今から十数年前、マレーシアにある会社が、どうせ建てるなら世界一高い自社ビルを建てようと目論んだそうです
しかもその会社が油を売って儲けたお金は膨大なようで、ビルは1本ではなく2本(塔)セットのツインタワーで
親日家の多いマレーシア、しかもその親分たるマハティール首相(当時)は過去日本に70回も来日、そのうえ息子や娘を日本の大学に留学させるほどの熱烈な親日家です
このビルを建てられるのは日本のゼネコンしかないとばかりに日本の「ハザマ」にその矛先が向いたのは当然の成り行きです
ところがそこへ何故か韓国のサムスン物産建設部門が割り込み、二塔もあるなら、そのうちの一塔は我々にを建てさせろということになり、別々の国の別々の業者が二塔の一塔づつ受け持つという前代未聞の発注となりました
(そのころの韓国では建設間もない三豊百貨店が倒壊したり、聖水大橋の中央部分が崩壊したりと手抜き工事が問題となっていた時期と重なっていましたので、よく受注できたものだといまでも不思議でなりません)
ちなみに最近のスポーツの中継を見ればわかるとおり、韓国はなぜか日本を強く意識しています
二塔のうち一塔を韓国の建設会社が建て、もう一塔は日本の建設会社が建てるとなるとライバル心を煽るようです
いまでは違うでしょうが高層建築の経験の少なかったサムソン側は工事の着工を1か月も遅らせてしまいました
ところが韓国の日本に負けてなるものかと、執念を燃やすとともにケンチャナヨ精神いかんともなく発揮し超急ピッチでビルの建築は進み、なんと「世界のハザマ」を凌駕し1週間も早く完成させてしまいました
もっともこんな話を日本の建築技術をよく知るマレーシアの人々がよく思うわけがありません
どこか手抜きされているのではと考える人の方が大多数だったようです
そのサムスンの建てたタワー2、実際にわずかではありますが傾いているようでマレーシアの建築の専門家などにより倒壊の危険性が指摘されています
おかげでハザマの建てたタワー1はテナントが埋まるのに対し、サムスンの建てたタワー2はテナントが埋まらないという事態にまでなってしまいました
ちなみに、タワー2の窓に明かりが少ないのは単にテナントが入っていないからだけではなく、電気の配線がめちゃくちゃで明かりが点かないところがあるからだそうです
地元の人には「昼は2本。夜は一本」と揶揄しているとか
もっとも今では補修工事は終わった(と発表されています)
実際に見に行ったときはハザマの建てたタワー1よりサムスンの建てたタワー2の方が明るかったように感じました
そうです今回の旅はこのペトロナス・ツンタワーにまつわる話が事実なのか、それを確かめるための旅でもありました
おかげでこの後の客船クルーズもシンガポールからではなくペナンからとなったくらいです
真実はわかりませんが、この建物もアジアの隆盛を語るのに十分な建物であることに変わりなさそうです
さて気温30℃のなかKLタワーより30分近く歩いてきたので、どこかで涼もうと地下のスリラKLCCにいったり
ツインタワー前の噴水のある公園で涼もうとも考えましたが、どこも人でいっぱいでした
ここは屋台にでもいってビールを飲むことにします
目指すはジャラン・アローの屋台街です