ミラノの象徴「ドゥオーモ」を見上げてきた後は地下鉄に乗りカドルナ駅までやってきました
目的地までの道すがら、道行くミラネーゼ達がみんなジェラートをなめながら歩いていますが、そうイタリアといえばジェラート
どこで買っているのか見渡してみると、ありました「ジェラートの店 CHOCOLAT」
その名の通りチョーコレートのお店のようですが、皆さんチョコレートをベースにしたジェラートを頼んでいます
この後、予約した時間まで少し時間もあることなのでここで一休み
シンプルなジェラートをほおばりつつ向かいます
ところで今回の目的地はここ
「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」
手前がドメニコ派の修道院、奥がレンガ造りの教会となっており
あのレオナルド・ダビンチが描いた名画「最後の晩餐」がある教会です
先般、NHKドキュメントの世界ふれあい街歩き「進化する古都 ミラノ~イタリア~」というテレビ番組を見ていた時のこと、番組の中でこの教会の近くにある文房具屋さんと話していた時にオバマ元大統領がSPとともに現れ見学して行かれた様子が放送されました
番組でも触れられていましたが、ここはそんな著名な方が多く訪れる教会のようです
ただしこの最後の晩餐、パッと来て観れるほど甘くは有りません
予約が必要ですが、来場者を極端に絞っているためその予約が大変でした
我が家では2ヶ月ほど前に日本から公式サイトvivaticketにて予約をしておかねばならないほどだったんです
しかもこの教会には余裕を見て予約時間の30分前には教会にやってきました
というのも15分前にチケットを引き換えないと来場できません、話に聞くところでは容赦なく帰らされまうそうです
ということで教会の隣にあるチケットセンターで印刷して持参してきたバウチャーを提示、チケットに交換してもらいます
あとは予約した時間までパンフレットの解説を読みながら待つことに
さてこんなにも苦労させられるのにはわけがあります
というのもこのサンタ・マリア・デッリ・グラッツェ教会付属の食堂の壁画である
「最後の晩餐」食堂に描かれたことで湿度の影響を受けたり、ナポレオンの時代馬小屋として使われていたり、洪水に見舞われたうえ、止めは第二次世界大戦中にミラノ空爆により修道院の屋根が半壊この偉大な絵画は3年にもわたり露天にさらさせたりと散々な環境に置かれたようです
ということで「最後の晩餐」は現在、保護のために厳重な管理下に置かれ複数の扉によって外気との接触を減らし、観光も人数制限などして保存活動がなされています
そんなわけで見学は完全予約制、約25人を1グループとし、15分交代で見学という時間制による少数での鑑賞に限られることになったようです
いよいよ予約した時間が来て、修道院側から入場スタッフに案内され教会の脇の通路に設けられた3枚ほどのガラスのドアを順に開閉を繰り返しながら入場です
これは前述のとおり外からの風雨を避ける工夫なのでしょう
さてこれがレオナルド・ダビンチが描き
修復家のピニン・ブランビッラが20年もの年月をかけ修復した「最後の晩餐」
縦420センチメートル・横910センチメートルといった大作
文化遺産としてユネスコの世界遺産に登録されています
キリストの愛と使徒の裏切りを伝える壁画
キリストが名探偵コナンばりに「犯人(裏切者)はこの中にいる」と言うのがこの壁画のテーマなのでしょう
「ユダ」はどいつだというのが、一番の興味でしょう
壁画の下にはキリストと十二使徒を示す説明書きがありました
とはいえ私の興味はその名の通り最後の晩餐とするとキリストが食べた最後の晩飯
いったい何を食べたかということに凝縮されます
ということでテーブルに目を凝らすと
ほどんどが何も盛られていない皿、そしてテーブルクロスの上にあるのはパン
しかもイーストで丸々と発酵し膨らませた感のあるパンでした
キリスト教の教え「聖餐論」でパンはキリストの肉体であると認識されていることもあり、日曜日の礼拝時にはパンとワインが配られるという習慣があり、カトリックでは無発酵、東方正教会では発酵パンと言われていますので、このパンはきっと無発酵パンと思っていましたが違ったようです
もう一つがワイン、キリストは杯をとり「これがわたしの血である」といって弟子たちに与えたそうですが、この絵にはキリスト+十二使徒分、つまりは13個「杯(グラス)」があるはずですがいくら探しても12個しか見当たりませんでした
ちなみにイエスの父(ヨセフ)が大工だったので、その跡継ぎだったキリストの杯は大工らしく木製だと私自身思っていましたが、机にあるのはガラスのグラス、残念ながらこれもちがったようでした
さて料理ですが、目を凝らしてみても判別付きません
羊か何かだろうとは想像していましたが、なにやら皿の上にあるのは魚料理なんだそうです
果物らしきものも見ることが出来ました
と・・・こんな感じで最後の晩餐しっかりと目を凝らしてみてまいりました
最後に記念撮影こんなことが出来るのも二十数名の少人数の時間制というのが幸いしたようです
さてこのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の食堂には
もう一枚、最後の晩餐の反対側に大作がありました
それが「十字架上のキリスト」ジョヴァンニ・ドナト・モントルファーノ作
こちらの絵はかなり鮮明で、キリストの磔もサンゴの晩餐に劣らないなかなか感動の壁画でした
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