宗像大社辺津宮の境内に位置する神宝館
ユネスコ世界文化遺産で神の島とも呼ばれる沖ノ島で行われた古代祭祀遺跡の発掘調査により出土した、8万点に及ぶ膨大な数の貴重な歴史的資料を収蔵展示しています
そんな神宝館を宗像歴史観光ボランティアの解説で見て回ることに
海の正倉院ともいわれる沖ノ島の出土品は約12万点で、そのうち約8万点が国宝だそうです
神宝館ではそんな国宝の一部をこうしてガラス越しに見ることが出来ます
展示品のトップは朝鮮半島の新羅で作られた「金製指輪」
1500年前の指輪だそうですが、いまでもピカピカです
出土した沖ノ島の模型なども置いてありましたが
玄界灘に浮かぶ沖ノ島は、島の周囲が4kmの小さい孤島
この島で4世紀後半から9世紀頃まで国家的な祭祀が行われてきました
いや今もなお、国家安寧のご祈祷を宗像大社の神職が交代しながら毎日欠かさず行っているそうです
なるほど神の島ですね
多くの神鏡
中国の魏時代の漢式鏡「三角縁三神三獣鏡」をはじめ
「蘷鳳鏡」「鳥文縁方格規矩鏡」「内行八花文鏡」「六獣帯鏡」などすべて国宝
これらが沖ノ島の祭祀遺跡群に何気に並べて置かれていたそうです
最初に見つけた方はさぞびっくりされたでしょうね
「桂甲小札」(国宝)
徒歩戦が主流だった時代の短鎧と違い、桂甲は騎馬の戦闘用に作られたもの
小さな鉄片、小札を上下に革紐で連結しただろうこの形式の鎧は、短甲とは比較にならぬほど制作に手間がかかる鎧なんだそうです
「盾中央鉄板」(国宝)
端っこにリベットが打たれたような跡があるので、「盾に取り付けられていた鉄板」だと考えられています
「鉄剣、鉄刀、鉄地銀張鎺」(国宝)
伊勢神宮に奉納される玉纏御太刀の祖型と言われています
「金銅製歩揺付雲珠」(国宝)
馬具飾りで、先端に花びらのようなものが多数付いていて、馬が歩くとそれがヒラヒラと揺れるんだそうです
「金銅製帯金具」 (鉸具)
「金銅製帯金具」 (帯先金具)
双方国宝
帯を装飾するための飾り金具ですが、金色に輝く玉虫装飾は三国時代新羅の代表的な技法なんだそうです
金銅製のミニチュア織機
「金銅製高機」(国宝)
非常に精巧な造りで、部品はほぼ揃っており、組み立てると実際に織り成すことができるそうです
幡や天蓋を吊り下げる
「金銅製龍頭 一対」(国宝)
唇がべろ〜んとめくれた、龍の頭部を模しています
東魏時代・6世紀
中国唐時代の色彩豊かな鉛釉陶器
「唐三彩長頸瓶片」(国宝)
これは復元すると高さ25cm前後の緑色を基調とした優美な長頸瓶となるそうです
唐三彩の多くが洛陽や西安郊外の貴族層の墓から出土していますが、この唐三彩は遣唐使によって持ち込まれた可能性が高いそうです
「三十六歌仙扁額」
江戸時代に当時の藩主だった黒田光之によって奉納されたもの
本来なら拝殿に掲げられるので表面は傷ついてしまいますが、奉納された直後に本殿奥に保管されたため色あせることなく保管されています
「石造狛犬 一対」(重要文化財)
子獅子を抱く阿形と紐をくわえ手毬を前足でかかえる吽形の二対
中国宋代の作風と伝えられるそうです
「木造狛犬一対」(重要文化財)
1本の楠で作られた狛犬
なんだか筋肉粒々で勇ましいですね
最後になぜかここにある
旗艦「三笠」の羅針儀(羅針儀は、三笠に搭載されていた計器で唯一現存するもの)と「神光照海」という揮毫
東郷平八郎率いる日本連合艦隊が、当時世界最強と呼ばれたロシアのバルチック艦隊を打ち破った「日本海海戦」
くしくも神宿る島・沖ノ島近くの海域である対馬海峡が戦いの舞台となりました
そんなこともありここ神宝館に展示されているのかな
ちなみに神宿る島宗像・沖ノ島は2018年以降、一般人の上陸を全面的に禁止することを決定しています
ただ私の伺った先月ですが、日本海海戦があった歴史的な5月27日
宗像大社では「沖津宮現地大祭」というお祭りが行われたそうで、規制されている沖ノ島ですが、この日に限り、抽選で選ばれた約200名の男性が入島することができたそうです
観光ボランティアの解説で神宝館を見学したあと
ガイドと別れて向かったのが「世界遺産ガイダンス施設、海の道むなかた館」
その名の通り宗像・沖ノ島と関連遺産群のガイダンス施設で、
閉館間際でしたが、シアタールームの大型スクリーンで、遺産群の中核ですが行くことのできない沖ノ島を体感させていただきました
他には地域学芸員の解説で金製指輪のレプリカや
三角縁神獣鏡を実際にふれる体験もさせていただいたりしましたが
ずっしり重いうえ、実はこの神様や獣など刻まれている面は裏側で
表面は磨かれた鏡だという事にはじめて気づかせてくれたりもしました
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