滝川駅を横に貫くアーケード街ベルロード(鈴蘭通)どちらかというとシャッター通り商店街といった感のある寂しい通りです
そんな通りに「鮨おくの」はありますが、そんな商店街にあってあまりにも異質な感じがする
店先の真っ白なのれんが目印のお店です
カウンター席とテーブル席からなるこの「鮨おくの」
そこそこのスペースはありますが、席の数は満席となっても12人(14人かも)が限度
ご主人が一人で握っているところから見るとそのくらいが限界なのでしょう
今回はカウンターでいただきますが、椅子やテーブルは飛騨家具〈柏木工〉のもの
こちらもなかなか居心地良さそうです
鮨おくのは、江戸前ならぬ“いいとこ取りの蝦夷前”と称する独自のスタイル
お寿司に供される漆塗りの皿は暮らしの中にある「呑む、ひととき」のための器というコンセプトで弟子屈に工房のある「器とその周辺山椒」のもの
そういや「磁器」全般をチャイナ(China)と表記 するように、日本の「漆器」を海外ではJAPANと呼ばれることが多い、まさに和食にはピッタリの器と言えるですね
取り扱いに難があるのか、あまり見かけませんがやはり良いものはいいですね
そんなこだわりのご主人の鮪の握り、ネタには細かく包丁を入れるといった繊細な仕事の逸品
刷毛(はけ)で「煮切り」をひと塗りしたものが出されていました
ネタには細かく包丁を入れるといった繊細な仕事の逸品で刷毛(はけ)で「煮切り」をひと塗りしたものが出されていました
むらさきをつけない握りは久々です
こうした仕事をする店は以前、小樽勤務時代に「すし処中善」さん
そして銀座の隠家「銀座 鮨一」で美味しい江戸前鮨を食べたことが有りますが、久々の仕事にテンションも高まってきます
添えられたガリも江戸の前の甘さが抑え目で生美らしい辛味の効いたガリでした
この辺りは蝦夷前(江戸前)の寿司を出すといったプライドが感じられますが、シャリは江戸前のそれではなく、地元の方になじみのある少し甘めに味つけられたシャリでした
まず飲み物を聞かれ頼んだのは生ビール
なんとハートランドビールが出てきました
これがここ滝川に来て初めて味わうアサヒビール以外の生ビールだったりします
突き出しは茶わん蒸しが」出てきましたが、これが絶品でした
というのも茶わん蒸しの中には穴子の稚魚「のれそれ」が入れられていました
のれそれは早春の南国を代表する海の幸
いまだ厳冬の滝川ですが、たまに感じる春の気配をこののれそれに感じました
続いて出てきた酒肴は「生牡蠣と生のたち」
わさびを添えていただきます
と、この辺でビールから日本酒に移行することに
日本酒のメニュをみても知らないお酒ばかり
これは日本酒はご主人のチョイスらしく、お勧めを頼むことにします
ちなみにメニューには
純米が
「乾坤一」(宮城)
「福祝」(千葉) 米砥ぎ八割との事ですが、雑味が絶妙の純米酒でした
「よ(酒ヘンに与)右衛門 備前雄町(岩手)
「旭菊 大地」(福岡)
「貴」(山口)
「七本槍」(滋賀)
山廃純米
「天隠」(島根)
特別純米
「天遊琳」(三重)
と並んでいますが、まず純米の「乾坤一」からいただきます
ラベルの貼られた瓶をこうして並べてくれていました
(よ右衛門 備前雄町以外は)
といってなんだかんだいってメニューの日本酒、8種は2人ですべていただいてしまいましたが・・・・
酒肴はまだまだ続きます
焼き物「鰆」
合鴨のロースト
そう滝川といえば合鴨を思い浮かべる方も多いでしょうが
これらは滝川新生園といった障がい者の就労訓練の一環として、あいがも肥育・生産を行なわれていることでも知られています
そんな合鴨には柑橘系の果物「金柑」が添えられていました
ヤリイカにもは御覧のようなしっかりとした仕事がなされていました
石鯛の握りは初めていただきましたが、これが美味い
檜らしきネタ箱から出されたものは分厚かった帆立もこうしてしっかり仕事されています
「鰊の握」
以前勤務した小樽を思い浮かべてしまいました
卵焼きというよりはもうこれはカステラと言ったほうがよい逸品で締め
と思いましたが、日本酒も残っていたので、もう一品頼みます
それが「甘海老の握り」
昆布締めにした海老2尾丸めて中には海老の味噌の醬油漬けらしきものが載せられました
ここ鮨おくのに伺ったのは、プレミアム・フライデーなる金曜日
まあ8時に予約して伺ったので、まったくプレミアム・フライデーじゃないんですけど
お寿司はまさしく「プレミアム」お酒もそんなお寿司によく合いました
美味しいお寿司と日本酒が飲みたくなったらまた伺いたいと思います