阿蘇くじゅう山系の北に位置し周囲を山々に囲まれる大分県日田市
「水郷日田」と呼ばれるほど豊富な水資源に恵まれていて水がおいしいことから、たくさんの酒蔵が集中しています
例えば大分の麦焼酎の代名詞「いいちこ日田醸造所」や寛政元年(1789年)創業の蔵元「老松酒造」
そして私の住む札幌を冠としたビール会社「サッポロビール九州日田工場」
もちろん日本酒の蔵もあります
それが豆田町の一角、花月川の一新橋近くにある高い煙突が目印の白壁瓦葺きの蔵が今回の目的地「薫長酒造」
江戸時代の元禄15年(1702年)に建てられた一番古い蔵をはじめ、
5棟の蔵がすべて建築当時のままで残っている全国的にも大変珍しい酒蔵群が見て取れます
蔵元ショップの奥には杉玉がつるされていて、酒造の一部には酒造りの工程や昔の酒造りの様子をしることができる、「お酒の学習室」がありますが、新型コロナの影響かやってはいませんでした
けれどここはすでに蔵の一部
大釜の上に甑を乗せ、これで米を蒸す
「こしき」による蒸しの器具(もしかしたら今は使われていないかもしれません)
というのもその隣にはいかにも現役で使わているであろう
連続蒸米機と呼ばれるお米を蒸すベルトコンベア式の機械が鎮座していたからです
ここに来た理由が「酒蔵資料館」
この斜度の高い階段を昇りますが、手前に松尾を祀る神棚が・・・
ここ薫長酒造では
築190年の酒蔵の2階を酒蔵資料館として開放し
昭和30年頃まで実際に使われていた酒造りの道具などが展示されています
まずはずらりと並ぶ、今でこそもっともポピュラーとなったホーロータンク
ホーロータンクが普及されるまで当たり前のようにあった木桶
双その昔、酒蔵の桶はすべて木製でした
いまなおその木の香りが好きな酒好きのため木樽が重宝されるのだとか
手前に置かれる大きな下駄は
蒸米の中に足が埋もれないようにするための昔の人の知恵なんだそうです
今、日本酒を絞る機器と言えば薮田のフネですが
この時代、酒袋を槽にたくさん積み重ねて圧をかけてしぼったのが一般的でした
そのほか、丸い桶はたぬきの顔の形に似ているため「たぬき」、口の一部がとがった桶はきつねの顔の形に似ていることから「きつね」と呼んでいた器具も展示されています
他にも麹蓋にかきまぜ棒などの酒造り道具
タンクの温度を操作するパンプなどが並んでいて
日本酒の歴史を合間見てきました
ちなみにこの「薫長酒造」
国民的人情喜劇「男はつらいよ」シリーズにコラボしたことがあり
そちらでも有名だったかもしれません
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