さて世界の航空機メーカーといえば、アメリカの「ボーイング社」をはじめ「マクドネル・ダグラス社」「ロッキード社」とまずはアメリカの航空機メーカーを思い浮かべる方が多いことかと思います
もともとは旅客機のイノベーション・リーダーだったはずのヨーロッパの航空機メーカーはそんなアメリカの台頭に対し危機に瀕していました
その危機感を解消するためヨーロッパ連合EUの内4カ国(フランス・ドイツ・イギリス・スペイン)が手を組み誕生した会社がヨーロッパの航空機製造メーカー「エアバス社」
実はそれを知ったのは、今回そんなエアバス工場見学の為、トゥールーズのエアバス工場を訪れたのですが、そこで話を聞いて初めて知りました
そうここに来るまで私自身エアバスはフランスの企業と思っていたんです
さて今回はそんなエアバスの工場見学の前に隣接するミュージアム「アエロスコピア航空博物館」を訪問します(もっとも2018年8月のお話ですが)
博物館の外にはあのコンコルドが展示されており、遠くからもその特徴ある姿が望めました
鉄骨構造で格納庫をイメージしたアエロスコピア航空博物館
総面積7000㎡といった巨大な展示ホールにはコンコルドをはじめA300Bなどが屋内に展示されていました
その中でも目立っているのが異形の飛行機「スーパーグッピー」
元はNASAがロケットの部品をアメリカ西海岸からフロリダへ輸送するために開発したもので、ベースはボーイング社のB377
手前にあるのは、ミラージュ ⅢC(フランスのダッソー社)
1800機以上が製造された名機で、特徴あるデルタ翼が見て取れました
スーパーグッピーはロケットや航空機のパーツを輸送するために利用されましたが
ここアエロスコピア航空博物館では、その内部の格納庫も見ることが出来ました
ちなみにスーパーグッピーの下には、現在そんな輸送に使われるベルーガの模型
トゥールーズ・ブラニャック空港でも見ることが出来ました
そしてアエロスコピア航空博物館の目玉、世界最速の翼「コンコルド」
超音速旅客機としてイギリスとフランスのメーカーが共同で開発し、1969年3月に初飛行、2003年11月に退役したコンコルドの量産型1号機(製造番号201)がこの博物館に展示されていました
ロールスロイス / スネクマ製 オリンパス593 MK610エンジン
一基当たり75,000馬力を発生させるターボジェット方式のエンジンを4基搭載
巡航飛行マッハ2という飛行速度でパリ~ニューヨーク間を2時間59分で飛行していたのだそうです
しかもこのコンコルド屋内展示の1号機は機内へ入ることが可能
まずはガラス越しにコックピットの見学
ちなみにこのコンコルドの量産型1号機(製造番号201)は
型式証明を取得するための耐久試験などで利用された機体であり、商業フライトには利用されていない機体
計器類は当時の試験飛行機で利用されたものをそのまま展示しています
細長い胴体の為、席は左右2席づつの配列
ここはエコノミーシートでしょうか
ビジネスシートと言うにはちょっと窮屈そうなシートも展示されています
コンコルド内部は動画でも撮影しました
続いてエアバスA300B4
1985年から1991年までパン・アメリカン航空で使われた機材を改装して展示されています
こちらのA300も内部が見学可能でコックピットを覗くことが出来ます
コンコルドと比較すると、随分とデジタル化されているのが分かりますね
エコノミークラスのシートは2・4・2の配列
ビジネスクラスのシートはこちら
ちょっと懐かしい感のあるトイレルーム
そして後方はエアバス社の旅客機の将来予想を形にしたもの
これはダイニングでしょうか
そう現在のA380の試作的な意味合いが見て取れました
そんなテーブルの上には寿司の食品サンプルが見て取れますが、これは「メルキュールホテル東京銀座の寿司」の模型なんだそうです
機体後方にはキッチンもありました
キッチンの隣はシャワールーム
しかもシャワーはレインシャワー
下手なビジネスホテルより快適だそうです
ベッドルームは現代のA380のファーストクラスを彷彿させます
エアバスA300Bも機内を動画で撮影してきました
エアバスA300B4へ続く通路からは
F-104G スターファイター(アメリカのロッキード社)が見て取れました
日本の航空自衛隊でも使われた戦闘機で
あの故・ロック岩崎氏がこのF-104で米軍のF-15に勝利した逸話が残っています
もう一つ同じ通路からは複数の航空機が・・・
手前にある翼を畳んだ戦闘機は
ヴォートF-8クルセイダー
その名にもなった「十字軍の兵士」の名を持つ戦闘機です
両翼を畳んだ状態で展示がなされていますが
マンガ「エリア88」の物語序盤に登場したボリスの搭乗機で、そういや劇中、飛行中に翼を折り畳んで敵の罠(通称:砂漠の牙)を突破するシーンがありましたね
F-8クルセイダーの隣にはターボジェットエンジン
プラット・アンド・ホイットニー製JT3Cも展示されていました
さてここアエロスコピア航空博物館に展示しているのは戦闘機ばかりではありません
民間ビジネスジェット機「ファルコン 10」も見ることが出来ました
一般市民へ普及した最初のビジネスジェット
モラーヌ・ソルニエ MS.760 パリ
ガスタービンエンジンを搭載した最初の量産ヘリコプター
「SE.3130 アルエットII」
あの特撮もの「ウルトラQ」にも登場しているそうです
そしてまた戦闘機
そう航空機の歴史は戦争抜きでは語れないようです
メッサーシュミット Bf-109 G-2
第二次世界大戦におけるドイツ空軍の主力戦闘機で、33,000機が生産されたんだそうです
最後にミグ15
「ミグ」の名を世に知らしめた戦闘機ですが、何だかアメリカのノースアメリカン社が開発しF-86 セイバーにそっくり
まぁこの時代の情報戦はすさまじかったようです
スタイルどころかイギリスのロールスロイス社のエンジンを(無許可で)コピーしたRD45ジェットエンジンも相まって、大量生産に成功したのだそうです
この戦闘機は朝鮮戦争時に使用され「ミグショック」を引き起こしたんだとか
こんな感じで1時間余りアエロスコピア航空博物館の屋内展示を堪能いたしました
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