沖縄南部南城市にあるレジャー施設おきなわワールド向かいにある「ケイブカフェ(サキタリ洞)」にやってきました
ここはなんと天然の鍾乳洞そのままのオープンカフェにしたとのこと
洞窟の中、しかも外は晴れているというのに
水滴が上からポタポタ滴り落ちてくるため、カフェのテーブルにはパラソルが備えられていました
このケイブカフェに来た目的は
「ガンガラーの谷」を探検するため
ところでそのガンガラーの谷とは・・・
鍾乳洞が崩壊してできた谷間に、自然豊かな森が広がる神秘的なスポットです
このガンガラーの谷は自然保護や発掘調査が行われていることからガイドと一緒でないと足を踏み入れることができない神秘の谷ということで少し前に予約したうえで伺いました(下の3枚の写真はその時いただいたパンフレットです)
ツアーの内容はというと鍾乳洞が崩壊してできた谷間に広がる自然豊かな森の中を、専門ガイドと一緒に歩くというもの
約1時間20分のツアーで料金は一人2,200円でした
ツアー定員は20名ほど
まずは洞窟の奥にあるステージでガイドさんから概要と注意事項のガイダンスを聞きます
ガンガラーの谷はおよそ東京ドームとほぼ同じ面積(約4万7500平方メートル)
ツアーは1kmほどの道のりを約80分かけて見て回くんだそうです
しかもこのガンガラーの谷に見どころは、単に沖縄の自然だけでなく
ニッポン人のルーツとされる港川人が居住していたのでは?という推測のもと
国立科学博物館と沖縄県で共同の発掘調査が行われていて
考古学や民俗学的な面からも非常に価値が高い場所だったりもします
ということでまずはサキタリ洞遺跡と呼ばれ、人が住んでいた形跡が下の写真
調査はまだ途中ですが、これまで2万年前の人々が食べたであろうカニの爪が大量に見つかったり、身につける装飾品が出ているんだとか
ガイダンスを聞いた後、出がけにさんぴん茶入りの水筒を1人一つ持って
いよいよ亜熱帯植物の森を探検開始
まず目に飛び込んできたのが、この「ジャイアント・バンブー」
世界最大レベルの竹なんだそうで、1年で30mも育つんだそうです
1日に直すと8.2cm成長するのってちょっと信じがたいですね
谷は自然がいっぱい
蛾の幼虫が木の枝を食べつくしているのが見て取れました
判りずらいのですが、手前の枝は元々は葉が生い茂っていたようです
このガンガラーの谷の一番人気のスポットはこれ
『ウフシュ(大主)ガジュマル』
15メートルを超え推定樹齢はなんと150年
ちなみにこの時聞いたガイドさんからの話によるとガジュマルという木は少しづつ歩いているのだそうです
ちなみに「血と水の一滴」芹澤健介著にこんな話が出ているようです
『ガジュマルの枝から、ヒゲのような気根が垂れ下がっています。その気根はやがて地面に到達し、そこから水や養分を吸い始めます。
元々根があった場所よりも、新たに根を張った場所のほうが、水や養分が豊富だとすれば、やがて気根は幹となり成長を続けます。
つまり、古い幹から新しい幹へ、ガジュマルの重心が移ることになるんです。
新しい幹がより太くなり、古い幹が勢いを失えば、ガジュマルの位置が移動したことになりますね。
このことを繰り返し、ガジュマルは、より良い場所に移動し続けるのです。これは、ガジュマル自身の意思で歩いてると言っても良いでしょう。』
とのこと、何だか植物と動物の定義が判らなくなりそうです
もう一つの人気スポットというかパワースポットは
種之子御嶽は「命の誕生を願う洞窟」
「イナグ洞」(女性を意味)と「イキガ洞」(男性を意味)の二つの洞窟の一帯からなるそうで、琉球時代から信仰されている御願所(ウガンジュ)なんだそうです
まずは女性の子宮をイメージさせるイナグ(女)洞
良縁や安産を願う御願所で
『母神』という看板は、シャーマンが立てて行ったんだそうです
続いて向かう「イキガ洞」の中は真っ暗
予め準備してあったカンデラを持って洞窟の中へ進みますが、探検気分がいやがおうにも盛り上がってきます
洞窟の中には、でっかい鍾乳石が天井からぶら下がっていて、これがイキガ洞の「命の誕生・子の健やかな成長を願う」ご神体(シンボル)なんだそうです
巨大岩が崖の上から転がってきたのを、小さな岩が受け止めてできた道
その岩もいつ崩れるかわからないことから、こうしたトンネルを通る際も気が抜けません
ここも洞窟の天井が崩れてできたようですが、真ん中あたりに石を積み上げた祠のようなものがあります
ガイドさんの話では200~300年前にこの周辺に住んでいた人が作ったお墓の跡だそうです。
今は別の場所へお墓を移動したそうですが、ご家族の皆さんは時期になると毎年お参りに来ていたんだとか
スタッフが手作りしたという森を見渡すツリーテラス
ここで一枚の絵を見せてもらいました
沖縄には、約 2万年前という日本最古の人類・ 港川人 (みなとがわじん) がいて
この絵はそれを元にして描かれた当時の港川人の顔だそうです
今の沖縄人(うちなーんちゅ)にもこんな方が居そうですね
ちなみにアイヌ人から見ると琉球人が遺伝的に最も近縁だそで、もしかすると私ども北海道人のルーツだったのかも知れません
ここからは、周辺の景色を眺められます
港川人が見つかった港川フィッシャー遺跡もその先にあるようですが
頭から足先までほとんどの骨が発見され、港川人1号と名付けられましたが
ほとんどが見つかったのは狭いクレバスのような隙間に落ちているところで発見されたからのようです、動物などに食い散らかされなかったのもその理由でしょう
誤って落ちたのかもしれませんが、もしかしたら埋葬されたものだったのかもしれません
コースの最後はこの武芸洞
現在も発掘調査を行なっている洞窟です
洞窟ですが両端が空いていて風がよくとおります
暑い沖縄にあって天然のクーラーとの言える場所
きっと生活しやすかったんでしょうね
そんな武芸洞にある、約3千年ほど前の石棺と埋葬された人骨が見つかった跡
貝を加工したビーズのブレスレットを身につけた40代くらいの男性が、この石棺に埋葬されていたそうです
いわゆるお墓なのですが、周囲と同じ高さ
そう地表近くで発見されたそうですが、通常こうした遺跡は時代と共に土が重なることから何メートルと掘らないとたどり着かないもの
これも洞窟の恩恵なんでしょうね
ということで「ガンガラーの谷探検ツアー」は終了
丁寧なガイドで充分堪能いたしました
ちなみに下記のユーチューブに公式のPVがありましたので、ここにUPしておきます
コメントする