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新千歳空港ANAラウンジ初潜入

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シンガポールGPの観戦記を更新中でしたが、なかなか進まないこともあり
勤労感謝の日を交えた連休を使い広島へ行ってきたときの話を先にさせていただきます
 

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さて私の住む札幌にも11月21日に初雪が降り、いよいよ冬将軍到来
暖かい南国が恋しくなる季節がやってきました
 

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ということで勤労感謝を交えた3連休
さてどこへ行こうか考えましたが、条件はやはり安く行けるところ
そう当然のようにマイルを使って行けるところとなります
けれどとある事情でJALのマイルは使えないことから、ANAのマイルを使うことに
利用したのはANAマイレージクラブ会員専用運賃「いっしょにマイル割」
一人分は往復1万マイルそして同行する人は26千円で往復できるというもの
宿も交通の便の良い広島中町のビジネスホテルを3泊が24千円で取れましたので実質5万円で2人で広島観光に行くことができました
ただしANAの新千歳~広島便はどちらと言うと札幌から広島に行くというより、広島の方が北海道へ来るのに便利な便となっているようで、新千歳空港からだと夜中に広島に行き帰りは早朝帰ってくることになります
お陰で3泊しましたが実質使えるのは2日のみと言ったのが辛いところでした
 

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さて勤労感謝の日の前日の夜、職場よりスーツ姿のまま直接新千歳空港に向かいましたが
休日前とあってそこそこ空港は混雑、こんな時プレミアムレーンから制限区画に入れるのは嬉しいですね
 

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そうJALのJGC会員に加え、今年からANAのスーパーフライヤーズ
いわゆるSFC会員にも加入していたんです
今後プライオリティ・パスと合わせこれで将来、飛行機を使った旅がますます楽しいものになりそうです
 

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さてSFC会員になったということでANAのラウンジも使い放題
ということで新千歳空港ANAのラウンジに初潜入です
テーブルの上の苔山が私どもを迎えてくれました
ただしこの日は遅延が出ていたようで、ラウンジは満席
ようやく席を見つけて搭乗までの時間を過ごすことに
 

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ということでANAのラウンジ探索開始
 

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まずはコーヒー
最近こうした場所でよく見るタイプのコーヒーメーカー
豆から挽く本格派タイプです
隣にはエスプレッソメーカーも
 

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もちろんビールサーバーもあります
しかも3種類
・北海道限定のサッポロクラシック
・アサヒ・スーパードライ
・キリン一番搾り
それに角ハイボールのサーバーが置かれていたので
一杯いただくことに
 

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もちろん樽生ビールも頂きます
ということで旅の無事を祈り乾杯
 

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広島では宮島の厳島神社は無論
呉の海上自衛隊基地、そして以前から恋焦がれていた「大和ミュージアム」にも寄っていくこととします
 

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それに加え5月の京都伏見での酒蔵巡りの第二弾
東広島を訪れ日本三大酒醸処 酒都 西條で酒蔵を巡ることとしますが
そこは今年10月に公開された映画「恋のしずく」のロケ地の一つでもありました
 

今回の広島観光
11月の3連休、何とか休みが取れそうな雰囲気がして飛行機のチケットを取ったのはよいのですが、そのチケットを取ったのが10月末、しかもこの時期広島は紅葉や牡蠣の季節
広島観光にはもってこいの季節と言うこともあり、格安のビジネスホテルはどこも満室でした
他に空いているホテルはどこも高額、そこビジネスホテルだよねと思っていたA〇Aホテルなんぞ1泊3万円程度といった具合でした
今回は3泊の予定でしたので、あまり高いと旅行が成り立ちません
そんな中、たまたま見つけたのが「ホテルエスプル広島平和公園」
キャンセルがあったのか?通常そうなのか、連休中でありながら3泊2人分の合計24千円とリーズナブルなビジネスホテル料金を提供してくれていました
 

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今回の広島観光は宮島や呉、そして東広島の西條を考えており
実質2日間で広島を拠点に東奔西走する事になるので、広島駅付近の交通の便の良いホテルを取ろうと考えていましたが、それは叶いませんでした
ところが価格優先で取ったホテルエスプル広島平和公園でしありましたが、実のところこれが正解
というのも、先般のエントリーで紹介した通り
広島~新千歳空港便は北海道から広島に来るためと言うよりは、広島から北海道に行くに便利な路線
新千歳空港からだと夜中に広島に到着するばかりではなく、発着も朝早い8時の便しかなく
それでなくともアクセスの悪い広島空港
リムジンバスが頼りですが、このホテルから徒歩圏内にそのリムジンバスは発着する広島バスセンターがあるのはかなり便利でした
そのうえ広島市内を縦断する電車の駅も徒歩1分程度と近く、交通の便ではかなり重宝いたしました
ちなみに写真はホテル付近の広島の中心となる平和通りのイルミネーションです
 

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さてここからは私の覚書も兼ねていますが
部屋はツインルームで設備はデスクにTV、湯沸かしポット、ドライヤー
そして空の冷蔵庫(入室時節電のためかスイッチはオフ)が設置されていました
クローゼットはなくハンガーラック程度
そうそうベット脇のコンセントにはなんとUSB用のコンセントもあり毎晩使わせてもらいました
 

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ただし古いホテルのようで、風呂などの設備はかなり老朽化しています
まぁ我が家としてさほど気になりませんでしたが
それにシャンプー・リンス・ボディシャンプーと歯ブラシといった最低限のアメニティは置かれていましたがは、髭剃りなどは1階ロビーの自販機で購入するようです
 

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ロビーには電子レンジやいつでもお湯の使える湯沸かしポット
そして嬉しかったのがラッキーコーヒーマシン「BONMAC」が設置され
いつでも美味しいコーヒーが飲めました
それにチェックイン前・チェックアウト後に使えるスーツケースの預かりスペース(チェーンロックやロッカー)がロビーにあったのも、なかなか的を得た設備でした
なかには自転車まで駐輪されていたことも
 

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たまたま取ったホテルでしたが、なかなかリーナブルで使いやすいホテルでした
そんなホテルにチェックインしたのは夜中の10時半
晩飯がまだなので、このあと広島名物のお好み焼きを食べに行くことに
ただし時間がないので部屋に入らずスーツケースを預け出かけることに

夜半に広島市内に到着、ホテルエスプル広島平和公園にチェックイン後すぐに向かったのはお好み焼き・鉄板焼き「蔵屋 小町店」
ホテルから歩いて3分と言った立地のうえ外観も良さげなお店でした
 

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座敷もありますが、人気のお店のようで座敷は満席
カウンターへ通されます
ちなみにカウンターといっても鉄板焼きのお店
目の前は大きな鉄板が有りその四方にわずかなスペースのテーブルがあるだけの席でした
けれど目の前でスタッフが焼いてくれる料理を見ながらの食事は我が家の望み通り
個室の座敷席よりは断然こちらが好みです
 

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ということでまずは広島での最初の一杯
店自慢の樽生ビール アサヒ スーパードライ・エクストラコールドをいただきます
 

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まず頼んだのは「牛スジ煮込み」
とろっとろまで煮込まれていて美味しい
 

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目の前で作ってくれる
「鉄板ポテトサラダ」
鉄板焼きの鉄板に茹でたじゃがいもを乗せて、鉄板の上ですり潰しポテトサラダにするというもの
これは絶品でした
 

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広島名物 ウニホーレン
たっぷりのバターに塩コショウしソテーしたアツアツのほうれん草の上に、豪快にウニを載せた料理です
ただしこの翌日「ウニクレソン」の元祖ともいえるお店を予約したこともあり
この店のウニホウレンソンはパス
 

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飲み物はビールから日本酒へ
3種廣島利き酒セットを頂きます
3種は
・富久長 秋櫻 吟醸
杜氏の郷、安芸津町にある酒蔵で女性杜氏の今田美穂さんが醸したお酒

・神雷 秋上がり 山廃純米 千本錦
備後の地酒、三輪酒造のお酒

・天寶一 八反錦 純米吟醸 秋上がり
減農薬で有機肥料を豊富に使って栽培した八反錦を使ったコスパの良いお酒
 

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日本酒に合わせる肴は広島風民のソウルフード「お好み焼き」
折角なので蔵屋スペシャルなるものをいただきます
そば又はうどんと言った麺を大量に焼いて合わせるのが広島流
今回はそばをチョイス
これまた大量のネギに加えイカ天とシソがトッピングされていましたが
イカ天がいい味を醸し出していました
 

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お好み焼きに欠かせないソースは「カープお好みソース」
もちろんコテでいただきます
このソースは土産にしたかったのですが忘れてしまいました
 

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早朝ホテルを発ってアストラムラインとJR山陽本線を使い宮島口駅へ
そこからは朝7時5分の宮島フェリーに乗り宮島桟橋へ向かいます
ちょうど夜が明け朝焼けが迎えてくれました、今日は何だかよい景色に出会えそうです
 

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桟橋から少し歩いたところに「紅葉谷公園」があります
約700本のモミジやカエデががある紅葉の名所
だ残念ながら7月の西日本を襲った豪雨に加え、私が訪れる数日前に風が強い日があり、紅葉の大部分が落ちた後でした
そうです紅葉は桜のように見るものではなく狩るもの
獲物を追う「狩猟」のように「紅葉狩り」と言われているその文言に日本語の意味深さを感じます
 

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ここから弥山山頂へ登山するために宮島ロープウェイに乗ります
往復で大人1,800円を払いロープウェイに乗り込みます
 

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ちなみに営業開始の8時に乗るはずが、故障で部品交換に30分ほどかかり始発便は遅延
分刻みのスケジュールには大変厳しい遅延でした
ただし絶好のロープウェイ日和、これ以上ない風景を見せてくれました
 

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途中榧谷駅で乗り換え
ロープウェイの終着駅「獅子岩駅」へ
そこからは徒歩30〜40分で登れる弥山登山となります
毒蛇に注意しつつ昇ることに
 

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しかもここ弥山は厳島神社などと一緒に世界遺産に認定されています
806年に空海(弘法大師)が弥山を開山し、真言密教の修験道場となったと伝えられる
まさに聖地のトレッキングとなります 
 

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時折見せる瀬戸内の景色を見つつ
長年かけ作って来ただろう石畳・石の階段を昇りつつ頂上を目指します
 

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痩躯している間に唐から帰国した弘法大師が10日間の修行を行った
観光名所「弥山本道」へ
ここで行程の2/3を踏破、残るは1/3ということで頂上は間近
 

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弥山本道の向かいには「消えずの霊火堂」
 

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806年に弘法大師が修行を行ったときの霊火が1200年たった今でもここで燃え続け今でも見ることが出来ます
ちなみに「平和記念公園」の「平和の灯」もここが元火なんだそうです
 

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その後すぐに「三鬼堂」へ
平清盛がこの三鬼堂を「厳島神社の奥宮」と定めていましたが、なるほど清盛がここにその時代最高峰の神社を築いたのはこの弥山があってこそと言うことに気づかされました

時代は巡りのちの初代内閣総理大臣、伊藤博文もこの三鬼堂の祀る三鬼神に対して厚い信仰を寄せていたようです 
 

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続いて「大日堂」
ここは厳島神社の神護寺としての勢力を持ち、明治以前は正月七日間、全島の僧が登山して国家の降昌を祈願しと言われる道場なんです
 

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巨大な岩のトンネル、通称「くぐり岩」
で岩を持ち上げるパフォーマンス
ちなみに岩は地震のたびに低くなり、近い将来くぐれなくなる日も来るかもしれないのだとか
 

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そして干満岩へ
この岩の水は潮の満ち干きにあわせて、穴の中の水位が変わるという本当に不思議な岩で弥山奇岩七不思議のひとつに数えられています
 

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そうこうしている地に弥山山頂(約535 m) 
 

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『宮島の真価は弥山の頂上からの眺めにあり!』と伊藤博文が感嘆した山頂で瀬戸内海の景色を存分に楽しんでから山を下りることに
海にある島々には牡蠣の筏らしきものも見て取れました
 

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このあと朝飯に牡蠣を食べに伺う予定もあり
さっさと山を下り紅葉谷駅からは、無料送迎バスを利用
厳島神社の参道へ

さて弥山を登る為、宮島までやって来ましたが、宮島に来たのならやはり牡蠣を食べずに帰るわけには行きません
なんといっても広島の牡蠣は日本のシェアの6割と言う生産量を誇りますが、特にここ宮島は粒が大きく濃厚かつ繊細な牡蠣を養殖しているらしく
ここ宮島へ渡るフェリーからもそんな牡蠣の養殖用の筏を見ることが出来ました
 

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弥山登山を終えてから、紅葉大公園まで送迎バスで送ってもらいましたが
道路は宮島ロープウェイへ向かう方々で溢れていました、乗務員さん曰く、この後はかなり待たされそうだと話されていました
いや~朝一でやってきてまず弥山を登ったのは正解だったようです
紅葉大公園からは今朝歩いた道を戻り、朝方は閉まっていた表参道商店街のお店には大勢の人で歩けないほどに
 

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向かった先は「ミシュランガイド広島・愛媛2018特別版」に掲載されている
宮島牡蠣専門店 牡蠣屋
10時の開店には間に合いませんが、そこそこ早い時間に伺ったにもかかわらず
店内は満席、店の前にも沢山のお客様が並んでいました
 

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並んでいる最中にラミネート紙で覆われたメニューを渡され店内に入る少し前に注文するようです
お目当ては裏メニューとして有名なランチ定食「牡蠣屋定食」
裏メニューだったはずが、メニューに大きく登場していました
どうやら裏メニューだったものが、今や看板メニューになっていたようです
 

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そうこうしている間に入店
待ったのは20分くらいだったでしょうか
店内に入りまず目に飛び込んでくるのが、山のように積まれた最高クラスとされる地御前産牡蠣
地御前産牡蠣の名の由来は「厳島神社」の対岸に位置する「地御前神社」から付けられているといった由緒ある牡蠣、もちろん粒が大きく濃厚かつ繊細な牡蠣で美味しい
そしてこの牡蠣屋さんのこだわりは、牡蠣だけではなくワインの豊富さ
 

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カウンター奥の冷蔵庫にはシャンパンやスパークリングワインがずらりと並び
しかもグラスで提供してくれるのだとか
 

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もちろん頼んだのは裏メニューではなくなった「牡蠣屋定食」(2,150円)
牡蠣飯や自家製の牡蠣オイル漬け、牡蠣を使った佃煮、牡蠣入り赤出しにサラダと牡蠣三昧の定食
ちなみにこれは我が家の奥さんが頼んだもので
 

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私が頼んだのは
「特選牡蠣屋定食」(2,650円)
特選と通常の牡蠣屋定食の違いは中央にある牡蠣フライ
大きさの違いがが一目瞭然です


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大粒の牡蠣のファライは
何も付けずそのまま召し上がってくださいとのことでしたので、そのままがぶりと齧り付きます
ただ大きいだけではなく、中から牡蠣の汁がじゅわぁ~っと溢れ出てきます
牡蠣が海のミルクと言われるのもなんとなく納得できます
 

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遅れて焼き立ての焼き牡蠣は注文してから、牡蠣を焼いて40年の職人さんが焼き場で強火で一気に焼き上げたもの
私自身牡蠣料理で一番好きなのがこの焼き牡蠣なんです


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ということでミシュランのお店で牡蠣料理を堪能
ちなみにこれはちょっと遅めの朝食となりました
そうそう土産にしようと思っていた牡蠣のオイル漬けですが、購入するのをついつい忘れてしまいました

宮島で牡蠣を堪能した後は厳島神社へ向かいますが、その際に厳島神社の神の使いとされる鹿と出逢いました
とは言え時間も限られていますしさっさと厳島神社へ参拝へ
 

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厳島神社を頭にイメージする時に、まず思い浮かぶのが、写真の海面にそびえる朱塗りの大鳥居
ちなみにこの大鳥居の根元は海底に埋められているわけではなく、柱の足元の底部分に花崗岩を敷が敷かれていますが、その下には松材の杭を打って地盤を強化する「千本杭の工法」という工法が用いられています
そう現代では軟弱地盤でよく使われる杭打ちが何と平安時代から採用されていたのだそうです
大鳥居の根元には箱型の島木の中に7トンもの石を詰めて加重し自重で立っているだけで、決して埋められているのではないのだそうです
800年以上前にこんな工法で建築されたおうですが、こういった建築技術が世界最高峰の建築技術のまさに礎なんですね
ちなみにこの大鳥居へ干潮時には歩いて行けるんだそうですが
写真に写るとおり手前にろかい船が見受けられますが、こういったろかい船で大鳥居をくぐり参拝するのが厳島神社の正式な参拝作法なんだそうです


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12世紀に時の権力者である平清盛の造営として知られていますが
海上に建てられたこの神社、自然災害や火災に幾度となく見舞われましたが
その都度信仰心に支えられて修理再建され、今日まで平安の昔さながらの荘厳華麗な姿を伝えられています
流石はスクラップ&ビルドの国と言ったところでしょうか
まずは入口で初穂料を納め参拝いたします
 

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入り口から東廻廊を通り客神社拝殿へ
こうしたものを参拝すると気がピリッとするのはやはり私が日本人だからでしょうか
 

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回廊を歩くと写真などでよく見かける厳島神社の大鳥居のある風景が飛び込んできました
 

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火焼前から望む大鳥居
 

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寝殿造りの庭にあたる平舞台には高舞台があり
さらの奥に宗像三女神
海の神市杵島姫
技芸の神湍津姫
財福の神田心姫が祭られている
寝殿造りの「本殿」がそびえています
 

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その本殿では勤労感謝の日と言った祝日に関わらず祈祷が行われていました
まぁ勤労感謝の日というのは、世を忍ぶ仮の姿
本来その年の新穀を天地の神に供え,天皇みずからも食する儀式の旧新嘗祭 (にいなめさい) を改めたもの
祈祷を受けているのは農業関係者か何かでしょうか
時期やこの神社の御利益からして安全祈願だったのかもしれません
 


 

御朱印を頂くために並ぶ参拝客をしり目に西回廊を進み
国内唯一の海に浮かぶ能舞台へ
舞台背景の大きな鏡板には「老松」が描かれていてこの能舞台は重要文化財に指定されています
運が良ければ参拝料のみこの能舞台で能や狂言が見られるのだとか
 

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さて速足で巡った厳島神社ですが、その神社から豊国神社たる千畳閣と五重塔が見えてましたので、時間はあまりありませんがこちらも覗いていくことに


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厳島神社を拝観したさい、社殿の合間より塔の岡に聳える多重の塔が望めました
 

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それが豊臣秀吉が建立を命じた「千畳閣」の脇に聳える「五重塔」
これらはのちに豊臣秀吉公と加藤清正公を祀られ豊国神社となっています
建立は1587年と言いますから室町時代に建てられたんですね
もちろんこれらは重要文化財
 

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まずは千畳閣へ
入館料100円を支払い、靴を脱いで入閣します
 

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内部の梁には経典が奉納されていますが
その中にここに祀られている加藤清正が虎を退治している絵も有りました
 

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それにしても千畳閣内部はかなりの広さ
千畳閣とは得意ったものですね
その名の通り千畳程の広さがある事から千畳閣と言われています
(実際は畳857枚の広さなんだそうですが)
 

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千畳閣の見どころの一つが、殿舎の中に幾つかお祀りされている「特大しゃもじ」
宮島土産の筆頭が「しゃもじ」ですが、しゃもじはご飯をすくうために使われることから
「飯とる」という意味で「敵を召し取る」と掛けて縁起を担いだ
時の権力者、豊臣秀吉が好みそうな話ですね
 

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そんな千畳閣ですが、秀吉の急死によって工事が中止されてしまいます


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その影響で御神座の上以外は外壁はおろか天井が張られていない吹き曝しの状態
おかげで屋根の裏側が目視できる状態
当時の建築のさまが見て取れました
 

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風通しの良い長い回廊からは、真っ黄色に紅葉したイチョウの木の奥に海に浮かぶ厳島神社が見て取れました
 

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そうこの回廊から嚴島神社まで階段でつなぐ計画があったようです
怖いもの見たさで、仕上げてもらいたかった気もしますが
厳島神社はやはり聖域、土足で踏み入れる感もありますので
頓挫してよかったのかもしれません
 

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脇に聳える五重塔も重要文化財です
 

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ただこれ以上滞在する時間もなく
人混みで歩くにも苦労する表参道商店街を避け、町屋通りを抜け宮島桟橋へ
そこからはフェリーで宮島口にもどり
予約した穴子飯を受け取りに行くことに
 

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宮島と言えば牡蠣と双璧をなすのが、穴子飯
その名を知らしめたのが、創業明治三十四年の有名老舗「あなごめしうえの」
明治30年に開業した宮島口駅で駅売弁当として生まれました
当時の価格は15銭、宮島の名物として定着いたしました
そんな歴史を思い起こすように店の前には歴代のお弁当のパッケージが展示されていました
 

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そんな、あなごめしうえのの前には人・人・・・・・
昼少し前と言うこともあり大勢の方が並んでいました
店の中にも行列が出来ています
ここを訪れる客が多いのが一番の原因ですが、それに加え「あなごめしうえの」のあなごのかば焼きの作り方が丁寧なことから作るのに時間がかかるのもその理由のようです
 

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店の外には、タレが焼けた香ばしい匂いがします
店の中で食べたいのは山々ですが、2時間待ちは当たり前
それでなくとも分刻みのスケジュールの私どもの旅ですから、これは最初から無理と判っていました
それでも食べたいのが、うえののあなごめし
聞くところによると、弁当は予約が可能なんだとか
広島に伺う前にしっかりと予約してありました
 

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ところが予約してあった事から、これはすぐに買えるだろうと安心しきって伺いましたが
店の窓口で言われたのは、予約であっても並んでくれとの事でした
このあとマツダミュージアムでの見学ツアーの時間が迫っていたので、ちょっっと気が急きます
余裕をもって想定していた時間の電車をあきらめ、ギリギリの時間の電車に替えて待つこと30分
ようやく手にしたのがこのあなごめしでした
 

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と言うことで、ようやくのことで経木の折箱に詰められたあなごめし弁当を手にし
ついでに宮島口駅前のコンビニでビールを入手
 

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この後、予約してあるマツダミュージアムでの見学ツアーのため
向洋駅に向かう山陽本線で駅弁として頂きましたが、穴子は焼き焦げが香ばしいのにふわふわ
ご飯もかば焼きタレが味飯にしっかりなじみ
さすがは老舗と考え深く頂きました
 

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宮島口からJR山陽本線の普通列車で「うえののあなごめし」を頬張りつつ
今度は東へ向かいます
広島駅を飛び越し向洋駅で下車
向かった先は広島を代表する企業「マツダ」の本社でした
 

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ここへやって来たわけは
マツダ本社敷地内にある見学施設「マツダミュージアム」での見学ツアーに参加するため
完全予約制のこのツアーということで、ここへ来る前に予約してありました
時間とともにバスに案内されマツダの工場敷地内を走りマツダミュージアムへ
向かう途中も企業秘密があるようで、撮影禁止との事でした
 

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ほどなくマツダミュージアムに到着
まずは歴史展示
東洋工業時代の3輪トラック
「TCS型」(1935年発売)3輪トラックと、「GB型」(1949年発売)3輪トラックから説明が始まります
 

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続いて「T2000」(1957年発売)3輪トラック
その奥に見えているのは「R360クーペ」とボンゴの初代モデル
 

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これは私にも見覚えがあります
「コスモスポーツ」(1967年発売)
といっても実写を見たのはこれが初めて
見覚えがある理由は『帰ってきたウルトラマン』怪獣攻撃部隊MATの専用車両として
憧れの車として見ていたからでした
まぁそれ以外にも世界初2ローターRE搭載量産モデルとしての価値のある車だったりします
 

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続いて「コスモL」(1979年マイナーチェンジ版)
そして「サバンナGT」
これは「日本GP」優勝車の市販バージョン(最高出力120馬力の12Aエンジンを搭載)
安価なスポーティーカーとして人気があったそうです
 

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「初代サバンナRX-7」(1978年発売)と「アンフィニRX-7」(1991年発売)
とロータリーエンジンの車がずらり
というかこれはマツダのこだわりなんでしょうね
 

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やはりマツダといえばロータリーエンジン
ロータリーエンジンのコーナーももちろん有りました
手前からコスモスポーツに搭載された、世界初の量産型ロータリーエンジン「10A」
その奥がルーチェロータリークーペに搭載された13Aとロータリーエンジンがずらり
 

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サイドハウジングが取り外され、内部が一目瞭然のロータリーエンジン
まゆ形のローターハウジング、三角形のローター、その中に通されたエキセントリックシャフトなどが見ることが出来ます
分解モデルも展示されていました
 

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ロータリーエンジン展示スペースの目玉がコレ
1991年のル・マン24時間レースにおいて総合優勝を果たした
787B 55号車
 

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ルマン優勝車をここで保存するため
レースには出ずに787Bは追加製造されているのだとか
まさに貴重な一台ですね
 

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レシプロエンジンモデルももちろん展示
「ユーノス・ロードスター」(1989年発売)
サイドに貼られているステッカーは、この初代ロードスターが累計生産500万台となった言うことでしょうか
「オートザムAZ-1」(1992年発売)などなど
 

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続いて技術展示
ですが、その前に安全性
衝突実験で使用されたCX-5ですが
ボンネット周りはこれでもかと壊れていますが、乗車スペースは無事というもの
 

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その秘密はということで
まずはボディ
ここではCX-5をモデルに展示されています 
 

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そしてマツダの新世代技術「スカイアクティブ・テクノロジー」
マツダ車の平均燃費をグローバルで2008年比で30%向上させる技術の集大成
 

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ダッシュボード周りのアッセンブリをみたら
次はいよいよこのツアーの目玉
宇品工場の組み立てラインに潜入です
 

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もちろんここも撮影禁止
下の動画のような組み立てを直に見ることに
にして広々とした工場でしたが人は数えるほど
次々とクルマが組み立てられていくのですが、なんだかロボットが勝手に車を作っている
そんな感じでした
 


 
未来展示でマツダの将来展望を示していただき
マツダミュージアム見学ツアーは終了
zoom-zoom !と楽しませていただきましたが、マツダはいくらハイブリットやPHVが発達しようとも2030年になっても、ガソリンエンジンがまだまだ主流
ガソリンエンジン好きにはたまらない話ですし
それに加えマツダのロータリーエンジンに対する思いはこのミュージアムで散々見せつけられました
現在マツダのロータリースポーツプロジェクトが再活動しているそうですが
またいいロータリーエンジンの車を作ってもらいたいものです
 

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ちなみにこの後、広島のバスターミナルへ戻りますが
流石は大勢の方が働く本社及び工場
すぐ前からバスが出ていました

原爆ドームと平和記念公園

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マツダミュージアムを見学した後、バスで広島バスターミナルへ
その後所用を済ませ向かったのが、ひろしま美術館
ここで「開館40周年記念 ブリヂストン美術館展 珠玉の石橋財団コレクション 印象派からピカソまで」を見学
弾丸旅行の合間ではありましたが
ピカソ、ルノワール、ゴッホ、マティス、モネ、ドカ、マネなどの名画を鑑賞し癒してもらいました
その後、広島に来たのなら行かねばならぬ場所へ
 

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それが・・・・
1945年8月6日午前8時15分
広島市街の600m上空で爆破。中心温度は100万℃
原爆の投下により、広島県産業奨励館の建物は一瞬にして大破し、天井から火を吹いて全焼、中にいた30人余りの人々は全員死亡したと伝えられています。爆風がほとんど真上から働いたため、壁の一部は倒壊を免れ、ドームの鉄枠とともに象徴的な姿をさらしました


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その広島県産業奨励館が俗にいうところの「原爆ドーム」
この悲劇が二度と起こらないようにと1996年世界遺産へ登録されました
ただし奇跡的に原型を留めるこの原爆ドームですが、実際には補強しなければこの姿を将来に残すことはできません
保存のためだからといってどんどん手をかけるのは好ましくなく、文化財としての配慮を行いながら補修工事を進めていくためですが、現在は鉄骨による耐震対策や補強のみが行われているようでした
 

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夕日を浴びる原爆ドームですが、その前の元安川に観光船が見て取れました
翌日、とある飲食店でたまたま居合わせた方から聞いたのですが、何やらここ平和記念公園と宮島を行き来きする世界遺産航路の高速艇が有るのだとか
たまたま撮った写真にその高速艇が映っていましたが、世界遺産を2つとも見れるなかなか効率的な移動手段がここに有りました
 

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伊勢志摩サミット出席後の2016年5月27日
時の合衆国大統領バラク・オバマは現役大統領として初めて
内閣総理大臣安倍晋三とともに平和記念公園を訪問、広島市民が見守る厳戒態勢の中
この原爆死没者慰霊碑に献花しました
そしてその後、あの17分もの名演説が生まれました
多くのアメリカ国民がそうであるように私自身もあまり好きではない大統領ですが、あの演説は、ただただ素晴らしかった
「Yes We Can!」の掛け声とともに、大統領に上り詰めた男の本領発揮といったところでしょうか

どこぞの国なら罵声雑言が飛び交うだけではなく、本当に何かが飛んできてもおかしくはないそんな行為でしたが、広島の方々は友好国の大統領を快く向かい入れてくれました
そうこの時、もしも何かが有れば今後、ここを訪れるアメリカ人は居ないそんな瞬間だったんです
私自身オバマ大統領に対しては、今回の勇気ある訪問に喝さいを贈りたいそんな気持ちでこの様子をTVで観ていました
 

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おのオバマ大統領のこの平和記念公園の原爆死没者慰霊碑での献花・演説の効果は高かったのでしょう
その後、今までここを訪れて良いのだろうかと迷っていたアメリカからのお客さんの迷いをものの見事に払しょくしたようで、今回原爆死没者慰霊碑を訪れた際はびっくりするくらいの多くの白人系の観光客を見かけました

広島出身の漫画家 新久千映が人気マンガ『ワカコ酒』の中で
最近広島名物として話題の『ウニクレソン』を紹介していましたが、ワカコ酒が愛読書の一つである私としては、広島に来たのなら宮島の牡蠣とならびこれは必ず食さねばならぬと心に決めていた料理でした
 

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そのウニクレソンなる料理が食べられるのが
老舗鉄板焼屋 中ちゃん
お店のある場所は広島中区の歓楽街のなかでピンクの看板が煌めく、もっともディープな場所に位置しています
そのうえ店舗もプレハブというか屋台風で何だか怪しげな雰囲気を漂わせていました
 

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ちなみに開店時のれんがかかった時点で客は私ども以外におりませんでしたが、その後やってきた飛び込みの客は残念ながら予約で一杯との事で皆返されてました(1ヶ月以上前に予約しておいて良かった)
店の中央の棚の上には店主らしきかたの写真が飾られていましたが、これが初代の名物店主中迫さんこと「中ちゃん」の写真(遺影)だったようです
 

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さてまずは生ビール(アサヒスーパードライ)をいただき
食べ物を頼みますが、まずは手書きのおすすめボードから
ミルガイの刺身を頼みます
 

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続いて出てきた牛スジの煮込みが絶品
これは日本酒が合うでしょうと、広島の地酒たる冷や酒を頼みましたがこれが美味い
どうやら明日は予定していた行事を早め、時間を作り東広島の酒蔵見学して歩かねばならぬようです
 

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さて前述のワカコ酒に登場する「ウニクレソン」
その元祖と言うか本家たる「中ちゃん」でウニクレソンを頼まねばここに来た意味が有りません
店主らしき方にオーダーすると、クレソンを炒めたうえに、箱ウニの半分ぐらいの量のウニを投入
札幌に住んでいる私にとってウニといえば北海道の積丹あたりを思い浮かべてしまいますが、この日使われていたのは山口産
聞くところによると広島県のお隣りである山口県北浦もウニの名産地だったようです
ただしバターは北海道産の雪印のバター
豪快に切り分けたっぷり鉄板に投入し炒めるのが、中ちゃん流なのか、バターが隠し味になっているようでした
 

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ウニクレソンの皿の上には鉄板で軽く焼いたバゲッドが載っていますが
このバゲットにウニクレソンを載せて食べるのはもちろん
皿に残ったウニの絡まったバターソースはバゲットを浸して食べると絶品でした
 

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他には本日のおススメから煮付ののどぐろを頼みますが
実はこれが人生初ノドグロ
これが脂がこってりのっているうえ、鷹の爪が効いていて絶品
あまりにも美味しかったので翌日も小料理屋さんで時価とあったのにも関わらず頼んでしまったほどです

 

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鉄板焼きの店らしくステーキも柔らかく美味しいのですが、店の雰囲気とは裏腹に
マスタードはフランスのポメリーが使われていたりとかなりの本格派な料理でした
 

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店主の焼くお好み焼きを見て
〆はやはりお好み焼きとも思いましたが
 

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店主との会話も弾んだこともあり、メニューにない常連さんのためのメニューであろう中華そばを頼んだところ、快くOK頂き出てきたのこいつ
博多のラーメンを思わせる豚骨スープの中太のストレート麺のそばでした
 

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こうして2時間余り楽しませていただきましたが、料理も会話も楽しくまた広島を訪ねることが有ったら是非とも再訪したいものです

さて広島観光2日目
この日はもともと海軍・海上自衛隊オタクの聖地、呉をゆっくり巡ぐるつもりでおりました
ところが広島に来てからというもの、飲食店で提供される地酒があまりに美味く
どんな酒蔵で醸しているのだろうと興味が湧いてしまいました
これは軍オタの愉しみは半分に抑え、その分、酒蔵巡りをすることに方向変換
というこで広島2日目も早朝にホテルを出てJR山陽本線から呉線と、この日は東へ向かい
朝8時前には呉駅にたどり着くこととなりました
 

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呉駅からは広島電鉄バスに乗り替え
「潜水隊前」バス停で降車、向かった先は海上自衛隊オタクの聖地「アレイからすこじま」でした
この公園は呉市の日本遺産に指定される公園
その昔、横須賀・佐世保・舞鶴とともに呉が海軍の本拠地だったことを偲ばせるエリアです
 

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現代においても海上自衛隊の潜水艦と護衛艦がイカリを下ろす
日本の防衛の中心地となる拠点であります
 

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戦前は呉海軍工廠や兵器製造所前の岸壁であった場所で、どうやらここは市民活動家に左右されていないの地域なのか?呉市が護岸沿いに細長い公園として綺麗に整備されていました
私の住む北海道ではとうてい考えられない話です
例えばこの「旧魚雷揚げ下ろしクレーン」
呉港が軍港だった時代、魚雷などの揚げ下しに活躍した経歴を持つクレーンですが
烈しい空襲に見舞われたはずが、奇跡的に戦火を潜り抜け、移設されたうえモニュメントとしてアレイからすこじまに現存しています
私の住む北海道、そうですね小樽辺りの港ではこうしたモニュメントなんてはちょっと考えられないですね

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旧魚雷揚げ下ろしクレーンの奥に見えるのが音響測定艦「 ひびき」
船尾からソナー(監視用曳航アレイセンサーシステム)などを海中へ投じ、それを曳航して潜水艦など海中の各種音響情報を収集する船で
荒天時でも低速で安定した航行が求められることから半没水双胴船になっているのだとか
 

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遊歩道を少し歩くと立入禁止区画が・・・
そうこれが海上自衛隊の潜水艦桟橋
 

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ここアレイからすこじまは
国内で唯一、潜水艦を間近で見ることができる公園なんです
船体に音を吸収する真っ黒なラバー?が貼られていることから
見た目はまさに鉄のクジラでした
 

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潜水艦桟橋に停泊し
後方から噴煙を上げていました
暖機運転なのかいつものチェックなのかはわかりませんが
こうした潜水艦たちが海底深くに潜り日本を防衛してるんですね
なんとなく身が引き締まります


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アレイからすこじまから基地沿いに少し歩いて昭和埠頭前まで来たところ、大きな船に出逢いました
それが「輸送艦 おおすみ」
先般のた熊本地震のさい災害派遣など人道支援に随分と活躍しているようです
本来の性能としては揚陸艇や陸上自衛隊の戦車を格納出来るそうですが
全長が180mもあることから、よく空母と間違えられるのだとか
実際に将来はオスプレイの搭載も考えているようだ
 

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こんな感じで20分ほどアレイからすこじまで自衛隊艦艇をぼーと眺めましたが
この日は天候も良くまさに海上自衛隊に萌え日和な一日でした
ちなみにこれらの船は翌日となる日曜日に護衛艦の一般公開が行われていて
実際に護衛艦のデッキにも上がれるそうなんだとか
う~ん、残念
又の機会を模索します

さて昭和埠頭前からバスで呉駅に舞い戻り
次は海上自衛隊呉資料館 てつのくじら館へ

アレイからすこじまからバスで呉駅に舞い戻り
次に向かったのがこの陸上に揚げられた潜水艦が行く手を遮るような施設
海上自衛隊呉資料館「てつのくじら館」でした
 

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開場時間である朝の9時少し前ではありましたが,、てつのくじら館はすでにオープンしておりました
1階ロビーのカウンターで海上自衛隊の職員なんだろうな~と思える方に受付し、パンフレットをもらって入場いたしますが、なんとこの資料館の入館料は無料なんだとか
何だか得した気分でした
 

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2階にあがりまず出迎えてくれたのが、この機雷
1991年、自衛隊にとって初の海外実任務となったペルシャ湾の機雷の掃討を行った、さいに持ち帰った LUGM-145機雷
もっとも勝手に持って帰ったわっけではないと思いますが・・・
 

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ところでその「掃海」
海上自衛隊の掃海能力は世界のトップクラスと言われています
きっかけは戦中、アメリカ軍が「飢餓作戦」の名のもとに近海にばら撒かれた
機雷の処置、あのアメリカがこの機雷の処置のため海軍を解体させずに掃海に当たらせたのがきっかけでした
お陰で対機雷の掃海能力は世界一へ
そのうえ掃海艇の数は世界一
そうした掃海艇はペルシャ湾の機雷の掃討においては、アメリカ軍やイギリス軍、の嫌がった海底に潜む磁気機雷を担当、全て撤去したとの事でした
 

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そんな活躍を伝えるのが2階の掃海艇のフロアは掃海艇甲板を再現していました
機雷を銃撃して破壊する機関銃も見て取れますが
 

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こうした遠隔操作の海中ロボットや
 

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アザラシ顔の機雷処分具のフロートも見て取れます
これは掃海時に使用する音響掃海具というものを、この浮きに吊り下げて使用するのだそうです
 

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鑑載対潜無人ヘリコプターDUSHも展示されていました
 

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続いて「潜水艦の活躍」の館内生活のコーナー
 

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海軍カレーで有名な潜水艦での食事ですが、
食堂のイスには潜水艦内の狭いスペースを生かすため
ジャガイモや玉ねぎの収納場所になっていました
 

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実際に艦内で使われていた潜望鏡で館長気分を味わったり
 

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就寝用のベットも実際に試せるので寝てみました
トイレやシャワーは節水を呼び掛けています
 

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続いて現役だった潜水艦「あきしお」の現物を見学
1986年に就役し、2004年に除籍
全長76.2m×幅9.9m×深さ10.2m 乗員:約75名を載せるあきしお
スクリュープロペラは最高軍事機密に属するので、それは取り外され、別のスクリューが取り付けられていました
 

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狭い館内の発令所では自衛隊OBでこの船に乗船していたボランティアガイドさんのガイドで見学
 

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こうした潜望鏡がNIKON製で数千万することや
(ちなみにNIKONはこの潜水艦を造った三菱重工のグループ企業と言うことは知らなかったようです)
 

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魚雷室をその発令室からガラス越しに眺めた様子や
おそらくはこの船で一番重要なソナー室も遠慮なく見せてくれます
きっと現行の潜水艦はこの船から見たら遥かに進歩しているんでしょうね
 

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朝一の入館だったので観覧客もほとんどなく
ちょっと動画に収めてみました
それがコレ
 


 

一通り見た後
ミュージアムショップに立ち寄りますが、あとが詰まっていますので
ここは素通り
 

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そうそうゆったり動画を取っている最中
我が家の奥さんがこの潜水艦「あきしお」の陸揚げの説明写真を見ていたそうですが
私は見損ねてしまいました
けれど後で見つけた動画がこれです
 


 

さて海上自衛隊呉資料館「てつのくじら館」を速足で巡りましたが
次はいよいよ夢焦がれていた「大和ミュージアム」へ向かうこととします

平成17年にオープンした「大和ミュージアム」
出来た当初からこれは是非とも見に行かねば思っていましたが、10年越しの夢がようやくかない今回、「大和」を見に行くことが出来ることとなりました
 

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海上自衛隊呉資料館「てつのくじら館」で海上自衛隊の足跡を垣間見た後に向かったのが
向かいにある「大和ミュージアム」でした
双方ともに9時に開館しますが、10時から始まる大和ミュージアムで行われるボランティアスタッフによる「展示解説ツアー」に参加したくて、こちらを後に回しました
 

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さっそく総合受付で受付し入館しますが
常設展のほかに企画展もやっていたので、こちらのチケットも同時に買うことに
 

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その企画展の題名は
『戦艦「長門」と日本海軍』
日本海軍の歴史の中で最も長い期間、連合艦隊旗艦をつとめた戦艦それが「長門」
米国ハワイの真珠湾攻撃を指示する電報「新高山(ニイタカヤマ)登レ 一二〇八」は、その長門から発信されたそうです
のちに旗艦の任を「大和」にゆずった「長門」でしたが、大和を温存させるためなのか
マリアナ沖海戦やレイテ沖海戦などに参加し、各海戦にて損傷を受けながらも
航行可能な唯一の戦艦として終戦を迎えました

そして戦後、アメリカ軍に接収された「長門」は、昭和21(1946)年、ビキニ環礁で行われた核実験の標的となり沈没といった悲しい最期を迎えております


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海軍記念日の広報ポスターにはその長門のイラストが使われていました
国威発揚に使われたのでしょう
二番館の「陸奥」とともに国民から「日本の誇り」として広く親しまれたそうです
 

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展示物を見て回りましたが
結構撮影禁止と書かれたものが多かったように思えます
 

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姉妹館「陸奥」のその装甲板とボルトも展示
ちなみにこれも「陸奥鉄」
戦前に製鉄されたため陸奥の船体の鉄はコバルト60という放射性物質が含まれていないことから、微量の放射能を測定する装置に使われているのだとか
貴重な鉄のようですね
 

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ここ大和ミュージアムには陸奥に関する展示が他にもあり
玄関前のレンガパークには主錨
そしてその奥には「陸奥」の誇る世界初の41センチ砲の砲身が展示されていました
 

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そんな『戦艦「長門」と日本海軍』展を見ている間に
そろそろお目当ての大和ミュージアムのボランティアスタッフによる「展示解説ツアー」が始まるようなので、そちらに移動することに

大和ミュージアム展示解説ツアー

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2005年に開館して以来、絶えず多くの客が訪れる「大和ミュージアム」
もっとも正式名称は「呉市海事歴史科学館」ですが
愛称のほうが名が通ってしまったようですね
開館から13年が経過しましたが、今回ようやく夢がかなって訪れることが出来ました
 
このミュージアムは戦艦「大和」を通して科学技術や平和を学び、体験もできる場として呉市を設立
開館までは「戦争責任」について様々な意見が出たようですが
「歴史認識についての判断は来館者個々に任せる」という方針を貫いているようです

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ということでまずは「大和ひろば」へ
ここにはミュージアムの目玉である
10分の1スケールの戦艦「大和」がまるでドックに浮かんでいるかのように鎮座しております
その戦艦大和ですが、現物は全長26.3メートル、基準排水量64,000トン
45口径46㎝の主砲を9門搭載したまさに世界一の大戦艦だったのが、この10分の1の大和を見てもある程度想像ができますね
戦艦大和建造など軍事や戦争によって発達した産業技術そのものが、造船技術のみに収まらず、その後の日本の工業技術の発展に寄与したというのがこのミュージアムのテーマだったりします
 

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ところでこのミュージアム
独自で見て回るのもいいのですが、午前10時と午後2時の2回ボランティアガイドによる「展示解説ツアー(参加無料)」をやっているとの事をホームページで知りました
内容は1階展示室(大和ひろば・呉の歴史・大型資料展示室)を約70分かけて解説してくれるとの事
そう9時に開館するのに、その前に「てつのくじら館」や企画展である『戦艦「長門」と日本海軍』を先に見て回ったのはこの展示解説ツアーの解説の元、見て歩こうと考えていたからです
 

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「呉の歴史」展示室
戦前は戦艦「大和」を建造した東洋一の軍港、日本一の海軍工廠の街として栄えた『呉鎮守府』を展示物で見せてくれました
そう戦艦大和がいきなり造れるはずもなく、その匠の技はもともとこの呉に現存したものだったようです
 

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次に見えてきたのがこの戦艦 「金剛」で使用されていたヤーロー式ボイラー
実物で1993年まで、暖房用のボイラーとして現役で使われていたんだとか
マネキンが今にも動き出し石炭をくべる、そんな様子が再現されていました
 

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技術という「モノ」が持つ素晴らしい技術の集大成
それがここ大和ミュージアムのテーマの一つ
その技術は日本の復興と高度成長を支えたんでしょうね
 

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巨大な船を造るべくして生まれた特殊なリベット接合や溶接技術
その後、造船技術の主流となる技法の大部分がこの戦艦大和の造船とともに生まれたようです


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特にこの大和に搭載された150センチ探照灯反射鏡サーチライト
12k先まで照らすのだそうですが、今では製造するのすら困難だそうで
一個作るのに何千万掛かるか、もしかすると億そんな製品なんだそうです
 

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戦艦「大和」設計図面については敗戦直後に多くの記録が焼却処分にされたそうですが
そこは蛇の道は蛇、捨てられなかった設計図も極秘に残されたようです
けれどそんな戦艦「大和」の正確な設計図は数枚しか現存していないそうです
 

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そう戦艦大和の機密保持は厳重を極め当時の最高軍事機密
日本国民にも秘匿され、8月8日の進水式も秘密裏に行われたくらいです
機密保持からその進水式は公表されることもなく、高官100名と進水作業員1000名が見守るだけで、世界一の戦艦の進水式は行われたんだそうです
そんなわけで進水式に配られるはずの記念品も処分されるはずが、こうして現存するものもあるのは極秘に持ち帰ってくれた方のおかげですね
 

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展示されている戦艦「大和」の備品や乗組員の遺品
実際にかなりの遺品が残っているのですが、そのわけは沖縄特高の際
燃料が足らず極力船を軽くするため寄港地の徳山湾(山口県)で、乗組員たちは沖縄特攻に際し、遺書・手紙・葉書などに家族への思いを託したうえ
こうした品物も寄港地で下して出撃したそうです
 

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戦後4回の海底探査が行われ
引き揚げられた大和の遺品なども展示されています


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そんな遺品の中には日本酒の一升瓶や写真のビール瓶などもありました
ちなみにビール瓶には「ンリキ」という文字が
そう戦艦大和ではキリンビールが飲まれていたんですね
この事実にキリンビール関係者はかなり喜ばれたんだそうです
 

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2016年の呉市による深海撮影調査プロジェクトにおける
東シナ海の水深350メートルの海底に眠る現在の戦艦「大和」の映像がこれ
サルベージも計画されたようですが、このまま眠らせてあげたいものです
 


 


大和ミュージアムでは戦艦大和のみではなく呉にまつわる他の展示物もありました
そのひとつ
潜水艦(伊400)
全長122m もあり、第二次世界大戦中に就航した潜水艦の中で最大
戦後アメリカに接収されましたが
それまで対艦兵器としか見なされていなかった潜水艦の用途を一変させ、第二次大戦後の潜水艦の設計・運用姿勢に大きな影響を与えた結果、核の時代の弾道ミサイル発射能力を持った米軍潜水艦に行き着いたとのことです
まぁ日本にはこうした潜水艦を造船する能力は今も健在
てつのくじら館やアレイからすこじまでたっぷりと見ていました
 

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さて続いて「大型資料展示室」へ
ここには「負の遺産」として戦争の悲惨さを伝えていく貴重な資料が展示されています
 

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まずは戦艦大和の46cm主砲弾
星野之宣著「ヤマタイカ」の中で現代の米潜水艦に攻撃を仕掛ける様子が描かれていますが
話の中で「ヤマトの徹甲弾は海面激突時に載頭弾となって水中を直進する特殊暖冬だったとの記述がありましたが、まさにその通りでした
こんな昔に対潜水艦攻撃まで考えていたんですね
 

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「零式艦上戦闘機六二型(ゼロ戦)」
 

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人間魚雷「回天」
 

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これまた戦後、アメリカ軍がすぐに撤収していった「酸素魚雷」
魚雷特有の泡の軌跡が見えないのでアメリカ軍には脅威だったようです
こうした技術もあっというまに流出したようです
アメリカが今でも日本と友好を築こうとしている背景にもう二度と日本とはやりたくない
そう思っているのかもしれません
 

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写真の右手前にあるのが特殊潜航艇「海龍」
2本の魚雷で攻撃、当たらなければ自らが弾頭になるのだとか
こんな話を聞きつつ70分の展示解説ツアーの解説は終了
おかげでたいへん面白く展示物の見学ができました
 


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帰り際3Fから見ると、また違った「大和」が見て取れ
満足の大和ミュージアム見学となりました
 

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さて次は呉の名物「海軍カレー」でも食べに行くとしますか

日本での最高機密にあたるものの一つが、ここ呉で見てきた潜水艦たち
それを「ザ!鉄腕!DASH!!」というTV番組で放映していました
特に国家機密?とも思える海上自衛隊のカレーのレシピも惜しげもなく公開
潜水艦「ずいりゅう」の中っで作る、シーフードとポークの2種類のカレーをTOKIOのメンバーを美味しそうに平らげていました
 


 

そんな海上自衛隊のレシピを引き継ぐ「海軍カレー」がここ呉の海自カレー
海上自衛隊では多くの部隊で毎週金曜日の昼食にカレーが食べられていて「金曜カレー」とも言われています
その理由は諸説ありますが、長く航海している隊員が曜日感覚を忘れないようにするためだとか
 

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さてその呉の海自カレーを食べに伺ったのが、「呉ハイカラ食堂」
大和ミュージアムの橋向かいにあることからか、店の前にはこんな大和の模型が迎えてくれましたが、これは呉海上自衛隊員さんが製作1/30戦した戦艦大和の模型なんだそうです
 

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ちなみにこの呉海自カレーを食べさせてくれる呉市内のレストランの中でこの呉ハイカラ食堂を選んだわけは、潜水艦501そうりゅうの海自テッパンカレーが食べられるからでした
テッパンカレーの名として謳われる鉄板は昔ながらの給食の鉄板容器を思わせるもの
実は艦船内で使用しているものと同じ容器なんだとか
 

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次の予定の迫っている中、20分ほど待たされましたが
スタッフに案内されサブマリンブースへ
 

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頼むのはもちろん海自テッパンカレー
自慢の潜水艦そうりゅうの味を再現した現役海上自衛隊員とのコラボカレー
付け合わせも特徴があり
「元祖!肉じゃが」
世界三大提督の一人東郷平八郎さんが、初めて作らせたと言う和製ビーフシチュー
「クジラカツレツ」
戦艦霧島で考案された昔懐かしいクジラのカツレツ
そしてカレーと言えば牛乳
これらがセットになったメニューが海自テッパンカレーでした
 

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ただし次の予定が10分後
カレーにコクが有り美味しいのですが
ここで8分でこのカレーを平らげ次の目的地に向かいます
そう今回の旅はいつもに比べても弾丸度が増していました
 

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2000年7月4日、ニューヨーク港にて20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う洋上式典が行われ、世界各国の帆船170隻、海軍の艦艇70隻が終結いたしました
遠洋練習航海で西回り世界一周航海の途中で練習艦かしまも、この式典に参加しておりました
その際、同じように寄港していたイギリスの豪華クルーズ客船「クイーン・エリザベス2」
この巨大な船がなんとハドソン川の流れに押し流され、係留中の練習艦かしまの船首部分に接触してしまうといった事件が有りました


 
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実はこの船、以前から見たい見たいと思っていた船でした
というのも
この練習艦かしまにはこんな逸話が残されていたからでした
その逸話が誰が名付けたか「女王陛下のキス」と言われるもので
基本軍艦(まぁ自衛隊艦ですが)を他国の船が傷つけてしまうというのは国際問題にもなりえる重大な事態
当然クイーン・エリザベス側から船長の代理で乗組員の機関長と一等航海士が謝罪に訪れます
その際、練習艦隊司令官だった吉川榮治海将補は
「幸い損傷も軽かったし、別段気にしておりません。それよりも女王陛下にキスされて光栄に思っております。」
とたいへんウィットに富んだコメントを返したそうです
そしてこの話はニューヨークだけでなく、本国ロンドンにも伝わり『テレグラフ』紙や『イブニング・スタンダード』紙でも報道され、その際訪れていた海軍や海上自衛隊などの船乗りの間でも大変話題になったのだそうです
 


 

その女王陛下にキスされた、いやもとい接触された練習艦かしまがこれ
練習艦と言うことで火力等の装備はあまりありません
その代わりではないでしょうが側面には白と藍色が鮮やかな艦隊司令官専用のレア装備の13メートル将官艇が搭載されていました
これは外国で国家元首クラスの高官を接遇することある船と言うことでの特別な装備のようです
 

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さてこんなに間近で海上自衛隊の艦船を観ることが出来たのは
呉艦船巡りクルーズに参加したためでした
このクルーズ、目の前で海上自衛隊の艦船を見るには最高の手段ということで事前に予約を入れておきました
 

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とは言え、「アレイからすこじま」「うみのくじら館」「大和ミュージアム」「呉ハイカラ食堂」での海自テッパンカレーと午前中は分刻みで目まぐるしく歩き回り、このクルーズの受付にたどり着いた時には、すでに乗船が開始されている時間
駆け込み乗船で何とか乗れたという慌ただしさでした
 

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乗船してほどなく出航
1階に暖かな客室がありますが、ここはあえて吹きっさらしの2階のデッキへ
もっともこの日はおかげさまで晴天
絶好の海上自衛隊艦船巡り日和
 

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乗船した皆さんも大多数が、容易に艦船を眺められるデッキに乗船していました
 

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次に見えてきたのは
海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)
 

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F-35Bステルス戦闘機を搭載する
事実上の空母化が話題の海自いずも型護衛艦「かが」
 

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護衛艦さみだれ
汎用護衛艦「むらさめ」型 6番艦で平成12年に就役
アフリカ・ソマリア沖での海賊対処にあたっております
 

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海賊もたじろぐハープーン4連装発射筒を2基備え艦対空ミサイル垂直式短SAM
ついでに62口径76ミリ速射砲を一分間に100発の弾丸を発射する、まさにみだれ撃ちが出来る護衛艦です
 

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続いて護衛艦おおすみ
この船は医療システムが充実していて、手術室も備えているのだとか
 

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初代おおすみ型輸送艦「しもきた」
艦尾側後方に第四甲板を備え
自衛隊の護衛艦としては初の全通甲板を持った船です
 

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岸壁から車両などを積み卸しするためのサイドランプ
戦車もここから出せるとの事
 

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潜水艦救難艦ちはや
潜水艦が不測の事態の際に閉じ込められた乗員を救出することを主たる任務した船
 

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深度千mの深海で対処でき
しかも手術室・レントゲン室などの医療施設が充実しているという
こういつた船があるからこそ深度千mの海底で防衛にあたれるというわけなんですね
 

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DD護衛艦うみぎり
ヘリコプター格納庫の隔壁が特徴の船です
 

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十字舵ということで、これは「おやしお」型
水中吸音材と側面アレイ・ソナーという2つの新開発装備の導入された
日本の潜水艦能力を世界に知らしめた潜水艦です
 

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続いて最新刊らしきX舵の潜水艦もありましたが、これは「そうりゅう」型なのでしょう
そう先ほど食べた「海自テッパンカレー」はこの一番艦そうりゅうのレシピを元に作られていたんでしたね

ちなみにこのそうりゅう型潜水艦のステルス性は極めて高く、敵に見つかる可能性は非常に低い潜水艦で、限界深度に関しては世界最強の潜水艦であるシーウルフをはるかにしのぐと言われていて
あの中国のメディアがアジア最強クラスと謳うほどの性能を有しています

しかも今年10月進水した最新鋭潜水艦「おうりゅう」はリチウム蓄電池を搭載
これまで最大2週間程度だった潜航期間が「格段に伸びる」との報道もありました
 

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こうした潜水艦の抑止力で今後もアメリカと変わらぬ広さを持つ日本の領海を護ってくれることでしょう
こうして呉艦船クルーズで海上自衛隊萌を楽しんだ後は日本酒の聖地
東広島・西条を目指します

映画「恋のしずく」
日本三大酒処の一つとして有名な東広島市・西條を舞台に、伝統文化の象徴である日本酒造りを軸としながら、その土地で暮らす人々の生活、そして幻の日本酒を巡る出会いと別れを繊細に描いた心温まる珠玉の作品
私の住む札幌では何と今日からの映画公開と言うことですが、公開期間が短いこともあり残念ながら観に行くことが出来ないようです
 


 

そんな映画のロケ地となった「東広島・西條」
呉市での海上自衛隊萌え観光を早めに切り上げ、JR呉線・山陽本線を乗り継ぎやってきました
JR西条駅を降りるなり、かすかに日本酒を醸す香りがしてきました
そうここ西條市は駅の東側に8社もの酒造施設が密集する酒蔵の街
赤い煉瓦煙突を看板代わりにした西条独特の酒造会社スタイルの醸造元や、土蔵造りの酒蔵群が駅前の酒蔵通りに並んでいます
そんなわけで街を歩いているとこんなマンホールを見かけます
「酒都・西條」「酒蔵通り」と書かれていますが、まさにここは酒都なんですね
 

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まず西條酒蔵通り観光案内所へ行き
「西条酒蔵通り そぞろ歩きマップ」を入手するとともに情報を仕入れます
 

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ということで最初に訪れる蔵は「賀茂泉酒造」
大正元年より100年以上続く老舗の酒蔵で、純米酒の概念がなかった昭和40年から純米醸造にこだわりもち醸造していて、純米酒のパイオニア的な酒蔵として知られています
酒蔵見学もやっているようですが、残念ながら平日のみの営業となっていました
 

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そんな休日は蔵は閉まっていますが、隣接する「お酒喫茶 酒泉館」はやってました
特に観光案内所では賀茂泉酒造のお酒が常時20種類以上、飲み比べができるという喫茶コーナーがあると聞いたのでやってきました
ちなみにこのお洒落な洋館は旧広島県醸造試験場を利用しているのだとか
 

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館内にこんな昔の醸造に使われたのでしょう、こんな展示品を見かけました
ブラシが付いているので何かを洗う機械だとは思いますが、実際には何を洗う機械だったのでしょう
酒瓶にしてブラシが大きいし、桶にして小さいような気がします
 

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お酒喫茶に入ると
店内には酒粕を使った商品「酒粕かりんとう」や「酒粕豆菓子」「美酒カレー」も並べられています
そう酒蔵から出る酒粕の副産物化は今後の酒蔵のテーマでもありますね
 

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あいにく席は満席でしたが、そんな私たちを見て相席でどうですかと、話しかけていた方のご厚意で何とか座ることが出来
頼んだ日本酒は「ザ・賀茂泉飲み比べセット」
これは賀茂泉の本仕込バリエーション5種
内容はと言うと
「純米吟醸生酒」
「朱線 本仕込賀茂泉」
「緑線 本仕込賀茂泉」
「山吹色の酒」八反錦を使った純米
「純米吟醸酒(古酒)」
こいつは淡い色がついたお酒でちょっと引かれるお酒です
これを何と540円で提供してくれました
 

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さてせっかくなので、このペースであと六軒
飲みながら巡るつもりです

西条酒蔵巡り二軒目は福美人酒造へ
大正6年創業の酒蔵で、他の老舗酒蔵と比べればそれほど古くはない創業ですが、大正10年から全国酒類品評会の最高位を3年連続受賞するなど「技術の福美人」と謳われている酒蔵です
なお福美人酒造は酒造の要となる杜氏を育て酒造りを継続させるため、全国の酒蔵が出資をして創った酒蔵で、酒都西條において酒造学校と呼ばれていて、写真左側にある学校から多くの杜氏を輩出、全国に巣立っていったんだそうです
 

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蔵の前には醸造を待つ酒米が並んでいますが、これは兵庫の山田錦、広島の八反錦錦でしょうか
それとも他の酒好適米、なんだかとても気になります
 

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さて早速、酒蔵を利用したという資料展示室、売店兼試飲コーナーに潜入します
 

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資料展示室にはどこかで見たのとまったく同じ色紙が並べられていますが、どこぞの芸能人の書いた色紙とはちょっと違います
というのもその色紙は歴代首相が書かれた書
ゴールデンウイークに沖縄のまさひろ酒造でみたのと同じ、歴代総理大臣の『國酒』と書かれたものが展示されていました
ちなみにこれは偶然ではありません
というのもこれは『國酒プロジェクト』によるものだからです

発端は30年前、大平内閣のとき、日中国交回復の晩餐会にてホスト国である中国が自国の酒「白酒(パイチュウ)」でカンペーし日本を歓待した。これを受けた当時の大平首相は、日本には伝統の酒である日本酒や焼酎があるのに、我が国での外交晩餐会はフランス料理にワインなどで乾杯をしている。これはいけないと思い立ち、日本酒・焼酎を「國酒」と命名し、乾杯の際に使用することを提案した
そうここ福美人酒造は國酒プロジェクトに選ばれた蔵なんですね

 

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陶器の酒樽も並んでいます
木樽も確かに風情がりますが、やはり木の香りは吟醸酒には邪魔なこともあり
こうした陶器製で樽を作ったのもなんとなくわかる気がします
ちなみに福美人の陶器製干支ボトルもかなりの人気のようです
 

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広島カープを経営難から救った募金に使われた初代の酒樽も展示されています
チーム設立当初、大きなスポンサーもなく経営難に苦しんでいた広島カープ
市民が球場前に募金箱として酒の四斗樽を置き募金を募ったのがこの「たる募金の樽」なんだそうです
 

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さて続いて売店兼試飲コーナーへ


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売店には福美人の銘酒がずらりと並びます
 

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映画『恋のしずく』公開を記念して、限定発売された「純米酒 恋のしずく」もありました
同様のものが映画の撮影地になった、ここ広島西条にある九つの蔵(賀茂鶴酒造・西條鶴醸造・白牡丹酒造・柄酒造・賀茂泉酒造・亀齢酒造・福美人酒造・山陽鶴酒造・金光酒造)から提供されているのだとか
 

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酒蔵巡りはまだまだ続きます
荷物は持ちたくないのでここは試飲のみ
ここ福美人では蔵内限定酒
大吟醸原酒 200円をミニカップでいただくことに
 

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さて次は映画『恋のしずく』のロケ地となった賀茂鶴酒造へ

吟醸酒の先駆け「賀茂鶴酒造」

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今から5年前、日米首脳会談のためオバマ米大統領が来日
東京都内の高級すし店「すきやばし次郎」で安倍晋三首相と夕食をともにしたのが話題となりました
 

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(日本経済新聞HPより拝借)


寿司をつまみつつ酒を酌み交わされたのですが、その時の日本酒の銘柄は賀茂鶴酒造の大吟醸「特製ゴールド賀茂鶴」でした
ということで西条酒蔵巡り三軒目の酒蔵は「賀茂鶴酒造」
蔵の前ではそんな大吟醸酒のもろみを絞ったのかと思わせる木綿袋を干していました
 

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酒蔵通りにある加茂鶴酒造本店から
酒蔵見学者の案内表示に導かれ入っていきますが
蔵元の中は綺麗な白壁の蔵が並びます
建物からも伝統を感じますが、それもそのはず
1623年(元和9年)醸造業をなりわいとし創業する老舗中の老舗酒蔵
明治6年に酒銘を「賀茂鶴」と命名し、そのころから先進的精米技術を取入れ
昭和33年、安倍首相がオバマ大統領と交わした大吟造「特製ゴールド賀茂鶴」を発売した酒蔵です
 

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残念ながら蔵の中の醸造見学は平日のみなので、この日は入れません
替わりに賀茂鶴見学室と書かれた建物に入ることにします
 

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まずは酒造りのビデオ上映を
ここには純米吟醸 一滴入魂のポスターが誇らしげに貼られています
 

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酒造りで使用している賀茂鶴酒造の広島産にこだわった酒造好適米の数々
広島県には八反米や八反錦、こいおまち米などの酒造好適米が展示され
 

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酒造りに使われる道具の数々
 

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協会〇号の酵母、「ふるい」などなど
 

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そう試飲コーナーで目にしたのが協会5号酵母で醸された
【蔵元限定品】純米吟醸「五」
そうこの賀茂鶴酒造で使われた酵母は協会五号の名のもとに全国の蔵に配布された発祥の蔵だったりします
他にも特別本醸造 超特撰特等酒や
「賀茂鶴」を杉樽に貯蔵し、 杉の香りが移った最高の飲み頃時期に瓶詰した「樽酒」
そして賀茂鶴 しぼりたて 新米新酒
これらを試飲しましたが物足りなく
 

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有料試飲コーナーで
大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴
大吟醸 双鶴賀茂鶴
純米大吟醸 山田錦 賀茂鶴
と大吟醸酒の先駆けの蔵の酒をいただくことに
 

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試飲の後は直販コーナー
 

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特製ゴールド賀茂鶴も並んでいましたが、この後巡る酒蔵を鑑みここはパスすることに
 

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蔵から出たところに風情のある建物に出会いました
それが近代日本画壇の巨匠である児玉 希望(こだま きぼう/1898~1971)画伯が、生前に暮らしていた邸宅兼アトリエ
池泉を配した閑静な平屋造りで釘を一本も使わずに建てた純日本建築
何故かここに鎮座していました
 

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ちなみにすきやばし次郎で特「製ゴールド賀茂鶴を嗜んだオバマ大統領は帰国する際に山口出身の安倍総理から「獺祭 二割三分」を土産に持たされたのだとか

西条酒蔵巡り四軒目の酒蔵は
1903(明治36)年創業の亀齢(キレイ)酒造
残念ながら伺ったのは土曜日と言うことで、蔵の中へは出入りできなかった
 

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とは言え隣接する酒蔵を改装した土産物店「万年亀舎(まねきや)」はやっていましたので
暖簾をくぐり立ち寄ることに
 

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ここ万年亀舎では亀齢の酒の販売、試飲
そしてお酒にまつわる物品、醸華町うどんなどのオリジナルのおみやげを販売しています
 
 
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そうそう亀齢酒造はもとは吉田屋という屋号でしたが、
明治に入ってから「鶴は千年、亀は万年」の言葉にあやかり、長命と繁栄の意を込めて「亀齢」と名づけられたんだそうです
万年亀舎ではそんな亀齢のシンボル「亀」の剥製も飾られています
 

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さて試飲ですが、元の屋号から名付けた「吉田屋の酒(蔵元限定酒)」を頂くことに
甘口が多いここ西條の酒蔵にあって、唯一“すっきり辛口”を貫く酒造りをしている亀齢酒造だけあってさらりと飲める一杯でした
そう純米酒はお米本来の味である甘いものと言う人もいます
そうした純米酒が日本酒本来の味と言う方も多いでしょうが、私自身はこうした吉田屋の酒のように「醸造アルコール」を添加されたお酒も好きだったりします
そう好みの日本酒でした
 

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西條の酒蔵巡りも三軒目
酔いも少し回ってきましたが、次はこれまたすぐ近くにある「西條鶴酒造」へ

西条酒蔵巡り五軒目の酒蔵は
創業明治37(1904)年
昭和44年には日本酒で最初の防腐剤無添加酒を発売したことで有名な「西條鶴酒造」へ
 

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天保時代発祥の酒蔵で、明治中期に建てられた酒蔵がそのまま現在も現役で使われていて風情があります
蔵の佇まいに歴史を感じさせます
 

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屏風の前に陶器製の樽を展示している小上がりのような部屋の前に置いてある竹
京都の老舗料亭などで見られた「一言さんお断り」の結界
ここでは立ち入り禁止の境界線としての役目をしているようです
(三和土に置かれた革靴が気になりますが)
 

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さてそんな風情のある蔵を利用した販売所兼試飲所に潜入
蔵の壁には世界的なコンクールのモンドセレクション17年連続で金賞を受賞した証が掲げられていました
 

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ここでは高品質少量生産にこだわる昔ながらの手作りの酒を信条とする宮地充宣杜氏の醸す蔵元限定の酒が売られていました
「純米 プレミアム 13」
「蔵限定 広島伝承地酒 純米吟醸」
「新酒 しぼりたて」
「酒蔵限定 無濾過純米 生」
「酒蔵限定 無濾過純米吟醸」
「酒蔵限定 杜氏入魂の酒 純米生酒」
「純米生原酒」などなど
 

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試飲もやっていたので
冬季限定酒「新酒 しぼりたて」純米原酒
酒蔵限定販売の杜氏入魂の酒 純米生酒を試飲
特に杜氏入魂の酒 純米生酒は広島県産米を使った酒で、アルコール分は17度とやや高いのが特徴
お米の旨味を感じる日本酒
日本酒はこうした小さな蔵で醸されるのが本来の姿かなと思わせる蔵でした
 

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西条酒蔵巡り六軒目の酒蔵は「白牡丹酒造」
1675年(延宝三年)創業といいますから
なんと今から340年以上も前から続く、日本酒の造り蔵ということで
広島酒の中で最も古い歴史をもつ酒蔵なんだそうです
 

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とはいえ前述の家内制手工業的な「西條鶴酒造」とは真逆な
現代的な生産体制を整え大量生産できる蔵でその生産量は全国でもトップ30に数えられるのだとか
そんな白牡丹酒造の酒蔵見学は予約のお客様のみの対応
広島に来てからお店で広島の酒を飲み急遽、ここ東広島の西條の酒蔵巡りを決めた我が家が予約しているわけもなく
白牡丹酒造展示室の見学のみとなりました
そんあ展示室に潜入
まずは入口ショーケース
ここには白牡丹酒造の醸すお酒が 並べられています
 

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奥に入ると醸造用の甕・桶など旧来の酒造りに使われた道具
 

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そして白牡丹の酒をこよなく愛した
棟方志功の版画作品やラベルが展示されていたり
 

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甘党のうえ下戸として知られる夏目漱石も先々代社長島博象三との交友が永かったようで
胃弱で酒も多くはたしなめぬが、白牡丹だけは別と「白牡丹李白が顔に崩れけり」と白牡丹の酒は酒仙であった李白の顔も崩れるほど旨いと詠んでいたりもしてそれが紹介されていました
 

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(白牡丹HPより拝借)


そうそう全国新酒鑑評会金賞受賞の賞状がずらりと並んでいますが
その全国新酒鑑評会を行っている組織が「独立行政法人 酒類総合研究所」は
ここからほど近い広島県東広島市鏡山にあります
ここ東広島は日本酒の聖地なんです
 

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さてこの白牡丹酒造の玄関にはここに伺った際上映中だった日本酒映画「恋のしずく」の下に
今年秋に上映が予定されている映画「吟ずる者たち」のポスターが貼られていました
 

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先般このblogで紹介した、ここ西條を舞台とした映画「恋のしずく」の第二弾
比嘉愛未さんが主人公を演じ東広島の竹原をロケ地として撮影が行われるのだとか
こちらも楽しみですね
ちなみにその「恋のしずく」まだ観てなかったりします
 

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(東広島市HPより拝借)

西条酒蔵巡りもいよいよこれで最後、7軒目となる
西国街道(旧山陽道)を西へ10分ほど歩き「山陽鶴酒造」へやってきました
ちなみにこちらの酒蔵にある「鶴丸」
日本航空のマークとほぼ同じですが、まったく関連性はなく
単に山陽鶴の鶴と山を表しているのだとか
 

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試飲ができるのはこちらの店舗
店の入り口とは別の入り口からは『ミシュランガイド広島 2013 特別版』でビブグルマンに評価された人気の和食店「割烹 しんすけ」がありそちらでは名物の美酒鍋が食べられるのだとか
残念ながらこのあと広島市内のミシュラン予約していますので、ここはパスすることに
 

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ということで店舗兼試飲コーナーへ
店舗には山陽鶴酒造のお酒やオリジナルグッズが展示
特にこのお酒を入れるトートバックのデザインが気に入ったのでお酒と一緒に買っていくことにしました
 

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試飲コーナーには「恋のしずく」のポスター
そしてここで販売される山陽鶴酒造の酒
それに加えたくさんの試飲でき山陽鶴酒造の酒が並んでいました
 

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オリジナルグッズで特徴のあったのは
この真っ赤な「おちょこ」
お祝い事によさそうです
 

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ここでは少し居候させて頂き、たっぷりと試飲させていただきます
 

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まずは三種のみくらべ
「大吟醸 ほんと」(35%精米)
「純米大吟醸 凹 KUBO」(55%精米)
「特選 純米大吟醸」(55%精米)
3種で500円と安価な試飲ですが、観光客の中にはお金とるのと?いわれる方もいるのだとか
私自身はこうして対価(対価というのが正しいのか判りませんが)を支払い試飲するほうがよっぽど気楽に飲めますと話しさせていただきました
 

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そんなこんなでここのおかみさんとも気が合い飲み比べで角打ち状態
(カウンターに置かれた酒瓶すべて試飲してしまいました)
酒器も紙コップではなくグラス
こんなところも嬉しい

まずは「純米吟醸 花凜」
「純米生原酒 TAZ SANYOTSURU」(広島県産(中生新千本100%使用)
これとりあえずと読むそうです、とりあえずビールそんなネーミングでしょうか

他ににごり酒2種
「清酒にごり おり酒」
「酒都西條 白壁のおり酒」

前述の直営飲食店「倉凛」の開店に合わせて作られた「生貯本醸造 倉凛」
サッパリ飲める純米酒との触れ込みの「八〇純米」(80%精米)

そしてここのおかみさんは熱烈なカープファンのようで、そんな酒「清酒 昇り鯉」
結局3+7杯試飲することになりました
 

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最後に気に入った「清酒にごり おり酒」とオリジナルバックを購入
今度日本シリーズで広島カープと日本ハムファイターズが戦うことがあったら
また伺いますと声をかけ店を後にしました

酒蔵の前でよくお目にかかる吊してある酒琳(杉玉)
多くの酒蔵に祀られてていますが、それは良い酒が醸せるよう「松尾様」のご加護を願うために吊されているのだそうです
 

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そんな「松尾さま」
酒を飲む人、売る人、造る人、酒に関わる全ての人たちの守り神で
ここ酒都を名乗る東広島西條にもあるとのことでした
ということで私もそんな松尾さまにあやかりたいと山陽鶴酒造から歩いて線路を渡りやってきました
ただGoogleMapで神社を目指し到達したのは「御建神社」
あれ違うじゃん・・・とも思いましたが、よく見るとこの神社に寄進しただろう
先ほど飲んで回ったばかりの西條の酒蔵の名を刻んだ玉垣が見て取れます
 

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とりあえず境内に入り本殿を見ると
出雲大社のような立派なしめ縄の周りに
そこにもは酒樽がこれでもかと積まれていました
そう拝殿には西条の酒造メーカー各社の酒樽が奉納されているんです
どうやらここで間違いなさそう
ちなみに私が伺った10日ほど前、ここ御建神社にて西條酒造協会の酒造祈願祭が行われていたそうなのでその名残もあったかもしれません
 

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よく見ると本殿の階段手前にその石柱は有りました
「酒神 松尾神社」とその石柱には刻まれていました
 

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御建神社の境内、本殿に向かって左奥
そこに山城伏見の松尾神社の分霊を境内に勧請し酒都西条の酒の守護神とした摂本社松尾神社はありました

 

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松尾神社の祭神は記紀神話に現れた酒神、大山昨神・中津島姫命の2柱
大山昨神は京都の松尾大社の祭神
特に中津島姫命は福岡県沖の島の宗像神社の祭神ですが、先日行った厳島神社の祭神である宗像三女神の一人でもあります
ここで「これからもおいしい酒に出逢い、飲めますようにと」参拝
 

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そう御建神社も少しばかり散策
40年9か月振りの皇統男子が生まれた記念に
秋篠宮悠仁親王御誕生記念の記念樹が境内に植えられていました
 

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拝殿右側には神楽殿があり
殿内には旧海軍駆逐艦「深雪」の絵が奉納されていました
そのころ日本の領海だった済州島近海で演習中に
このblogでも紹介した「敵兵を救助せよ! 駆逐艦「雷」工藤艦長と海の武士道」の駆逐艦電と衝突、沈没した船ですが
なぜここにその絵があるのか全く分かりません
 

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そんなこんなで今朝は朝から呉や東広島西條を歩いて回りましたが、日も落ちてきたことですし、広島に舞い戻り晩飯にすることといたします

広島最後の夜は瀬戸内の魚料理を堪能しようと
ちょっと背伸びしてミシュランガイド広島2013掲載店
「小魚料理 とみ助」へ
 

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暖簾をくぐり店内に入ると
小綺麗な割烹のような造りで席はL字型のウンター席のみ
全て合わせても15席ほどのこじんまりとしたお店です
 
 
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カウンター前に置かれたネタの入ったガラスケース
地元ならではの旬を感じさせる新鮮な魚がずらり整然と並べられています
もちろん噂の立派なアジも鎮座していました
 

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まずはビール
出てきたのはキリンビールのジョッキ生
午前中伺った「大和ミュージアム」で見た、戦艦大和から引き揚げられた『ンリキ』と刻まれたビール瓶を思い出しつついただくことに
 

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カウンターの上には吊札のメニューが掲げられています
価格は表記されていません、ご主人自ら市場に赴き仕入れされるそうですが、日によって仕入れ価格が変わるのか、料理はすべて「時価」といったちょっと恐ろし気なお店でした
 

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まず頼んだのは、お刺身盛り合わせ
寒鰤はまさに旬で脂がのっていましたし、ツブや蛸はこりこりしてます
特に蛸は通常2回ほど茹でられたものが刺身として提供されますが、これは一度しか茹でられてはいないのではと思わせる新鮮な蛸でした
 

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それと別の小鉢に盛られた生肝
これが噂のカワハギの生肝でしょうか、プリッとしていましたが口の中でとろっととけて美味い
ということで合わせるお酒も、先ほどまで回っていた東広島西條の日本酒に変更
亀齢(キレイ)酒造「特選 亀齢」と賀茂泉酒造の「純米吟醸 賀茂泉」を冷でいただくことに
 

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もちろん絶品!と評されていた「アジフライ」も頼みます
注文を受けてからこの大量に天ぷら油の入った大鍋にアジを投入
私以外もほとんどの方が「アジフライ」を頼んでいることもあり天ぷら鍋は絶えず火が入り揚げられていました
 

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で出てきたアジフライがこれ
表面はサクッとしていますが、中野アジの身はふっくらと旨味が凝縮されていてまさに絶品です
これだけでも食べにくる甲斐のあるというのもうなずけます
 

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ここでガラスケースの中でひときわ目を引く「のどぐろ」を頼もうとしたところ
女将さん(ちなみに北海道ご出身なんだとか)から大き目のサイズですよ(高いですよ)と忠告を受けましたが、ここまで来て食べずに帰るわけには行きません
 

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のど黒は煮つけにしていただきました
付け合わせは椎茸、ごぼう、ねぎ、それに加え豆腐
昨日行った「中ちゃん」ののどぐろの煮つけもそうでしたが
煮つけに豆腐を入れるのはここ広島のスタンダードなんでしょうか

どちらにせよこののどぐろもまた絶品
いや~無理して頼んでよかった、そんな逸品でした
 

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ところでたまたま隣に居合わせた方とも仲良く話をさせていただきました
ちなみにお隣にいらした方はあの「黒部の太陽」に関係ある会社の方だったそうで
小樽の石原裕次郎記念館の閉館やその後についても話をさせていただきました
そんなわけでお隣さんの頼んだ品も写真に撮らせていただきました
「サラマンダーで丁寧に焼かれたのどぐろ」
 

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「そしてメバル煮つけ」
これはちょっと反則だったかも
 

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料理は無論、お店の雰囲気も良く
北海道出身だという女将さんとの会話も楽しませていただきました
又、広島に来る機会が有ったら必ず伺おうと思います

広島空港ANAラウンジ初潜入

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ANAの広島空港~新千歳空港便
往路もそうでしたが、朝8時に広島空港を飛び立つという
どちらかと言うと北海道の方が広島に行くというよりは、広島の方が北海道へ渡航するに便利な便でしたので、折角の3連休に3泊したにも関わらず実質2日のみの旅程となってしまいました
ということで最終日は朝6時のバスで広島空港へと舞い戻ってまいりました
 

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今回、広島で堪能した料理は何といっても「のどぐろ」
札幌に持ち帰り、東広島の日本酒の肴にでもしようと空港売店で探したところ、あるにはあったのですが、大きさに比べ価格が高く尻込みしてしまい、買わずに他の土産を購入してしまいました
 

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土産を買ったら荷物を預けるため、ANAのチェックインカウンターへ
広島空港には優先チェックインカウンターがあるのでこちらを利用させていただきます
(ちなみに優先専用保安検査場は有りません)
 

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セキュリティエリアに入ったら、真っ先にラウンジへ
広島空港ANAラウンジ初潜入です
 

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連休最終日でしたが朝の7時過ぎと言うこともありラウンジは閑散としています
ここでラウンジレポート
まずは座る席はビジネスデスク付の席&ソファー席などがあり
双方ともに席にAC電源が付いています
 

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飲み物のコーナーには
エスプレッソメーカーとドリンクバーが置かれ
甕の焼酎サーバーとサントリーロイヤルがありましたが日本酒は有りませんでした
酒都西條を擁する広島の空港にしては少し寂しい
ANA名物のあられミックスがありましたのでこいつを頂き
 

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ビールサーバーもあり(銘柄はキリン一番搾り)ますが
札幌の自宅に着くのは午前11時
まだ休日を有効に使いたいのでここでの生ビールはパス
エスプレッソメーカーで淹れたカフェラテを頂くことに

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そうこうしている間に搭乗時間
帰りの機材はB777-300(写真は新千歳空港で写したもの)
 

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八天堂「空飛ぶくりーむパン」
そしてブルースカイで買ったサンドイッチ
それに機内で提供されたスープで朝飯といたしました
 

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ということで勤労感謝の祝日を交えた3連休を使い広島観光を楽しみましたが、広島は思ったよりも見どころ満載
特に最初に入った鉄板焼きの店で飲んだ地酒(広島の酒)が美味しく東広島の酒都 西條を巡ることとなりましたが
空港に貼られた「東広島 安芸の国、酒の都」というポスターを見て、また来たいという思いが募りました
近いうちにまた広島を再訪したいものです
 

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