立錐の余地もない「雨降る夜の九份」

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台北市内観光ツアーから離れ、そこからはいつものように自由行動
公共の交通機関を使った旅へと変更となります
目指すはジブリアニメ『千と千尋の神隠し』のモデル?と言うのが謳い文句の観光地「九份」
ちなみにジブリ曰く、千と千尋の神隠しのモデルは新橋烏森口や有楽町ガード下の歓楽街を想起しながら不思議の町の飲食街を造形したそうで、しかも夜になった街は昔の赤線地帯のイメージ、別段台湾の九份がモデルというわけではないようです
かつて殷賑を極めた金鉱山の集落跡が映画「悲情城市」のロケ地になり、九份はこの作品の成功によって台湾でも屈指の観光名所となりましたが、さすがに28年前の映画ともなると知る人も減り、次にターゲットとしたのが「千と千尋の神隠し」というのもわからないわけではありませんが
 

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さて故宮博物院からはバスとMRTを利用し、まずは台北駅へ
そこからは台鉄鉄道(TRA)を使って瑞芳駅にやってきました
すべて台北悠悠カードで乗車できるのが嬉しい
とは言えここからが大変、タクシーで行けば一律205元の定額制と安心ですが、そこは公共交通機関の旅を常とする我が家、ここは何としてもバスで行きたいと思っていました
前回来たときは時間の余裕もなくしかたなくタクシーで伺いましたが、今回は2回目
今度こそバスで行こうとWebで九份舊道口へ向かうバスのバス停を探し、向かいましたがなかなか特定できません
それもそのはず、ようやく見つけたバス停は瑞芳駅のすぐ近くにあるのではなく、10分近歩いたところにあったからでした
 

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バスはセブンイレブンの脇(舊道口)が老街への入り口近くに停留所があり
そこから先にある老街は千と千尋の神隠しでなくとも、まるで異界へ向かうような錯覚にとらわれます
 

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ところでこの日は雨
九份老街は店の軒にあるオーニングがアーケードのようにはなっていますが、ところどころでそれも切れ笠をささねばならないほどの雨あしでした
それでなくとも立錐の余地もないほど混雑しているうえ、傘をさしている方も多くなかなか前へ進みません
もっとも目的の店もあるわけでもないので、周りを眺めつつのんびり進むことに
 

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そんな老街ですが、歩いているとあちらこちらから美味しそうな匂いが漂ってきます
まず九分の舊道口から歩いてすぐにあったのが、そんな匂いの源で湯気の立ち込めたお店「魚丸伯仔」
ここでは九份名物の一つ魚丸湯(魚のすりみ団子のスープ)を食べるお客さんでごった返していました
 

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そうそう九份のスイーツ「芋圓」(タロ芋やサツマイモを使った団子)の名店
「頼阿婆芋圓」もありました
けれど私が一番気になったのが「山猪肉香腸」
焼きソーセージのお店ですが、台北のあちらこちらで見かけた屋台
1本食べたいかったのですが、結局台湾にいる間、口にすることは有りませんでした
この山猪肉香腸、次回渡台する際のお楽しみといたします
 

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「金枝紅糟肉圓」の屋台も見かけました
もちもちの皮に肉餡を包んだもので特に肉餡に紅麹を加えた「紅糟肉圓」がここ九份の名物なんだそうです
それに何かの天ぷらを売っている屋台もありますが「美乃滋」とあるのはマヨネーズ
天ぷらのマヨネーズ掛けって何だか美味しそうですね
ただこの後、基隆に行って夜市で晩飯と考えていたのでここは我慢我慢
 

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「玄明田食堂」のような中華の名店は閑古鳥が鳴いていましたが、「香菇鮮肉丸」「福州丸」など温かな小吃のお店は人だかりが出来ております
この日の夜は雨模様と言うことで温かな料理が人気のようでした
 

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そうそう舊道口からすぐのところで珍しい屋台を見かけました
それが水出しアイスコーヒーのお店
あまりにも老街を回り始めた最初に有った店でなんとなく頼み損ねてしまいました
 

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でもせっかくなので一軒くらい試してみようと伺ったのが
『天下第一杏鮑菇』
前回6年前に来た時も同じ場所で同じものを売っていました
こうした屋台も長く続けている店もあるんですね
 

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お目当ては店名にもなっている「杏鮑菇」
士林夜市でも人気でどこの杏鮑菇の屋台も大勢の客が列をなすほどでした
さてこの杏鮑菇
何度ひっくり返しつつタレを塗りながらこんがり焼きます
焼けたところでハサミで一口大に切って容器に入れてくれました
串をつけてくれたのでこの老街を散策しつつ食べ歩くことに
ちなみにこの「杏鮑菇」
炭火でエリンギを焼きタレをかけるだけなので、キャンプの際やってみようと考えています


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さて美味しい小吃を食べたらどうしても飲みたくなるのがビール
いつもならコンビニで買って飲むのですが、ここ九份の老街の中にコンビニは有りません
けれど良い店を見つけました
それが「山海観」
店先の看板に「新鮮生啤酒 BEER」の文字が
アジアでビールといえば、瓶ビールや缶ビールをさし
サーバーで入れてくれるジョッキの生ビールに出会えることはまれなので
ここは飲まずに帰るわけにはいきません
 

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いかにもバーぽく店先にグラスが吊るされていますが
よく見ると日本でよく見るビールサーバーがここにありました
おそらくは「ホシザキ製」でしょう
古い古いマイサーバーをもう20年以上補修しながら管理しているのでよくわかります
 

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ということで生啤酒 NT150をいただくことに
これが冷えているうえ鮮度がいいのか美味かった
たっぷりと注がれているのもうれしい
 

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このお店「山海観」もそうでしたが、このあたりには民宿を営んでいるところも多いのですが、道が入り組んでおりかなり奥まで迷い込んでしまいました
まさに千と千尋の神隠しを体感
老街の終わりのたどり着き一安心といったところでした
といいつつ次回はここの民宿に一泊
朝・夕の景色を堪能したいものですね
 

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さてこのあとはバスで瑞芳駅に舞い戻りそこから台湾鉄道を乗り継ぎ基隆をめざすつもりでした
まずはバスで最寄り駅の瑞芳駅へ向かおうとしたところ、やってきたバスがなんと目的地である「基隆」行
便数の少ないバスでしたが、ちょうどバスを待っていたら運よくやってきました
 

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ということでラッキーなことに九份から基隆まで三十数分で到着

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この記事について

このページは、r-ohtaniが2017年12月20日 06:21に書いた記事です。

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