一度はエジプトを訪れてみたいと夢見る
・・・・そんな私が、トリノに来て行かないわけがない
「トリノのエジプト博物館」
エジプト・カイロにあるエジプト考古学博物館に次ぐ
世界第二位の規模の古代エジプト美術を収蔵する博物館です
オープンは1824年と世界でもっとも古いエジプトに関する博物館でもあります
でも、なぜここトリノにそんなものがあるの?
ナポレオンのエジプト・シリア戦役の遠征の際に、フランス領事ベルナルディーノ・ドロヴェッティが遠征に従軍しエジプト駐在時に収集した「ドロヴェッティ・コレクション」を当時のサヴォイ王に送ったプライベートコレクションが始まりのようです
「スフィンクスの前のナポレオン」(米カルフォルニア州サン・シメオン、ハートキャッスル蔵)
まずは入り口付近で記念撮影
ナポレオンのエジプト遠征に同行していたベルナルディーノ・ドロヴェッティという方が集めた収集品をサヴォイア公に贈ったのがその始まりだそうです
その後もどんどん酒造品は増え
現在、40,000点あまりを収蔵し、そのうち3,300点を展示していますが
特にミイラは24体が展示
ミイラは最先端の保存技術により現在も維持されているのだとか
お棺に描かれたイラストのような絵画はその人の人生が描かれているのかな
それにしてもこれなんぞは死体そのもの
死体遺棄現場にやってきた気がするのは私だけではないはずです
この小さなミイラは子供のものと思われます
カノプス(壺臓物入れ)もありました
神聖な存在として崇められていた「スカラベ」
日本では「フンコロガシ」と呼ばれている虫の置物です
白く塗られ亜麻布がかけられている木製のベッドが副葬品として納められていたようですが
エジプト近くのサハラ砂漠は古代エジプト王朝が成立する前は森林であったことが知られていて
こうした木製家具も多くみられるのだそうです
どうやって持ってきたのか
「Maiaの礼拝堂」の壁画などもありますし
神聖な「葬送用ステラ」なども多く展示されています
大きな牛や山羊を運ぶシーンが描かれた壁画も見て取れました
でも何だかコマを長く連ねた現代のマンガにも似た形式ですね
ガラスのショーケスに厳重に収められたステラ(石碑)
よく見ると展示物には文字が彫り込まれています
そうエジプトの文明の象徴、象形文字「ヒエログリフ」が見て取れますが
そんなヒエログリフを解読したことで知られる古代エジプト研究者
「ジャン=フランソワ・シャンポリオン」は「メンフィスとテーベヘの道は、トリノを通過している」という言葉を残したのだそうです
古代エジプトの研究者たちにとってこのトリノのエジプト博物館の収蔵物がどれほど重要かわかるような話です
これらの収蔵品の一部は日本にも貸し出され「トリノ・エジプト展」なるイベントが行われたりしましたが
東京都美術館で開催された際にはるばる運ばれてきたのが「イビの石製人型棺の蓋」だったりします
しかも顔は横向きで肩は正面といったエジプト独自の構図
そして収蔵品の壁画などはいかにも「二次元」の図柄
なんだか日本のアニメを見ているような感覚に襲われました
特にエジプト史上最大の帝国を築いた「トトメスⅢ世」の石像は子供のころ見た
アニメの勇者ライデーンを彷彿いたしました
剛力を生かした弓の名手として活躍した
「アメンホップⅡ世」の石像もありました
帰りの列車の都合で30分ほどの滞在でしたが
次回はここトリノに宿泊しじっくりと見たいものです
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