りの煙突が見て取れますが、これはいまだ現役
中庭を挟んで隣接する内蔵酒造場では、但馬流の杜氏が昔ながらの手法で酒を醸しているんです
手前は桃山丘陵の地下奥深くに涵養された伏流水を汲み上げる井戸
伏見は良質の地下水に恵まれていますが、そんな酒造りにも使われる「伏水(ふしみず)」と呼ばれる良質な水をここで飲むことが出来ました
さて酒蔵を見学した後はお楽しみの利き酒の酒処
ご見学の最後に、利き酒は入場の際に渡されたコインを使いサーバーから自ら注ぐよう変わっていました
季節ごとにいただけるお酒の内容は変更されるそうですが、渡された3枚のコインで3種類のお酒を楽しむことができます
この日のメニューは
「京しぼり(大吟醸)」
「笠置屋 山田錦(大吟醸)」
「レトロボトル(吟醸)」
「果月≪桃≫」「果月≪メロン≫」など夏にふさわしい酒がメニューに載っていました
私はというと、上記大吟醸2種と
もう一杯は
日本酒を進化させる実験的プロジェクト
「Gekkeikan Studio」
そのNO.1たるメロンのようなみずみずしい香りの日本酒を試してみました
にしてもここ欧米系の外国人比率がとてつもなく多かった
それどころか月桂冠のスタッフもまた流ちょうな日本語を話す欧米系の外国人でした
コメントする