代表銘柄「豊能梅」を醸す酒蔵
香南市赤岡町にある高木酒造酒蔵へやってきました
さてイワシの稚魚どろめ(しらす)や塩が特産物の香南市赤岡町
酒豪が競う大杯飲みが名物の奇祭「どろめ祭り」が有名で
「ぐぅーっと、ぐぅーっと」太平洋を背にした土佐の海辺のステージで、漆塗りの大杯いっぱいの地酒を一気に飲み干す「酒飲み」をTVなどで見られた方も多いのではないでしょうか
そのメインイベント「大杯飲み干し大会」では、今回お邪魔した赤岡町高木酒造の代表銘柄の「豊能梅」の普通酒「楽鶯」が酌み交わされています
明治17年創業、130年以上の歴史を誇る
そんな高木酒造の酒造りをこの目で見ようと
酒蔵見学を予め申し込んで有りました
高知県には『返杯』という自分がお酒を飲んだ杯を相手に渡す時に酒をつぎ、相手が飲んだらまた返してもらい酒をついでもらうという文化がありますが、外食における飲酒代では全国平均18,700円に対してここ高知県・高知市は倍の36,065円とぶっちぎりの1位の座を誇る飲兵衛の県だったりします
そんなわけで高知県には酒豪が多いのか、高木酒造の倉庫の前には一升瓶のケースがずらり並んでいました
さてそんな高木酒造の酒蔵見学、酒造りの休憩期間でもあるうえ、この日は土曜日という事で蔵は休んでいましたが、予め予約していたこともあり六代目新杜氏の案内で親切に見学させてくれました
まずは「蒸米」の工程
お米を蒸す大きな窯というか甑
年代物の甑が今も健在です
向かいには大型のせいろも見て取れます
蒸した酒米を冷やすコンベア
こちらもかなり年季が入っています
タンクが並ぶ蔵
貯蔵タンクは琺瑯製
こちらも年季がはいっており
蔵の歴史を感じました
原酒を絞る酒槽は無論「YABUTA」
ただこれも年代物だそうで
使えない配管も有るようですが
それもまたここ高木酒造の味として酒が絞られるようです
酒蔵の説明を聞いた後は
事務所に戻って高木酒造で醸される日本酒を試飲
純米大吟醸 龍奏と純米吟醸 豊能梅などを試飲
聞くところによると今年は新型コロナ感染を恐れ飲食店での飲食が減ったことから
そうした飲食店へ酒を卸すことが減り、日本酒の消費も減っているのだとか
お陰で日本酒の生産量も減り、結果酒米の消費も減ってしまいかなり余り気味となっているとの事
そんな酒米の供給過剰に危機感を持った高知の酒蔵では高知の酒米「吟の夢」(高知県産のヒノヒカリと山田錦を混ぜたものだそうで高知県の酒造好適米で純米大吟醸 龍奏もこの吟の夢で醸されています)をこうして販売しているとの事でした
ちなみに試飲で気になったのが
これは今回酒蔵を案内してくれた六代目考案の酒で、純米大吟醸 龍奏、純米吟醸 吟の夢仕込み等の責め(セメ)をブレンドして造られた酒「純米酒セメブレンド」でした
事務所には「豊能梅」をはじめとした高木酒造のラインナップがずらり
先ほど紹介した高知の酒米「吟の夢」や徳利も並んでいましたが
ここにも有りました「國酒」の色紙
内閣総理大臣 安部晋三の名が見られますが、その「國酒」って何?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それはこのblogでもたびたび紹介される「國酒プロジェクト」に基づくもの
発端は30年前、大平内閣のとき、日中国交回復の晩餐会にてホスト国である中国が自国の酒「白酒(パイチュウ)」でカンペーし日本を歓待した。これを受けた当時の大平首相は、日本には伝統の酒である日本酒や焼酎があるのに、我が国での外交晩餐会はフランス料理にワインなどで乾杯をしている。これはいけないと思い立ち、日本酒・焼酎を「國酒」と命名し、乾杯の際に使用することを提案
それが國酒プロジェクトとしてこうした選ばれた一部の酒蔵に内閣総理大臣の色紙がならばれるといったもの
そうこの高木酒造もまた國酒プロジェクトに選ばれた酒蔵と言うことですね
と言う事で
純米大吟醸 龍奏と気になっていた純米酒セメブレンドといった國酒を2本購入
暑かった土佐を思い出し、正月にでも呑もうかと思います