続いて高さは25メートル西条一の煙突を擁する福美人酒造
酒都西条で酒造学校と呼ばれた蔵元です
1917年に西日本中心の酒造会社の出資によってできた、日本で最初の株式会社としての酒造メーカーです。
設立の4年後から、品評会で最優秀賞を獲得するなど、その技術が高く評価されており、「どうしてそんなお酒ができるのか」「教えてもらいたい」と、酒造関係者や株主の酒造会社から技術の教授を要請されました
大正から昭和にかけて、全国の杜氏や杜氏志願者が、福美人酒造の優れた酒造りの技術を学ぼうと訪れました、そんなわけで福美人はいつしか通称「西条酒造学校」とも呼ばれるようになったのだそうです
恵比寿蔵手前には、洋風外観を持つ青い建物が有ります
塗装が長いことなされていないのか、ちょっと残念な外観に
酒蔵のほうは仕込み前の土曜日ということもあり、現在はひっそりとした空間でした
恵比寿蔵の展示スペースは見学が可能
醸造に使われていた道具や陶器の酒樽が展示されています
そんな展示物の中、特筆するのが壁一面に貼られた歴代内閣総理大臣の色紙
色紙全てには『國酒』と書かれています
前述の通称「西条酒造学校」とも呼ばれるほどの福美人酒造
西条で唯一「國酒」に認定されているようです
ちなみにこの國酒というキーワード
発端は今から30年前、大平内閣のとき、日中国交回復の晩餐会にてホスト国である中国が自国の酒「白酒」でカンペーし日本を歓待したことがありました
これ感動したのでしょう当時の大平首相は、日本には伝統の酒である日本酒や焼酎があるのに、我が国での外交晩餐会はフランス料理にワインなどで乾杯をしている、これはいけないと思い立ち、日本酒・焼酎を「國酒」と命名し、乾杯の際に使用することを提案したとのこと
何だかいい話ですね
ちなみにこの國酒の色紙は
創業明治16年の老舗の泡盛の蔵元「まさひろ酒造」
泡盛まさひろギャラリー
酒豪が競う大杯飲みが名物の奇祭「どろめ祭り」で飲まれる
高知の地酒「豊能梅」を醸す高木酒造酒蔵
などでも見ておりました
ただここ福美人酒造の國酒の色紙ですが、菅元総理までの歴代総理の色紙は有りましたが、地元広島選出の岸田総理大臣の色紙はまだ有りませんでした
英国で行われたCOP26や選挙等で忙しかったのでしょうが、是非とも早いところここに岸田総理の色紙を大々的に掲げてもらいたいものです
そうそう福美人酒造と言えば忘れてならないのが、広島カープが資金難に陥り存続の危機に立った際、実際に使われた「カープたる募金」
昭和26年創立からまだ2年後には解散もしくは合併がささやかれたとき(現実に大洋ホエールズとの合併は一度承認されている)
そんな時に広島市民は老若男女問わず、カープになけなしの金を差し出した
その象徴となったのがこの「カープたる募金」なんだそうです
原爆が落とされてまだわずか6年後の話です、当時はみな生活は苦しかっただろうし
何だか泣けてくるお話です
続いて恵比寿蔵の試飲・販売コーナーへ
ここには自慢の銘酒や蔵限定のお酒がずらり
もちろん試飲も有料で出来ますので、ここはもちろん試飲
オススメ!とある3種を頂きますが
まずはスッと入る喉ごし、すっきりとした甘口「特別純米酒 ひめあま」
フルーティな香り、辛口でキレの良さ「純米吟醸 原酒 STRONG DRY」
蔵でしか味わえない、希少な逸品 ポタポタ搾る「しずく酒」
と言った具合
中でも特別純米酒ヒメアマは白麹を使った飲みやすい日本酒でした
麹には白こうじを20%使用とありましたが、表示されている通り
クエン酸たっぷりですっきり爽やか、するりと呑みやすい日本酒でした
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