北海道立近代美術館で「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を鑑賞した後は
大通公園沿いの昭和ビル地下にある「KAMIKAWA TAISETSU Sapporo」へやってきました
ここは5年前から北海道で醸造を始めた上川大雪酒造のアンテナショップで
以前は週一くらいしか開いてませんでしたが、この春から毎日営業(日曜日休業)しているとのことで伺ったというわけです
「KAMIKAWA_TAISETSU_Sapporo」は上川大雪酒造のギフトショップ
各種ギフトや特別注文など受けているそうですが
さてその上川大雪酒造
北海道の上川町に戦後初の新しい酒蔵として誕生
新進気鋭の酒蔵として人気を博していて
いまや十勝の帯広畜産大学のキャンパスに『碧雲蔵』や函館亀尾小中学校跡地に『函館五稜乃蔵』を新設、発展はとどまるところを知りません
長く続く日本酒離れやコロナ禍の逆境にあってこの発展は素晴らしいものが有ります
元々、上川の地で醸造を始めた「緑丘蔵」ですが、その始まりがもっとすごい
というのも上川大雪酒造の社長を務める塚原敏夫氏が証券会社勤務時代に知り合ったバーのマスターの実家が休眠中の三重の酒蔵「株式会社ナカムラ」であり、その方が大雪山と上川町の風景写真を見ながら「こんなところで日本酒を造ったらすごいのができるのになぁ」という言葉がきっかけなんだそうです
思いを実現させるその行動力・実行力は尊敬に値します
ちなみにその「緑丘蔵」
試験醸造を終え本格的に仕込みを始めたばかりの2017年10月にお邪魔を覚悟で伺ったことが有り
忙しい中、杜氏の川端慎治杜氏に案内していただいたことが有りました
上川大雪酒造『緑丘蔵』酒蔵見学
さてここ「KAMIKAWA TAISETSU Sapporo」では
有料試飲有〼のメニューの通り試飲もやっていたので
「特別純米」「純米吟醸」「純米大吟醸」3種飲み比べセット頂きました
さて上川大雪と言えば『彗星』『きたしずく』『吟風』といった北海道生まれの酒米にこだわる醸造を行っています
もともと上川大雪酒造の川端慎治氏が、その前に杜氏をしていた「金滴酒造」で地元北海道産の「彗星」で醸した「金滴彗星」が全国新酒鑑評会(2011年)で金賞を受賞していますが
川端杜氏から聞いた話では
日本酒の製法に関する「YK35」という言葉ににあるように
酒米は山田錦を使い(Y)、熊本県酒造研究所で分離されたきょうかい9号(K)という酵母を使い、精米歩合を35%に高めるとうのが俗説があるのですが
そりゃ~出品するなら当然、酒米は山田錦を使いたかったそうですが、北海道のこんな片田舎の名も知れない酒蔵が仕入れられる山田錦と言えば、常に賞を取っている有名蔵のような品質の高い山田錦など到底手に入るはずがなく、品質のあまり良くない山田錦しか手に入らないんだそうで
それくらいなら「金滴酒造」のある空知地方には、こだわりの個人農家が生産した「彗星」があり
その方が面白そうなものが造れそうだという事で使ったのが始まりのようです
「山田錦」などの有名な酒米でなければ賞は取りずらいと言われた中で、無名の北海道の酒米で醸した日本酒が賞を取ったというのは、その後多くの影響を与えたようで
青森西田酒造店の「田酒」や高知の「酔鯨酒造」でも、この彗星が使われるようにまでなっています
これがきっと上川大雪酒造の塚原社長の共感を呼んだんでしょうね
賞、ついでの話ですが
函館の「五稜乃蔵」で、地元で栽培した酒米「彗星」を使い仕込みを始めたばかりの「五稜」でしたが
「緑丘蔵」「碧雲蔵」とともに令和3酒造年度・全国新酒鑑評会 において入賞
何か仕込みの段階から良さそうという話は聞いていましたが
まだ少し残っているからと飲ませていただいた「純米吟醸 五稜」はまさに
「飲まさる地酒」でした
なにやらこの「純米吟醸 五稜」もまた人気があり品薄のようなので
その五稜目当てに「KAMIKAWA TAISETSU Sapporo」に立ち寄らせていただきます
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