今回ホーチミンでの宿としたのは
フランス植民地時代から営業されている数少ない高級ホテルの「マジェスティックホテルサイゴン」
私の好きな作家である開高健氏や深夜特急で知られる沢木耕太郎氏が宿泊したことで有名なホテルです
下の写真はそんなマジェスティックホテルサイゴンのMバーの前に飾られていた開高健の写真です
ベトナム戦争の従軍取材や釣り紀行で知られる開高健氏は
1958年に「裸の王様」で芥川賞を受賞したのち、小説が書けなくなるといったスランプに悩みます
その際に先輩作家の武田泰淳氏から「ルポを書きなさい、小説の素材やヒントもつかめる」とアドバイスされ
ベトナム戦争時、朝日新聞社臨時特派員として戦時下のベトナムへ赴き、サイゴンのマジェスティック・ホテルを拠点にベトナム共和国軍(南ベトナム軍)に従軍していました
南ベトナム軍に従軍していたこともあり、最後は「九死に一生」を得ての生還
ベトナム戦争の取材の体験をもとにした『 輝ける闇 』を執筆し復活をなしとげます
その後は数々の著書を出版、晩年執筆した釣り紀行は多くのファンを虜にしました
ちなみにわたしもその一人です
そんな開高健氏は酒好きとしても有名、なにせサントリーに勤めていた時はPR誌である『洋酒天国』の編集をしていたくらいです
そして沢木耕太郎氏も「一号線を北上せよ」の中でマジェスティックホテルのMバーをたびたび登場させています
といううことでサイゴン最後(^ ^)の夜は2人の著名な作家が愛した、マジェスティックホテル8階にあるMバーを訪れることに
それにホテルのチェックインの際にいただいたドリンクバウチャーには
「2パーソン」「カクテル」にチェックが入れられています
これは2人で一杯やりなさいとの事と受け止め伺うことに
伺ったのが夕暮れ時のまだ日が沈んだばかりの時間帯ということに加え宿泊客だったこともあり
サイゴン川が真下に臨める割と良い席をあてがってくれました
まぁここで夜景が楽しめる時間まで粘ろうかと思います
前述の沢木耕太郎氏の著書「一号線を北上せよ」は
ホーチミンからハノイまでの1,800Kmをバスを乗り継いで北上する体験記ですが
筆者がマジェスティック・サイゴンに滞在し、このMバーで「ミス・サイゴン」というカクテルを飲むシーンがたびたび登場します
沢木耕太郎氏の深夜特急を何度も何度も読み返している私が、このミス・サイゴンを飲まずに帰るわけにはいきません
それに ミス・サイゴンは、マジェスティックホテルのオリジナルカクテルで、創業当時からあるもの
ライムとリキュールのシンプルなカクテルです
それともう一杯はやはりマジェスティックホテルオリジナルで開高健氏がよく飲んだと言われているコニャックソーダ「ハッピーサイゴン」
2人の愛したカクテルを2種頼むことに
酒の肴にはピーナッツが出てきました
カクテルをだらだらと飲んでいるうちに
夜は暮れ夜景が映える時間となってきました
Mバーにもぽつぽつ客が入り始めました
ちなみにこのバーは「ブリーズ・スカイバー」とも呼ばれています
そよ風の吹くスカイバーということだそうで、この夜も気持ちの良い南国の夜風が吹いています
そう昼は灼熱のホーチミン
こうした風は何よりも贅沢
すぐそばを流れるサイゴン川は真っ暗な闇となり、遠くには高層ビル群が望めます
ホテル真横のサイゴン川沿いの通りトン・ドゥック・タン通りはいかにもアジアを象徴するバイクが行きかっていています
次に頼んだのがモヒートカクテル
ベトナム・ホーチミンで一番高いビル
これはホーチミンの象徴「ビテクスコ・フィナンシャルタワー」51階にあるイオンヘリバーで飲んだモヒートカクテルがミントたっぷりで美味しかったからにほかありません
マジェスティックホテルのモヒートカクテルも同様にミントに加えライムが実ごと入っていて美味しかった
それに我が家の奥さんはミス・サイゴンをお代わりすることに
モヒートカクテルにはミントの他、ライムが実ごと入れられていました
このあたりで小腹が空いてきたので「クラブサンド」を頼みましたが
これが結構な量そのうえたっぷりのポテトフライが添えられています
欧米のお腹を空かせた方が多く訪れるのか、かなりのボリューム
しかもかなり美味しい
ただ案の定、食べきれずスタッフに話してパックに詰めていただき
ホテルの部屋に持ち帰り、部屋の冷蔵庫で冷やしているベトナムビールとともに夜食となりました
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