呉艦船巡りクルーズで「女王陛下のキス」で有名になった練習艦かしまを間近に見る

| コメント(0)

2000年7月4日、ニューヨーク港にて20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う洋上式典が行われ、世界各国の帆船170隻、海軍の艦艇70隻が終結いたしました
遠洋練習航海で西回り世界一周航海の途中で練習艦かしまも、この式典に参加しておりました
その際、同じように寄港していたイギリスの豪華クルーズ客船「クイーン・エリザベス2」
この巨大な船がなんとハドソン川の流れに押し流され、係留中の練習艦かしまの船首部分に接触してしまうといった事件が有りました


 
hiroshima212.JPG

 

実はこの船、以前から見たい見たいと思っていた船でした
というのも
この練習艦かしまにはこんな逸話が残されていたからでした
その逸話が誰が名付けたか「女王陛下のキス」と言われるもので
基本軍艦(まぁ自衛隊艦ですが)を他国の船が傷つけてしまうというのは国際問題にもなりえる重大な事態
当然クイーン・エリザベス側から船長の代理で乗組員の機関長と一等航海士が謝罪に訪れます
その際、練習艦隊司令官だった吉川榮治海将補は
「幸い損傷も軽かったし、別段気にしておりません。それよりも女王陛下にキスされて光栄に思っております。」
とたいへんウィットに富んだコメントを返したそうです
そしてこの話はニューヨークだけでなく、本国ロンドンにも伝わり『テレグラフ』紙や『イブニング・スタンダード』紙でも報道され、その際訪れていた海軍や海上自衛隊などの船乗りの間でも大変話題になったのだそうです
 


 

その女王陛下にキスされた、いやもとい接触された練習艦かしまがこれ
練習艦と言うことで火力等の装備はあまりありません
その代わりではないでしょうが側面には白と藍色が鮮やかな艦隊司令官専用のレア装備の13メートル将官艇が搭載されていました
これは外国で国家元首クラスの高官を接遇することある船と言うことでの特別な装備のようです
 

hiroshima201.JPG
 

さてこんなに間近で海上自衛隊の艦船を観ることが出来たのは
呉艦船巡りクルーズに参加したためでした
このクルーズ、目の前で海上自衛隊の艦船を見るには最高の手段ということで事前に予約を入れておきました
 

kansen.pdf_page_1.jpg
 

とは言え、「アレイからすこじま」「うみのくじら館」「大和ミュージアム」「呉ハイカラ食堂」での海自テッパンカレーと午前中は分刻みで目まぐるしく歩き回り、このクルーズの受付にたどり着いた時には、すでに乗船が開始されている時間
駆け込み乗船で何とか乗れたという慌ただしさでした
 

hiroshima198.JPG
 

乗船してほどなく出航
1階に暖かな客室がありますが、ここはあえて吹きっさらしの2階のデッキへ
もっともこの日はおかげさまで晴天
絶好の海上自衛隊艦船巡り日和
 

hiroshima199.JPG
 

乗船した皆さんも大多数が、容易に艦船を眺められるデッキに乗船していました
 

hiroshima210.jpg


次に見えてきたのは
海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)
 

hiroshima214.jpg
 

F-35Bステルス戦闘機を搭載する
事実上の空母化が話題の海自いずも型護衛艦「かが」
 

hiroshima216.jpg
 

護衛艦さみだれ
汎用護衛艦「むらさめ」型 6番艦で平成12年に就役
アフリカ・ソマリア沖での海賊対処にあたっております
 

hiroshima211.jpg
 

海賊もたじろぐハープーン4連装発射筒を2基備え艦対空ミサイル垂直式短SAM
ついでに62口径76ミリ速射砲を一分間に100発の弾丸を発射する、まさにみだれ撃ちが出来る護衛艦です
 

hiroshima213.jpg
 

続いて護衛艦おおすみ
この船は医療システムが充実していて、手術室も備えているのだとか
 

hiroshima202.JPG
 

初代おおすみ型輸送艦「しもきた」
艦尾側後方に第四甲板を備え
自衛隊の護衛艦としては初の全通甲板を持った船です
 

hiroshima205.JPG
 

岸壁から車両などを積み卸しするためのサイドランプ
戦車もここから出せるとの事
 

hiroshima207.jpg
 

潜水艦救難艦ちはや
潜水艦が不測の事態の際に閉じ込められた乗員を救出することを主たる任務した船
 

hiroshima204.JPG

 

深度千mの深海で対処でき
しかも手術室・レントゲン室などの医療施設が充実しているという
こういつた船があるからこそ深度千mの海底で防衛にあたれるというわけなんですね
 

hiroshima215.jpg
 

DD護衛艦うみぎり
ヘリコプター格納庫の隔壁が特徴の船です
 

hiroshima206.JPG
 

十字舵ということで、これは「おやしお」型
水中吸音材と側面アレイ・ソナーという2つの新開発装備の導入された
日本の潜水艦能力を世界に知らしめた潜水艦です
 

hiroshima208.JPG
 

続いて最新刊らしきX舵の潜水艦もありましたが、これは「そうりゅう」型なのでしょう
そう先ほど食べた「海自テッパンカレー」はこの一番艦そうりゅうのレシピを元に作られていたんでしたね

ちなみにこのそうりゅう型潜水艦のステルス性は極めて高く、敵に見つかる可能性は非常に低い潜水艦で、限界深度に関しては世界最強の潜水艦であるシーウルフをはるかにしのぐと言われていて
あの中国のメディアがアジア最強クラスと謳うほどの性能を有しています

しかも今年10月進水した最新鋭潜水艦「おうりゅう」はリチウム蓄電池を搭載
これまで最大2週間程度だった潜航期間が「格段に伸びる」との報道もありました
 

hiroshima209.JPG
 

こうした潜水艦の抑止力で今後もアメリカと変わらぬ広さを持つ日本の領海を護ってくれることでしょう
こうして呉艦船クルーズで海上自衛隊萌を楽しんだ後は日本酒の聖地
東広島・西条を目指します

コメントする

カテゴリ

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 7.7.1

この記事について

このページは、r-ohtaniが2018年12月27日 20:31に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「「呉ハイカラ食堂」 の海自テッパンカレー」です。

次の記事は「東広島・西條で酒蔵巡り、まずは賀茂泉酒造「お酒喫茶_酒泉館」へ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。