酒田に来たのならどうしても立ち寄りたかったのが、土門拳記念館でした
この記念館は一人の作家をテーマにした世界でも珍しい写真専門の美術館でもあります
その一人の作家と言うのが、世界的写真家として知られる土門拳氏
酒田市名誉市民第1号となられた時、同氏より全作品約7万点が市に寄贈され、それを受けて個人の写真展示館としては、世界最初の同館が昭和58年(1983年)10月にオープンしたのだそうです
「写真は肉眼を越える。」と言い切る写真家 土門拳
古寺巡礼と題した写真集でフレームいっぱいに仏像の顔を収めた作品は有名ですし
江東のこどもたち 近藤勇と鞍馬天狗などを見ていると、昭和の時代の証言者ともいえるかもしれません
ちなみになんと館内は撮影可能でした
日本のこうした美術館では珍しい配慮ですね
ただし留意点として
・写真作品だけをアップで撮影しない
とありましたので全体を見渡す感じで撮影してきました
ということで、土門拳氏のライフワークであった「古寺巡礼」をはじめ
「室生寺」「ヒロシマ」「筑豊のこどもたち」「文楽」「風貌」などの作品を鑑賞してまいりました
そんななか私の目を引いたのが土門拳氏が愛用したカメラ「NIKON SP」
1964年の東京オリンピック開催に伴って60台報道写真家用に製作・販売された
このNIKON SPを手に入れ、写真の鬼とまで呼ばれるほど撮りまくりました
私自身も以前、三菱自動車のディーラーに長く勤めていたこともあり
愛用のカメラは三菱グループのニコンでした(盗難にあいましたが)
土門拳氏もライカではなく国産のニコン愛用していたのが、なんだか誇らしく感じます
ちなみに私がこの土門拳氏を知るきっかけとなったのが、マンガ「栄光なき天才たちNO.16名取洋之助」森田信吾著でした
マンガの中で主人公の名取洋之助は日本工房を興し、1934年には豪華写真雑誌「NIPPON」を創刊
土門拳を雇う側の人間として描かれていました
そんなわけで師匠と言えば土門拳氏が怒るでしょうが、日本工房名取洋之助との絡みもこの記念館で見たかったような気がします
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