晩秋の黒部峡谷鉄道トロッコ電車

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立山連峰をはじめ日本の屋根といわれる高い山々に挟まれた黒部峡谷
急峻な峡谷は人を寄せつけない秘境でしたが、降雨量が多く急峻な河川であるため、水力発電に極めて有利な条件を備えており、大正時代から黒部川は電源開発を目的に建設が進められてきました
大正12年(1923)に鉄道の軌道(現在の黒部峡谷鉄道)が敷設され、それ以降人員や資材の運搬に使われています
そんな資材運搬用の鉄道が、人気の観光列車に変身
日本のトロッコ観光のパイオニアとして、黒部峡谷の宇奈月から欅平まで、全長20.1km標高差375mを黒部川沿いに走りますが
九折の坂道を平均時速16キロで走るため片道1時間20分もかかるようです
テツである我が家、これは乗らねばなるまいと思い、中部セントレアから高速道路を駆け
そんなトロッコ電車に乗るため黒部峡谷鉄道宇奈月駅へとやってきました
 

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宇奈月駅から終点の欅平駅まで大人一人3,960円
ここで先ほどホテルにチェックインした際に頂いた共通クーポンが使えました
 

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改札時間まで少し時間があるようなので宇奈月駅2階にある黒部峡谷鉄道にまつわる、展示ブースへ
ここには黒部峡谷鉄道のレールや電話、ライトなどが展示されていたり
黒部川電源開発の歴史や黒部峡谷鉄道のあゆみ、宇奈月温泉の歴史などをパネルや映像で紹介されていました
時間つぶしにはちょうど良い展示物でした
 

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気持ちが高まりついつい早めに改札口に来てしまいましたが、改札は発車10分前とのこと
列車の案内板には私どもが乗る13時32分発欅平行きの案内の下には「工事列車」と表示がありました
 

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黒部峡谷鉄道トロッコ電車自体、前述のように元々は電源開発のための敷設された鉄道であり、写真のように沿線にあるダム・発電所への資材運搬や、関西電力関係者の人員輸送のため運行されているそうです
ただ後からやってきたこの車両には「黒鉄専用」とありましたので、もしかしたら保線専用の電車だったかもしれません
 

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さてそうこうしている間に改札
宇奈月駅構内に入りました
 

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トロッコ電車は電気機関車牽引による客車列車
そうここには電気は豊富にあり、というか売るほどあるんです
 

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客車は夏場であればこのオープンタイプで開放感がある「普通客車」に乗り込んだのでしょうが
 

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そこは11月下旬、午後の乗車で帰ってきたら夜になるという事で
 

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囲いのある「リラックス客車」をプラス530円支払い乗車
 

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乗車したら有磯きときと庵で買った「宇奈月温泉わくわく弁当」(白えびの天むす・ますの俵寿し・ホタルイカ甘露煮・香物・葛餡餅)と、「炙りますの寿し」をちょっと遅い昼食としていただくことに
 

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出発してすぐに見えてきたのが「新山彦橋」
黒部峡谷のシンボルとも呼べる光景
かつてはトロッコ電車の軌道だった橋ですが、いまではそのトロッコ電車の望むスポットになっているようです


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柳橋駅のすぐそばにある新柳河原発電所
中世ヨーロッパの古城をイメージして造られたこの建物は何だか異国情緒が感じられます
というか関西電力さん、ここはこうしたところに金がかけれるそういった場所なんですね
 

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入山者が登山前にこの岩に安全を祈願したと言われている
仏様のような御姿をした自然石「仏石」前を通過
仏石は赤い頭巾と服を纏っていました
 

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続いて「後曳橋」にやってきました
乗車しているとわかりませんが、この架橋から川までの高さは60mあり
あまりの谷の深さに後ろに引き下がったことから後曳と呼ばれているそうです
 

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「水路橋」
猫又から新柳河原発電所まで水を送る為の送水用の橋
黒部川が下を流れているのにやはり水道は別途必要なようです
 

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出し平ダムの看板のカーブのところで、先頭の機関車と牽引されるオープンの普通客車が見えてきました
流石に少し寒そうです
 

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「出し平ダム」は「排砂ゲート」を備えた日本最初のダム
このダムには「逓送さん」と呼ばれる11人の男たちが、このダムに住み込む60人もの職員に6時間もの時間をかけ発電用ダムに毎日歩いて物資を運ぶそうです
 

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それがこの「冬期歩道」
出平駅で見た景色ににコンクリート製のシェルター状のものが見て取れました


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赤い鉄橋が見えてきましたが
これが近代日本では2例しかないフィーレンディール構造の目黒橋
 

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そしてここには黒部第二発電所があります
日本の近代を代表する建築家・山口文象による設計デザインで、自然景観に配慮した設計となっています

 

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やがてたどり着いた猫又駅も関西電力専用
工事関係者の宿舎は冬に備えて、雪囲いがされています
よく見ると2階の窓も板で覆われていますが、よほどの積雪があるのでしょうね
 

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そうそう黒部川には雪も見てとれました
11月下旬という事でしたが、まさか万年雪ではないでしょうし
すでに積雪はあったんですね
 

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そしてやたらとでかい重機が鎮座していますが、いったい何に使われているのでしょうか
 

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「東鐘釣山」
寺院の釣り鐘のような形をした石灰岩の岩山で、高さは759m


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ということでその鐘釣山の名のついた駅
「鐘釣駅」


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ここ鐘釣駅では、発車する前に一旦バックしてから改めて本線に入る「スイッチバック」という運行方法が使われています
テツの本領発揮と言いたいところですが、駅に一度降りると
 


 

冬季は雪に閉ざされる黒部峡谷鉄道
41ものトンネルをくぐり欅平駅に到達するのですが
雪崩の多い場所のトンネルの入り口には、こうした冬期間トンネルを守るための頑丈な扉も見てとれました
 

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欅平駅に到着、ここでトロッコ電車の全体像が撮影できましたが、機関車は2両連結されていました
標高差375mということで重連での運用になるのですね
 

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黒薙駅に着いた頃にはすっかり日も落ちてしまいました
ライトを照らしながら入線するトロッコ列車も風情がありますね
 
 

 

たどり着いた宇奈月駅
着いた時にはもうまわりは真っ暗でした
 

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トロッコを降りた乗客が何か騒いでいるようなので行ってみると
そこにはニホンザルが、駅員たちはいつもの光景と言った顔をしているのでそういうことなのでしょうね
 

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ちなみにこの黒部挙国鉄道
あの台湾の阿里山森林鉄路との姉妹提携を結んでいるそうです
いつになるか分かりませんがそちらの鉄路も乗ってみようと思います

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この記事について

このページは、r-ohtaniが2021年1月19日 05:21に書いた記事です。

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