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盗品博物館その極み「大英博物館」エルギン・マーブルズへ

盗品美術館として名高い大英博物館
当然のように文化財の返還要求が起きています
特出すべきは「エルギン・マーブルズ」と呼ばれるギリシャ・アテネのパルテノン神殿を飾った大理石の彫刻品
「エルギン・マーブルズ」の名の由来は
エルギン卿トーマス・ブルースという英国の貴族からとられたものですが、この貴族がとんでもないことをしてしまったことにこの問題の発端があります
 

7thEarlOfElgin2.jpg
(ウイキペデイアより拝借)
 

ギリシャをもその支配地にしていたオスマン・トルコ帝国駐在英国大使に命じられたエルギン卿
結婚祝いにギリシャ風大邸宅を建てると新婦に約束してしまったこともあり
イスタンブール滞在中に、古代ギリシアのパルテノン神殿の調査との名目で紀元前5世紀の古代ギリシャ芸術魂の真髄が集約されたパルテノン神殿の壁面と天井を飾った大理石彫刻を駐在英国大使という立場と賄賂を利用し、次々とパルテノン神殿から引っぺがし英国に搬出してしまいます
10年間にわたり英国に搬出した大理石彫刻は何と253点
しかも運搬し易くするため切断さえためらいませんでした
結局ギリシャ風大邸宅を約束した新婦には逃げられ、しかたなく英国政府に安値で売り渡すという悪事三昧をやってしまったというわけです
もっともそのおかげでその後2世紀を経た現在、エルギン卿の名前は大英博物館が誇る最も大切なコレクションの一つとして残ることとなりました
 
そんなエルギン・マーブルズを鑑賞しにパルテノン・ギャラリーへ

まずは裸のアフロディテ(ビーナス)の大理石像
たくさんの方がここで写真を撮っていられました
もっともこれもレプリカらしいのですが
 

lindon160.JPG
 

レプリカといっても芸術性は失われていませんし
なんといっても色っぽいですよね
 

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ギリシア神話に登場する海に棲む女神「ネーレーイス」の像が建つ神殿を模したもの
 
 
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出土したネーレーイスの像も展示されていました


lindon162.JPG
 

こうしたギリシア神殿の白の大理石像は白い物と思いがちですが、実は大衆受けするために磨かれてしまい白くしてしまったものなのだとか
もともとはカラフルな色彩を放っていたらしいのです
いや~やってくれますね
 

london164.JPG
 

現在ギリシャにあるものの半数はレプリカで、その残りが、ここ大英博物館に展示されているのだそうです
ちなみに17世紀オスマン帝国の弾薬庫として使われていたパルテノン神殿
ベニスの軍隊がアクロポリスを包囲し、砲撃したうちの一発が弾薬庫に命中、この時からパルテノン神殿は廃墟と化します
たとえそのままこうした大理石像などが残っていたとしても、多くが失われてしまったであろうことは容易に想像できます
現在もこうしたギリシャの至宝を見ることが出来るのはエルギン卿のおかげと言えなくもありませんが、いや~難しいところですね

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2016年7月 4日 07:29に投稿されたエントリーのページです。

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