氷上のチェス

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バンクーバーオリンピックも始まって1週間が過ぎた
先週は旅行でペナン・香港、その後は今日も仕事だったこともありオリンピックを生で見た記憶がない
まあ冬季五輪はダイジェストで見るのが一番という人も居るくらいだ
冷めてみられたりもするが、最終的に金メダルの可能性のあるのは女子フィギアスケートの浅田選手ぐらいだろう
確かにダイジェストで十分かもしれない

が、生で試合開始からじっくり見たい日本チームの試合がある
「カーリング女子」です
何故かと言うと解説がすばらしいからです

前回なにげなく見ていたカーリング女子
初めて見る見るスポーツ、見ていてもさっぱり判らないはずだったのだが、そのカーリングを初めて見る方にもわかりやすく
そしてとても丁寧に競技の説明を含め解説してくれたおかげで随分面白く見ることがでた
あとで調べて判ったのだが、的確な解説してくれたのが、日本カーリングの父と謳われる「小林宏さん」だった

ただ単に円の中心にストーンを運ぶのではなく、ストーンを戦略的に配置し、次の相手の攻撃に備える
イギリス生まれなので「氷上のチェス」と言われるようだが、もしかしたら氷上の囲碁のほうが近いかもしれない
2時間半と試合時間は長いのだが、解説の面白さからついつい最後まで見てしまった試合も随分ある
沈着冷静な語り口はまるでNHKの囲碁の解説をTVで見ているようなそんな感じだった

トリノのときにはそのストーンの投擲についてすばらしい解説を聞くことができた
まるで選手に指示しているのではと思えるほど小林さんの解説どおり選手はストーンを投擲していた
ちょっと投げ損ねると「あ~足りない」とか言い出すのだが、見ているほうは何が足りないのかさっぱり判らない
選手もブラシで一生懸命こすっているのでなにか悪かったのか、と思うのが精一杯だった
その後、何投かしてやっとなるほどと思うのである

小林さんの解説で特に良かったのが、その立場を中立とし相手選手を敬う気持ちがひしひしと伝わってきたからだ
トリノでは最後に荒川選手が金メダルをとるまで、一つのメダルもなく
日本人よがんばってくれと思う気持ちに、スポーツは相手があって初めて成り立つゲームであることを知らしめてくれた
当然のように解説者が日本人贔屓の解説をするなか、一人だけスポーツマンシップに則った解説をするそんな方でした
スポーツを観戦するうえで一番大切なことまで解説くださったような気がします

今回の解説も担当しているようです
相反しますが、そんな小林宏さんに日本がカーリングのメダルをとるところ見せてあげて欲しいものです

ヒカルの碁ではありませんが、「神の一手」を見せてください

「がんばれチーム青森」もとい「クリスタルジャパン」

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このページは、r-ohtaniが2010年2月20日 18:33に書いた記事です。

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