さて兵庫県の灘五郷の酒蔵巡り2日目
昨日の豪雨とうって変わって晴天、酒蔵巡り日和です
昨日は西宮郷と今津郷を巡ったので、本日は魚崎郷から西に向かって攻めていきたいと思います
ふと酒蔵通りを歩いていると、こんな「灘の酒蔵」と書かれた看板を目にしました
さすがは日本の3大酒処灘五郷と言ったところ
私同様に酒蔵巡りをされる方が多いのでしょうね
当日阪神魚崎駅では30名ほどが何かのツアーなのかトレッキングスタイルで集合していましたが、後程私どもと同じ場所を巡っていることに気づきました
おそらくは酒蔵巡りのツアーだったのでしょうね
我が家がこの日最初向かったのが、江戸時代より360年以上もの伝統と歴史を誇る菊正宗が「酒造りの原点を知ること」をテーマに作られた「菊正宗酒造記念館」です
最初に伺ったのは、御影郷の菊正宗酒造記念館
魚崎郷ではなく御影郷の菊正宗酒造記念館にやって来たわけは、単にここが朝早く9時半からやっていたからでした
順序良く伺うには魚崎郷の浜福鶴や櫻政宗から回るのが効率が良かったのですが、それらの酒蔵は10時開店だったのでまず菊正宗酒造記念館を訪れたというわけです
「本店蔵」の模型に向かい入れられ
まずは「灘の酒造り用具」から見て回ります
その「灘の酒造り用具」展示室は自由見学、早速見て回りますが
ここは酒造用具を通じて、蔵人たちの仕事や生活、伝承の生酛造りが体感できるというもの
国指定の重要有形民俗文化財として唯一の指定を受けています
まずは【会所場】
杜氏を筆頭におよそ20人が寝食を共にした会所場
続いて【洗場】
「蓮桶」と「漬桶」
【窯場】
米を蒸す巨大な釜と甑桶
【麹室】
麹を育てるため外気と遮断した部屋で冬でも高温多湿
蒸したあと冷ました米を麹室の中に入れ、床の上で麹菌(もやし)をかけ麹を育てます
【酛場】
灘の酒蔵の風物詩とも言われた酛摺り
深夜から2時間おきに三度(みたび)櫂(かい)を入れて、冷えた宮水を加えた米、麹をひたすらすり潰す "酛摺り"はいまも菊正宗の酒造りに伝承されているのだとか
酛場では♪~ヤーレ、目出度目出度の~若松様よ~ 枝が栄えて~葉も茂る~♪と「酛摺り唄」がBGMとして流れていました
ちなみになんでこんなことをして酒母を作るかというと、蔵に元々ある乳酸菌を取り込んで乳酸を生成させ、酵母を増殖させて酒母を造るというもの
この乳酸は不要な雑菌を死滅させて酒母を腐敗から守る効果が有りますが、酵母の増殖を促し芳醇な酒に仕上がるといった2重の効果が有ります
こんなバイオテクノロジーの極みと思もわれることを、遥か江戸時代から行われてきたのですね
ここ灘にくるまでは「山廃」が現代の日本酒醸造だと思っていましたが、この「山卸し」たる酛摺りが、本来日本酒醸造の主流だったことがこの旅で学びました
【造蔵】
ここに並んでいるもろみの仕込みに使う木桶は容量31石、5,600リットルもあるのだそうです
現在この木桶樽職人の成り手が少なくなり伝承が難しくなっているらしく、その伝承を伝えるため、菊正宗酒造記念館の近くに「樽酒マイスターファクトリー」がオープンしていらのだそうですが、この時それを知らずに伺うことが出来ませんでした
まぁこれはまた次回の楽しみという事に
【槽場】
熟成した醪を酒袋1枚1枚に詰め、酒槽に重ねて搾るいわゆる「槽搾り」工程
槽の上からテコのようなもので圧を掛けて搾るようですが、何だか危なそう
酒槽の下には「よだれ掛け」と下に埋まった「垂れ甕」が見て取れます
酒を絞る「酒足場」では、醪を入れる「酒袋」
それに「狐桶」「けん台」「三味線」などが展示されていました
【囲場】
搾った酒を桶に入れ、貯蔵・熟成する場
続いて2階にある「イニエスタコーナー」
菊正宗酒造は2019年にサッカー・ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタ(元スペイン代表)とアンバサダー契約を結んでいて、その展示がなされていました
てなわけで法被姿の等身大パネルのイニエスタと記念撮影
そういや外国人観光客の多いカンボジアのシェムリアップを旅している際、日本の食品を扱うスーパーマーケットの日本酒コーナーで白人系の観光客が菊正宗のワンカップを手にしていた際に、私がナイスチョイスと声をかけたことがありました
その時WHYといった顔をしてそのワンカップを指さしたので、その方に菊正宗のCMにイニエスタが出ていたYouTubeをスマホで見せた事がありました
ちなみにその白人、棚にあった菊正宗を買い占めてしまうほど買い物籠につめていました
思えば罪な事をしたのかもしれません
2階の文化財収蔵庫もあり
酒造用具はもちろん、昔の美人画ポスターなど貴重な品々が保管
窓ガラス越しに見ることが出来ました
さて展示物を見たら次は
利き酒&売店コーナー
無料の利き酒ではこの「にごり梅冷酒」が美味かった
さて無料試飲に飽き足らず有料試飲にも手を出します
ちょうど「体験セット」なるものがあり
コインが4枚+ぐいのみ+酒粕ソフトクリームがセットになって1,000円
ついでにパ酒ポート特典で「大吟醸あま酒」もいただくことに
有料試飲は最近はやりの
ファンヴィーノ コイン式ワイン・Sakeサーバー
頂いたのは「純米大吟醸」を筆頭に
「Limted 可惜夜(あたらよ)」「JUNMAI 百黙 Alt.3」
そして驚いたのが写真の琥珀色の日本酒「シェリー樽大吟醸」
樽酒とはまた違った日本酒の進化を見た気がしました
シェリー樽大吟醸を買って帰りたいものの、この日は夕方まで歩き続けることもあり断念
さてここでは手始めに無料・有料試飲併せて7杯いただきましたが、今日はこのあと6軒の酒蔵を巡ります、無事帰れるだろうか?
そうそう酒粕ソフトクリームは外にあった樽酒の展示コーナーでいただきましたが
この日は朝から気温が上昇、美味しく頂きました
次は同じ「正宗」の名の付く「櫻正宗」に向かいます
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