クアラルンプールのセントラルマーケットで見かけた
金属製のスターウォーズ・キャラクターフィギュア
これはマレーシアが世界に誇る伝統工芸品「ピューター」の造形品です
マレーシアの物価からすると、極端に高価なものだったこともあり
そのピューターなるもの、急に興味がわいてきました
ということで、ホテルのクラブラウンジに常駐するコンセルジュ経由で、ピューターの工場を見学させていただくこととなりました
しかもなんとその工場見学料は無料の上、送迎までしてくれるというありがたいものです
伺ったのは創業130年の歴史をもつ「ロイヤルセランゴール社」
その名の通りマレーシア王室ご用達の老舗錫メーカーで、ピューターを製造するメーカーとしては世界最大の規模を誇ります
まずは受付を済ませ、ロイヤルセランゴール ビジターセンターの2階にあるミュージアムを見て回りましたが、これがかなり美術的な価値が高そうな展示物
特に茶器と言うか、私には酒器にしか見えない展示品には圧倒されました
ちなみにピューターは日本にも古くから中国から伝えられていたそうで、奈良の正倉院には錫製の瓶子型容器をはじめ、宝物として納められているのだとか
何故かここにピュター製のワニが鎮座しています
ちなみにその昔、サイズは小さいのですがワニの形をしたお金が流通していたんだそうです
とするとこのワニ、お幾らなのでしょうか?
圧巻は7062個ものビールジョッキを積み上げて作られたペトロナスツインタワー
工場は丸々、見学コースに入れられていますが
なんと現在(2020年1月)約300人の職人が勤務しているのだとか
実際にピューター製品を作るところを間近に見るデモアリア
まずは鋳造から
ピューターの液体を型に入れる作業が実演されていました
簡単そうに見えますが、こ錫の溶解温度は250度
一つ間違えば、やけどくらいでは済みません
轆轤のようなものを使って研磨し整形している様子
削りかすはもちろん集めて再度溶解されます
実演エリアでは限られた職人ひとりひとりが丹念に手での研磨が行われていました
ただ黙々とピューターを削っていました
一つ気になったのがハンマーで叩き模様をつける様子
このハンマーで表面を叩いて槌の跡を残す、槌目の作業なんですが
一つ一つ手作業で跡をつけるので、同じ製品が世界に一つもないといったオリジナリティの溢れる製品となっていました
ゴルフ、F1、テニスなどの競技大会で使われる優勝杯
そういや数年前までここマレーシアでもF1をやっていましたね
ドンペリのボトルカバーにワインクーラー
シャンパン好きにはたまらない製品ですね
そんな工場見学の跡
工場を出てショップに行く途中、ワークショップを見かけました
インストラクターの説明の元
ピューターの作り方を学びます
今回は一枚の円形の錫の板をたたいて盃にしていくというもの
まずは「ロイヤルセランゴール ハードノックス」と書かれたエプロンを渡され記念撮影
刳り貫かれた木製の型を使い、丹念にたたいて成形します
いわゆる「鍛造」工程を体験します
で、15分ほど叩いてできたのがコレ
完成したところで先ほど説明を受けたインストラクターが、完成品を見た後
何故か持って行ってスタッフに見せて回っていました
そしてインストラクターから「うちの会社に働かないか?」と声をかけられることに
まぁ皆さんにそう言っているのか、黙々と作業する職人さんに倣って一生懸命叩いただけに、お世辞でも嬉しいですね
名前も予め刻印してありましたので、まさに世界に一つしかないオリジナルのピューターの完成です
最後に鍛造したピューターと製作過程で使ったエプロンをお土産に貰い
ワークショップを後にします
これで一人 確か65リンギット(日本円で1,750円くらい)と大変コスパに優れた体験でした
続いてロイヤルセランゴール社のピューター製品を販売するショップに伺います
この孔雀?などはまさに芸術品ですね
日本でも「能作」のピューター製品が東京の百貨店で売られ評判になっていますが
ピューター製のビアマグにビールをそそぐと、泡が非常に細かくなって口あたりまろやかに飲めるうえ、ピューター製品は保温、保冷性に優れており、2時間くらいは注いだ時の温度を保つことができるんだそうです
ビールを飲むにはこれ以上ないと言われるジョッキですから
私自身も帰国後はピューターのビヤジョッキが手放せなくなりました
ちなみにこれは非売品で「キリン・ブリューワリー」と台座に刻まれていましたが、他にもハイネケンなどのピューターも有りました
セントラルマーケットで見かけたスターウォーズやマーベルとのコラボ商品もありました
これなどは映画の1シーンを彷彿させます
自宅にも飾っておきたいのですが、何せお高い
そうそうアイアンマンは映画よりもピューター製のほうが原作のイメージに近いかも
ショップでは実演エリアで観たハンマーで叩き模様をつけていた製品を探していましたが、有りました
しかもこれは職人の手作りとあって工場併設ショップ限定品
ということでもちろん我が家の自宅用に購入
今ではクラフトビールや日本酒などを飲む際に愛用しています
コメントする