昨晩、NHK-BSプレミアで放送された「黒部の太陽」を観た
これを観たのは実に三十数年ぶりだと思うが、今でも色あせない感動巨編だった
さて最初に観たのが三十数年前の話だが
そのころは私はまだ小学生だった
何故ゴジラや赤影などの特撮モノではなく、こんな難解な映画を観たのか
それはこの映画は映画館ではなく小学校か何かの体育館で上映されたためだ
たぶん無料だったのだろう、この当時田舎ではこんな感じで小学校の体育館や講堂などでドキメンタリーなどの映画が上映されることがたまにあった
ストーリーは将来における電力不足に対応するためダムを建設するというものなのだが、今考えてみるとこの時代は三種の神器などともてはやされ家電製品が売れに売れた時代
当然それを補う電気も爆発的に使用量が増え電力会社は売り上げが伸びていく
そんな高度成長期のシンボル的な映画だった
確かに黒四ダムはその後の関西の産業や生活を支える重要なインフラになった
工事を進めながら生まれた工法は世界の最先端技術につながっていく
でもなんでこんなところにダムを・・・とも思わずにいられない
今考えるとこれって自然破壊の最たるものなんじゃなかろうか
絶滅に瀕した動植物はなかったのだろうか
ボーリング調査すらまともにやっていない、工事をしながら掘りながら調査し工事を完成させる、そんな話があったくらいだ
ただ当時環境に対する意識も低かったかもしれないが
なによりもそれを思わせない雰囲気があった
しかしもしかしたらそんな雰囲気・世論を作りだしていた人々がいたのかも知れない
だからこそ小学校でのこの大作映画の上映だったのではないだろうか
原発の再稼働問題が叫ばれ、再稼働しなければ電力不足に陥る
そんな危機意識の中、44年の時を経て初めてTVに登場した「黒部の太陽」
DVDどころかビデオにもなってはいない、そんな幻の映画のはずが
この時期いきなりのTV放映
放送されたことに何も思惑が無ければ良いのですが
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