メルセデス・ベンツミュージアム2019の最近の記事

さて日本国内の話も尽きたことですし
またゴールデンウィークに伺った、ドイツの話
シュッツガルトのポルシェ・ミュージアムを堪能したあたりに戻します
 

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ポルシェ・ミュージアムを見て歩いた後は再びSバーンに乗りこみ次の目的地へ
最寄り駅のノイヴィルツハウス(ポルシェプラッツ)駅から、向かった先は車窓にベンツマークの工場が並ぶ「ネッカーパーク駅」
 

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そう次の目的地とはメルセデス・ベンツミュージアム
その最寄り駅ネッカーパーク駅
ここで下車したら歩いて10分くらいでミュージアムに着くはずが、道に迷ってしまい20分以上かかってメルセデス・ベンツミュージアムにたどり着くことになってしまいました
ちなみに今回で2回目の訪問で、油断したのが失敗のもとでした

その「メルセデス・ベンツミュージアム」
シルバーアローの名の通り、メルセデスカラーであるシルバーに纏われた背の高いビルは9階建
その総フロアはなんと1万6500平方メートル
ここに車両約160台他1500点以上もの車両を中心とした展示物を展示しているという巨大な博物館がメルセデス・ベンツミュージアムなんです
 

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入場料の10ユーロを支払い入場
エレベーターに乗り9階へ
ここから階を降りつつ展示車を眺める道順となっています
 

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まずは創業当時の車から
「メルセデス・ベンツの歴史は自動車の歴史」といったコンセプトもあってか
今から130年以上前の自動車が並びます
 
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手前に展示されているのが馬車を改造して製作されたダイムラー初の四輪車「ダイムラー・モトールクッツェ」

そしてその奥に展示されているのが「ベンツ・パテント・モトールヴァーゲン」
1886年にカール・ベンツが世界最初に内燃機関で走行する自動車として開発した三輪車
世界初の自動車として幅広く認識されています
ちなみにこのベンツ・パテント・モトールヴァーゲン
特許を取って販売を始めたが、売れ行きは振るわなかったのですが
カール・ベンツの妻である「ベルタ・ベンツ」が、夫の発明を世間に認めてほしいと
1888年にこのベンツ・パテント・モトールヴァーゲンに乗車し、104kmもの長距離自動車ドライブを敢行
この人類初の偉業による宣伝によって、世界中の注目を集めることにより販売促進につなげたんだそうです
 

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現存する最古のメルセデス「35PS」(1902年)
 

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続いて
1920~30年代の車のコーナー
 

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宙づりにされた飛行機の奥に見えたのは
スーパーチャージャーである「Kompressor 」の頭文字を付けた
「SSK」
「540K」
「770K」
などオールドカーが、誇らしげに展示されています
ちなみにこうした名車はオークションにかけると、1台が数億円
このフロアだけで一体いくらになるんだろうと、妙な興味も沸いてしまいます
 

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そんなフロアで皆が足を止めるのが
メルセデスベンツのSSK(1929年)と540K(1937年)
工業製品としての完成度の高さは、もはや車というジャンルを超えた芸術品といった感もあります
 

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特にメルセデスベンツSSKはルパン三世の愛車としても知られるモデル
現実的には1928~35年にわずか35台のみ生産されたスーパースポーツカーで
スーパースポーツカーの名のとおり
スーパーチャージャー付7.0リットル直列6気筒エンジンは当時としては驚異的な225馬力を出していたのだとか
 

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さて長くなってしまったので次に続きます

メルセデス・ベンツミュージアム探訪
2回目のネタは「バス」
高級車のイメージの強いメルセデスですが、実はバスや商用車、特殊用途作業車などの分野も得意とするところ
ということでまずは「バス」から

アジアの匂いがするこの派手な塗装のバス
実はアジアとは反対側のアルゼンチンにあるTransportes La Perlita SAというバス会社のもの
 

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美しいヒップラインのボンネットバス
前述のアルゼンチンのバスもそうでしたが、後方上部が丸みを帯びているのが特徴のようです
 

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これは某所で撮影した、中央バス所蔵のボンネットバス「まき太郎」
やはり後方上部が丸みを帯びています
 

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写真はシュッツガルトを走っていた市バスでしょうか
現在のバスはその容積を最大限得ようとしているのか、いかにも角々しいのですが
この時代の丸みを帯びたバスは何だか愛着が持てますね
 

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これまた美しデザインの
「二階建てロンドンバス」
ダイムラーが製作したのが一番最初の二階建てロンドンバスだったんですね
 
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2階の囲いや車体には「VANGUARD(英国の投資信託会社)」や「LIPTON'S(言わずと知れた紅茶専門家)」といった広告が描かれています
ラッピングバスとしても初めての試みだったんですね


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そしていかにもボンネットバスに見えるこの車
 

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車内を覗けるように、足場が置かれていますが
覗いてみるとなんと事務所
どうやらこれ「移動式の郵便局」のようです
よく見ると車、正面上部に「POSTAMT」と表示が出ていました

 
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ご親切に営業時間外の投函のためかポストも設置されていました
 

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1974年サッカーW杯西独大会で、西ドイツ代表選手を乗せたバスも展示
ベッケンバウアーやミューラーなどの代表選手もこのバスに乗ったんだろうと
説明書きを読むと残念ながらこのバスはレプリカでした
 


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けれど2007年のワールドカップ優勝杯や
優勝パレードに使われた車
ガラスケースに飾られる、ドイツ代表にまつわる展示品は本物
そういやこのメルセデス・ミュージアム自体が2006年にドイツで開催されたサッカーワールドカップを機にリニューアルされたんでしたね
 

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メルセデス・ミュージアムのバスはこんな感じ
次ははたらく車でも紹介しますか

さてメルセデス・ベンツといえば高級車のイメージがありますが
それは日本でヤナセがメルセデスブランドを押し上げたのが一番の理由です
実際にメルセデスベンツはヨーロッパを中心に商用車やトラックなどの分野においてそのシェアを稼いでいて
キャンピングカーなどのベース車にトラックやミニバンが使われていたりもします

今回のエントリーはそんなメルセデス・ベンツ製の働く車たち
メルセデスミュージアムにもそんなところを意識したフロアがありました
まずは
メルセデス ・ ベンツのタンクローリー「 LP 1513」( 1974年)
大型トラック「 Lo 6500」(1938年)
ベンツのキャリアカー「1624」(1980年)
後部にトレーラーを接続することも可能で最大11台もの車が積載かのなんだとか
キャリアされているクルマはもちろんメルセデスベンツでした
 

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まずは初期のトラック
「3 トントラック」(1912年)
駆動はチェーンドライブで馬車のようなソリッドラバータイヤと時代を感じさせるトラックです
 

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フロントタイヤが4本も装着されている
「 LP333」(1959年)
 

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ダンプ トラック 「LK338 ケパー」(1960年)
どこかとなく愛嬌ののあるフロントマスクが良いですね


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「 L409 ダブルキャブ ピックアップ」(1979年)
通称「デュッセルドルフ・バン」
正面スリーポインテッドスターの上に「THW」のロゴはドイツの災害救助機関を示しています
 

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ゴミ収集トラック「 Econic 2628 NGT」(2005年)
NGTとは天然ガスを燃料としていているとのことで、名前の通りエコなトラック
特徴は路線バスのような引き戸式のドアで乗り込みが楽なうえ、キャビン内は立って歩ける程の空間を持っているので、写真のように子供が車内でうろうろ出来るほどでした


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さてここでキャリーカーを2台
まずは
「814」(1992年)
このキャリーカーで多くのメルセデス・ベンツを納車したのでしょうね
 

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そして有名な
「レーシングカートランスポータ」
これたしかプラモデルにもなっていたかと思います
 

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働く車の代表格
消防車(1912年)
前述の3 トントラック同様に駆動はチェーンドライブで馬車のようなソリッドラバータイヤ
そのうえ屋根のない運転席
ところで1912年といえば日本では明治時代
ようやく火消しに代わって消防隊が組織されたばかり
消防ポンプ自動車が配置されるには大正時代を待たねばならなかったようです


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メッツ社のターン テーブルが付いたはしご付き消防車
「LF 3500」(1952年)
はしごは22m伸びるんだそうです

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続いて救急車両
モバイル集中ケアユニット 「スプリンター 313 CDI 」(2001年)
 

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そしてメルセデスの働く車と言って忘れてはならぬのが「ウニモグ」
シングルタイヤ・全輪駆動の利便性からか累計40万台以上が生産されています
けれどそのウニモグをさらに有名にしたのが、ダカール・ラリー
カミオン(トラック)部門で競技車として活躍の他、チームの荷物や補修部品を運ぶサポート車として重宝されています

写真のウニモグは「ウニモグ U500」(2004年)
ボンネットにある「Unimog」のロゴが誇らしげです
 

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ちなみに、このウニモグは冬季装備
除雪車仕様となります
前部に見るからに強力なローラリーのローラーが装備されていました
 

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「NECAR1」(1994年)
世界で初めて燃料電池車です
 

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これは働く車ではありませんが、キャンピングカー好きにはよく知るウエストファリアのキャンピングカー
ベースはもちろんメルセデス・ベンツ
「ビアーノ マルコ・ポーロ CDI 2.2」(2005年)
 

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さて次に続きます

今、ヨーロッパにおいてヒストリックカーの価格が高騰
特にブランド力の高い旧車は時として投資の対象となっていますが
メルセデス・ベンツも例外ではありません
今回のエントリーはそんなメルセデス・ベンツのヴィンテージ・ヒストリックカーのお話し
 

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たとえばこの「300SL ロードスター」
メルセデス・ベンツでは珍しいオープンタイプ
一世風靡のスポーツカーですが
1,858台も生産されたにも関わらず、オークションでは2百万ドルを超えるものもあるんだとか
 

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このヒップラインがとてもセクシーです
 

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続いて300SLのハードトップバージョン
「300SLR ウーレンハウト・クーペ」(1955年式)
なんとこの車、生産台数がわずか2台
一体いくらの価値があるのやら

ちなみに2台しか作られなかったため、当時テスト部門の責任者ルドルフ・ウーレンハウトの社用車として使用されたのだとか
 

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カモメの翼のような形状となる
ガルウィングドアと呼ばれているドアを持つ
「300SL クーペ ガルウイング」(1955年)
 

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日本では俳優の故石原裕次郎氏が所有し
仕事の関係で「石原裕次郎記念館」に展示されているのを何度か見たことが有ります
 
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戦後にリリースされた
「300リムジン」 (1951年)
 

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「300S カブリオレA」(1954年)
 

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続いてショーファードリブン
「600」(1963年)
ロングホイールベース4ドア仕様の「プルマン」
この重量級の車体で最高速は200km/hを出すのだとか
 

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「SLS AMG クーペ 電気自動車」(2012年)
バッテリー駆動で750馬力有るのだそうです
 

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最後はワンオフ
ドイツ帝国皇帝 ヴィルヘルム2世が所有した
「770 Fカブリオレ」(1932年)
もう価値がどうのこうのといった枠を超えた車ですが・・・・
 

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そんな車が隣にもありました
それが
昭和天皇の御料車として使用された
「770 グロッサー」
菊の御紋の前で記念撮影

この車をスーパーチャージャー無しの仕様で日独伊三国同盟時代に7台を輸入
後席内装は宮内省支給の西陣織が使用されていますが
うち2台にはうち2台は、陸軍工兵工廠で防弾装甲ボディに改装
タイヤに至っては内部に鉄板が仕込まれ、パンクしても走行可能な特殊タイヤ(横浜ゴム製)が装着されていたそうです
まぁこの車がそうだとは言えませんが・・・・
これまた価値はつけがたい
いやもとい日本人としては価格などでは評価してほしくない1台ですね
 

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そんな御用車をyoutubeで拾ってきました
 


 

次はいよいよシルバーアロー
レーシングカーです

さてメルセデスベンツ・ミュージアム
私の目玉は何と言ってレーシングカー
1890年代からレーシングカーを作っていたメルセデス・ベンツ
代名詞となるシルバーアローで活躍していた1930年代からのレーシングカーがずらりと並ぶ風景はまさに絶景でした
 

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ということでまずは私の好きなラリーカーから
えっメルセデスベンツがラリーに出てたのって、思われる方もいらっしゃると思いますが
出場していただけでなく、これが強かったんです
たとえばこの
「500SLC ラリーカー」(1980年)
このマシンはコートジボワールで開催された
走行距離3315マイルのバンダマラリーで見事に勝利を飾っています
ラリーらしく車体横には
ビョルン・ワルデガルドと
ハンス・ソルセリウス の2名の名が記されていました
 

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280E(W123)のラリーカー「Rallyewagen」Gr.2エントリー
1977年8月〜9月に行われた「ロンドン〜シドニー 3万kmラリー」にてアンドリューコーワンが駆ったマシンです
 

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「230S オフロードスポーツカー」(1939年)
なんとこれもラリー車
ブランデンブルク・ラリーに出場しているのだとか
 

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続いてレトロなレーシングカーたち
私が子供のころ見たアニメ「マッハGOGOGO]の世界がここに有りました
 

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ちなみに私がレーシングカーや車のレースが好きなのもこのアニメの影響が少なからずあったかと思います
 


 
 
「300SL(W194)プロトタイプ」(1952年)
カレラ・パナメリカーナ・メヒコ出場車
 

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続いてドイツ製レーシングカーの代名詞である「シルバー・アロー」の由来となったマシン
「W25」(1934年)
とはいえレース直前に車重が規定の750kgを1kgオーバーしていることが判明、塗装を剥がすという苦肉の策で窮地をしのいだうえ、ニュルブルクリンクにてデビューウィンを飾ったのだとか
塗装をはがしたためアルミ地肌の銀色となったが、それが伝説となり
以後、メルセデスのワークスマシンは銀色のボディカラーを基調とするようになり、ドイツ語で「銀の矢」を意味するシルバー・アローと呼ばれることとなったんだとか
まぁ世の中何が幸いするか分かったものではないですね
 

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「W154 3リッター レーシングカー」(1938年)
まだF1世界選手権が産声も上げていない時代
ヨーロッパ・ドライバーズ選手権で活躍したマシンですが、のちにインディ500にも出走したマシンです
 

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メルセデス・ベンツにF1初の栄冠をもたらし
戦後のグランプリレースを席巻した名車
「300SLR(W196 R) 2.5リッター レーシングカー」(1955年)
ファン・マヌエル・ファンジオが
1954年のF1世界選手権第4戦フランスグランプリで優勝したマシン
翌年も優勝、展示車はその時の改良版です
 
 

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「 W196 R 2.5リッター レーシングカー」(1955年)
ちなみにこのメルセデスベンツと同型のレーシングカーが6年ほど前、ボナムス・ザウテ・オークションで30億円弱で落札されたそうです
 

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「300SLR ミッレ・ミリア」(1955 年)
1955年のミッレ・ミリアでスターリング・モスの乗ったマシン
ゼッケン「722」と桁数が多く思えますが、これは出走時間が午前7時22分だったからなんだとか
 

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マクラーレン・メルセデス MP4-13 F1レーシングカー(1998年)
1998年と1999年と2年連続でF1ワールドチャンピオンに輝いた
フライング・フィンことミカ・ハッキネンのF1マシンです
車体に貼られた「B」はタイヤメーカーをグッドイヤーからF1参戦2年目のブリヂストンに変更した証ですね
 

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これは外装を外した状態での展示
大胆にバイピングされたマフラーやメルセデスベンツのロゴが誇らしげなエンジン
水平に配置されたコイルスプリングのダブルウィッシュボーンサスペンションも手が届きそうな近さで覗いてきました
 

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「W196R 2.5リッター レーシングカー」(1955年)の外装を外したシャシ丸見えのモデルも展示されていました

 

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そんなメルセデスベンツ・ミュージアムの一部を動画で撮ってみました
 


 

最後にミュージアムショップを物色してメルセデスベンツミュージアム探求は終了
 

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次は近くにあるメルセデスベンツ・スタジアムへ

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