知床2018の最近の記事

毎年恒例となっている斜里でのキノコ狩りですが、今回も泊まらせてもらう実家で暮らす義弟の話だと、現在斜里周辺の農家などにヒグマが頻繁に出没しているとの事でした
ヒグマは怖いがやはり天然の舞茸は貴重な秋の味覚、しかもこの時期しか取れません
私どもの入る森はさほど山奥ではない里山、警戒して真っ昼間に入山すれば大丈夫だろうと、クマ鈴を抱え秋分の日を交えた連休に狙いを定め向かうことになりました
 

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自宅から自家用車で有料道路を避け6時間半
たどりついた里山ではヒグマならぬ「エゾアカガエル」が出迎えてくれました
そのエゾアカガエル、カメラを近づけても動きは鈍く逃げる様子もありません
そろそろ冬眠の季節がやってくるのか、越冬場所を探してうろうろさまよっているようでした
そのエゾアカガエル、こうした森の地面のみならず、川底に堆積している落ち葉の下そう水中で越冬するものもいるんだとか
 

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キノコ狩りをしつつ里山を探索
葉緑素を持たず他の植物から栄養を吸収していく、寄生生活を送る腐生植物「ギンリョウソウ」も見かけました
このギンリョウソウ、豊かな自然の象徴とも云われ
別名を幽霊茸(ユウレイタケ)というのだとか
ちなみにタケの名は付いていてもキノコの仲間では有りません
 

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さて肝心のキノコですが、この里山は広葉樹がほとんどしかも樹齢の経た大木が多く
こうした弱り始めた木々に寄生する「ヤマブシタケ」などのキノコを多く見かけました
 

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というか目的の舞茸はミズナラなどの老木の根付近に寄生するキノコ
木々を選んで散策していますからこうしたキノコを見かけてるのも当然ですね
「マスタケ」や「シメジ」っぽいキノコも見かけましたが、ここはよく知ったキノコ以外は手を出さないのがキノコ採りの原則
そっとしておきます
 

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こうしてさまよい歩くこと1時間半
ついに念願の山の恵「天然の舞茸」を発見しました
まさに舞い踊るほどうれしい
2双に分かれていますが、根は一本の舞茸で後で軽量したところ1.5kgありました
 

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しかも採取したこの天然の舞茸
虫がいないばかりか、虫食いの後も有りません
我が家ではこうした価値のある収穫物を「築地物」と呼んでいますが、築地市場あたりで並べたら間違えなく3万円には下らないまさに上物でした
ということで収穫した夜は先ずは天ぷらにして頂きます
あわせるお酒は地元網走ビールの流氷ドラフト
 

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札幌に帰ってからは、一発奮起して松坂牛を購入
舞茸料理の中でも一目置く料理「天然舞茸のすき焼き」にしたり
 

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これぞ北海道の秋の味覚ともいうべき料理
「オホーツクの鮭と天然舞茸のホイル蒸し」
今回はストウブで蒸してみました
もちろん合わせるのは日本酒「獺祭」とともにいただきます
 

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ちなみに私がいつも入る斜里の里山
この場所を知る方々の親から子への世代交代が進んで居ないのか、親が高齢になりこの里山を訪れる機会が減っているようで最近ではこうした人知れず朽ちた舞茸を多く見かけるようになりました
この舞茸の残骸は1週間前に見つければ2kgはある大物です
いや〜もったいね〜
聞くところによると舞茸はこうして朽ちると次回生えなくなるとか
とは言え沢山この里山に人が入れば採れなくなるし
難しいところですね
 

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とはいえまずは今年も山の味覚に乾杯です

摩周そば道楽の「田舎そば」

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秋に知床を訪れると立ち寄りたくなるのが、そば屋さん
そう9月と言うと新そばの季節だったりします
特に実家近くにの斜里町来運には「そば処らいうん」があり
隣町の清里町にはミシュランガイドブックに掲載された「秀峰庵」があったりしますが
双方ともにこだわりのそばが食べることが出来ます
 

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ただこの2店は実家からほど近く、何度も足を運んでいることから
どこか違うそば屋さんと言うことで、頭に浮かんだのがレストラン摩周で食べた「摩周そば」でした
その摩周そば、品種は「キタノマシュウ」が有名で
摩周湖のある弟子屈町にある10軒の農家で生産されていますが
そのそば畑は全て合わせても総面積230ヘクタールと作付面積が少なく収穫量にも限りあり
「幻」と形容されるほど、生産量が少ない品種だったりします
 

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前置きが長くなりましたが、その摩周そばを食べようと
斜里から野上峠を越え川湯温泉のある弟子屈にやってきました
向かったのはガソリンスタンドを目印に左折、畑の向こうにお店がポツリと見え風景に溶け込むような静かな佇まいの「摩周そば道楽」
のぼりにはJA摩周湖産 玄蕎麦使用と書かれていました
ちなみにこの畑にそばが植えられることもあるようですが、伺ったこの時は豆か何かが植えられていました
きっとこれはそば連作障害を避けるためなんでしょうね

 

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開店時間とされる11時よりは少し早く到着しましたが、すでに店には暖簾がかかっていました
 

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そば挽きに使用しているか、店の横では水車が回っていて
風情を醸し出しています

 
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まだ開店前の時間帯だったためか
店に他の客はおりません
先ほど見た水車でどうそばを挽いているのか見ようと、そばを挽く石臼の近くの席に陣取って聞いてみたところ
とてもこの水車を使った石うすで挽いたくらいでは、店で出すほどそばを挽くことはできなく、現在では使われていないのだとか

 

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この摩周そば道楽
もともとはソバ農家だったご主人が、70を過ぎてから始められたお店で、現在84歳を迎えられたご主人が、自家栽培のソバの実を、挽きたて・打ちたて・茹でたてで提供していること
キッチンを覗くと、ガス台やそばを湯がく鍋もどことなくプロっぽくないところが、「道楽」で始めた店を思わせます


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メニューを見ると
は「もりそば」「かけそば」「ざるそば」「かしわそば」「いなかそば(冷)」「いなきびご飯」といかにもこだわりのそば屋さんらしいメニュー表


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頂いたのはお店一番の自慢
皮ごと挽く黒みがかった摩周そば10割を手打ちした「田舎そば」
10食限定とのことなのでこいつにいたしました
そう我が家はこうした限定品に弱いんです
お新香やデザートの付け合わせがあるのもいかにも田舎の風情
もちろん美味しく頂かせてもらいました

 

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あまり出回っていない「摩周そば」ではありますが、我が家近くにも
ミシュランガイド北海道版2017で一つ星を獲得した
北広島にある「そば切り なかむら」さんで提供しているようなので今度寄ってみようと思います
 

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昨今、古くてボロいと言うか、ひなびたというのか
そんな温泉が、古き良き時代の情緒が楽しめるとばかりに、ちょっとしたブームなっているようです
そんなおり、発刊された「ひなびた温泉パラダイス」(出版社: 山と渓谷社)
インターネットや通常の温泉ガイドブックには載っていない、知られざるジモ泉(地元温泉)から、国宝級!?にシブい温泉、有名な温泉地の穴場名湯まで、全国から厳選した50泉を、豊富なビジュアルとひなびた温泉愛に満ちた文章でご紹介。
しみじみとシビレることうけあいの、本邦初のひなびた温泉ガイドブックです。
 
 
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(アマゾンHPより拝借)
 

そんな「ひなびた温泉パラダイス」に掲載されている北海道の温泉
10軒ほどあるのだそうですが
その筆頭に川湯温泉街にある「公衆浴場」がありました

弟子屈にそばを食べに来たということもあり
ついでに寄ってみたところ
ひなびた温泉の名に連なれるのも当然といったように建物はかなり老朽化しておりました
 

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中に入ると年季の入った番台?ととなるべき受付の小部屋の窓には
大鵬記念館のポスターと大鵬の手形が貼られています
そうここは「巨人・大鵬・卵焼き」など形容される昭和の大横綱
大鵬の出身地だったりします

入浴料は大人250円
かなり良心的な入浴料ですね
ちなみにここは公衆浴場を名乗ってはいても別段、弟子屈町で経営しているというわけではなく、地元の温泉の権利者が集まった川湯温泉(株)が運営しているのだそうだ
 

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そんなんわけで設備は今一つ
洗い場にはカランのみでシャワーすらないといった潔さ
老朽化したものを何とか使っているといった具合でまさにひなびた温泉
されど温泉の泉質は日本屈指の強酸性といったいかにも効能のありそう
 

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(Yorimichi AIRDO HPより拝借)
 

そうここ川湯温泉街は
温泉施設は全て100%天然源泉掛け流し温泉を使用することが決まり
ここ川湯温泉公衆浴場もまた源泉かけ流しで
湯船の淵から絶えず温泉があふれる
いかにも天然温泉と言った情緒ある温泉でした

川湯の公衆浴場で一つ風呂浴びたあと
立ち寄ったのが弟子屈にある「手作りアイスクリーム専門店 くりーむ童話」
弟子屈は今は亡き義父の生まれ育った場所だったことから
このお店我が家の奥さんの親戚のお店だったりして、生前義母と幾度となく訪れていました
 

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そんなくりーむ童話は今から四半世紀前に酪農一筋20年のすずきファームさんが始めたアイスクリーム屋さん
しぼりたて牛乳と自家農園で育てたイチゴやトマトなどフレッシュな素材を使った美味しいハンドメイドのアイスクリームが楽しめるお店です

 

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このくりーむ童話、国内のみならず、台湾の高雄やシンガポールの物産展にも出店するなど精力的に活動しているようです
そういや2年前にタイのバンコクを訪れた際、スーパーには「HOKKAIDO PURITY MILK」なるテナントが入っており北海道をイメージ?したというアイスクリームなどの乳製品を並べるお店が有ったりと、東南アジアで「北海道」はかなりブランドイメージが強そうでした
 

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さてここくりーむ童話でアイスクリームの一押しは『桜もち』
2012年のご当地アイスグランプリ FOODEX JAPAN 2012で最高金賞・優秀試食評価賞を受賞した一品なんだとか
けれど私は風呂上りと言うこともあり夏季限定の北海道みるくソフトクリームを頂きます
 

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ところで2018年9月6日、41人が亡くなった北海道地震から2週間
北海道各地の観光地は観光シーズン真っ盛り、なのに予約キャンセルが相次ぎ大きな影響を受けてしまいました
ここ弟子屈町の観光名所、硫黄山も通常なら連休中は観光バスがずらりと並んでいるはずが、駐車場にはそんな観光バスの姿はありません
ご多分に漏れず、ここくりーむ童話もまた駐車場や店内に他のに客の姿はなく閑古鳥が鳴いていました
 

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道内の観光地はどこもそんな具合のようですが、一刻も早く客足が戻って来てほいしいものですね

下の写真は昨年までの止別川の河口での鮭釣りの様子です
川は規制が有り釣れませんが、海での鮭釣りは可能なため例年大勢の釣り人がこの止別河口を訪れて、2~3メートルといった狭い間隔で糸を垂れ鮭釣りを行っていました
川に入るとエサを口にしないと言われる鮭は、その直前体力を蓄えるためエサを食いまくるようで、そんな極端に食が進んだ状態で河口に押し寄せてくる鮭を釣るといったもので
釣り手法はいわゆる「ウキルアー」なるもの
港などでよく見られる釣り手法ですが、何だか私自身は何だか卑怯な感じがしてあまり好みではない釣り方なのでここで釣り糸を垂れることは有りませんでした

ところで・・・・
なんと2018年の今年から
オホーツクの河口鮭釣り場としては大人気の止別川、そして興部川の河口規制が12月10日まで鮭マスの採捕が禁止になってしまいました

 
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今年の知床での鮭釣りは鮭釣り難民となった大勢の釣り人が、砂浜にも押し寄せ砂浜も例年より大勢の釣り客で埋め尽くされようとしていました
網走から知床峰浜に至るまで延々と竿が並びます
オホーツクの鮭はこうした包囲網を潜り抜け川に遡上します

そんなこともあり今年はいつもより早くに知床のとある浜に到着
竿をセットし朝焼けに染まりつつある海別岳を眺めつつあたりを待ちます
ちなみに前述のウキルアーとは違うこの砂浜での鮭釣り
いわゆるブッコミという釣り手法なのですが、エサを付けた仕掛けを海に向かって放ち
鮭の方から喰ってくるのをひたすら待つ、「待ち」の釣り手法です

私自身は砂浜での鮭のブッコミ釣りが好みで、砂浜で大海原を眺めつつのんびり釣り糸を垂れるこのスタイルが一番と思っています
 

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もっとも海を眺めてのんびりとアタリを待つのはきっと釣果にこだわっていないからかもしれません
そんな竿にも今年はアタリがあったようで?・・・・
「あったようで?」と疑問符を付けているのはそのアタリがあったとき私はFacebookでつぶやいていて、竿をまったく見ていなくかったからなんです
釣れた瞬間、鮭釣りによく使われる振り出し式の竿が突然パタパタとたたみだしたため
何だろうと思い竿を延ばしてリールを巻いてみたところ・・・・・
「フィッシュオン」完全なる向こう合わせでした
釣ったというより、釣れたというのがぴったりな
いつもながら情けない釣り

 

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それでも割合と小型なこの鮭、海面を飛び跳ねたりして引きまくり存分に楽しませてくれました
釣りあげた鮭はこうして砂浜でもがく元気っぷり
久々の鮭の引きを楽しみました
 


 

あとで測ったところ釣りあげた鮭は2.5kg
知床で上がる鮭としてはかなり小型なものです
口の直線でなんとかオスだとわかりますが
目の位置からしてもしかするとこれが噂の「メジカ」だったのかもしれません
 

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自宅に舞い戻り捌いてみましたが、この鮭の身の赤さはオホーツクの鮭の証です
というのもオホーツク海は浜辺で海水を手ですくうと数匹オキアミが入っていたりしますが、そんな豊穣な海の恵みの中で育った鮭はオキアミや海老などの甲殻類をたっぷり食べた証の身の赤さが特徴的です
 

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釣った日は前日に知床の山の幸たる「天然舞茸」も採れていましたので
「オホーツクの鮭と天然舞茸のホイル蒸し」
今回はストウブで蒸してみましたが、これが美味い
これぞ北海道の秋の味覚といった逸品となりました
 

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ちなみに秋の味覚としてイクラの醤油漬けは外せませんが
この鮭の白子の生姜醤油煮も外せません
熟成したチーズのような味わいは釣り人の特権
釣ったばかりということもあり全く生臭くありません

これが日本酒のあてにまさにぴったり
いやもとい日本酒抜きには考えられない肴です
と言う事でオスが釣れても嬉しい私でした
 

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と、こんな感じで今回の知床周遊
天然の舞茸といった山の幸に加え
オホーツク海での鮭釣りといった海の幸も確保
満足の休日となりました

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