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世界一の盗品博物館「大英博物館」まずはエジプトエリアへ

今から40年ほど前、私がまだ中学生だったころ世界史の授業で習ったものに『世界四大文明』なるものがあります
「エジプト文明」「メソポタミア文明」「インダス文明」「黄河文明」
この4つが世界の文明の黎明であると学校では世界史の授業で教えています
でもその4つ以外にも「マヤ文明」「インカ文明」「アステカ文明」など大きな文明があったのだと容易に想像させる歴史的遺産の数々が存在するのも事実です
ところでその世界四大文明というのは、日本に亡命していた中国人の政治家で歴史学者の梁啓超の説だということはご存じでしょうか
清朝末期イギリスの植民地だった中国で「黄河文明」というエジプトやメソポタミアなど欧米の文化の源となった文明と同等の古い文明が中国にもあったのだと見栄を張りたくて
『二十世紀太平洋歌』により唱えられたものです
現在では世界には少なくとも20以上の大きな文明があったことは周知の事実で、世界四大文明などと言うものはとっくの昔に世界の歴史学会で、完膚なきまでに否定されきっている説だったりするんです
それがなぜか日本の世界史の教科書には「世界四大文明」として今もなお、学生はそれを信じて疑わずに勉強しているという理不尽な世界があります(しかもこれ試験によく出るらしい)
 


 

また前置きから長くなってしまいましたが、幾多もある古代の文明の中でも突出しているのはなんといってもエジプト文明
そんなエジプト文明の歴史的遺産である古美術品を一目見たくて、世界一の盗品博物館「大英博物館」へとやってきました
ロンドンにある大英博物館にはエジプト、アッシリア、ギリシア、ローマ帝国、英国、東洋およびアジアなど古今東西の美術品や書籍などが約800万点が収蔵されていますが、その中にはエジプトや旧植民地などから略奪したものが、多々含まれていることからイギリス人自ら「盗品博物館」と自虐的な呼び名を付けていたりもします
盗品だろうがなんだろうが、歴史教科書に載っているような古美術品も多数展示されておりますが
そんな中でもエジプトに纏わる古美術品の展示物は本家エジプトを凌ぐほど
ロンドンに来たのならここは訪れねばならぬとばかりに朝早くにやって来ました
 

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この大英博物館に入場料の制度はありませんが、募金箱に£5の寄付金を入れ入館いたします
そこには2000年の大改築の際に新たに作られたグレートコートが広がっていました
ここで音声ガイドをレンタルし開館をまちます
 

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開館とともに飛び込んだのは
もちろんエジプト関係のエリア
『エジプト古代彫刻ギャラリー』(1階展示室4)
大英博物館の目玉である「ロゼッタストーン」や、「ラムゼス二世の像」はじめ迫力のエジプト古代彫刻が並ぶエリアです
朝一で入館し最初に訪れたのですが、さすがにロゼッタストーンはこの混雑ぶりでした
 

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けれど皆さんマナーが良いのか、見たらすぐに次々後ろの方に場所を譲ってくれます
このロゼッタストーンは1799年、ナポレオン・ボナパルトによるエジプト遠征の際にエジプトのロゼッタで発見された石碑で、エジプト語の神聖文字(ヒエログリフ)と民衆文字(デモティック)、そしてギリシャ文字で同様の内容が書かれています
もともとはフランスにあったようですが、ナポレオン軍の敗北によりイギリスに引き渡されたそうです
 

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このエジプトエリアで一番目を引くのは
「ラムセス2世の胸像」
さ2.67m、重さ7.25tととんでもない大きさ
よくぞまあここエジプトにあるテーベの神殿からイギリスまで運んだものだと驚愕しきりです
胸像に空いている右胸の穴はそのときあけられたものだそうです
まぁやってくれますね、当時イギリスの人たちはこの歴史的な古美術品をなんだと思っていたのでしょうね
 

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展示物はむき出しのまま置かれているものが多いのですが
こうしてショーケースに収められているものもあります
それだけ美術品としての価値が高いということなんでしょう
そんな一つがこの黒猫
恭しく展示されています
『太陽神ラーの娘 バテスト神の化身』
初めは牝ライオンの姿をしていたそうですが、後に猫の姿になったそうです
 

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ちなみに大英博物館の土産売り場にはこんなかわいい
エジプト バステト 神 ぬいぐるみがあるそうです
エジプトに思いを馳せるぬいぐるみってそう無いですからね
いや~買ってくれば良かった
 

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(USアマゾンより拝借)
 

翼を持った人頭のライオン
アッシリアにあったノースウェスト宮殿の入り口を守った守護神


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大小合わせて、よくぞまあ持ってきたとしか言いようがありませんね
さて次はギリシャ、ローマエリア
盗品博物館の話はまだまだ続きます

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2016年7月 1日 18:23に投稿されたエントリーのページです。

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